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【韓国経済の光と闇】IMF国家支配〜5.『経済優先の社会』の犠牲者

今回はシリーズ5回目、最終回となります。
 
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これまでのエントリー
1.韓国経済の状況

2.’97アジア通貨危機とは何か? [1]
3.アジア通貨危機が韓国に与えた影響 [2]
4.IMFが作り出す社会 [3]
 
前回エントリーでは、IMFの誤った対策により、韓国は一向に豊かにならず、株主(特に海外の株主)だけが大もうけしているということがわかりました。
 
今回のエントリーでは、IMFの誤った対策は偶然だったのか、何か別の意図があったのかについて考えてみたいと思います。
 
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戦後の米韓関係
  
韓国の状況を少し歴史を遡って見ていきましょう。
 
かつて朝鮮半島は1910年日韓併合によって日本の領土となっていました。しかし1945年第二次世界大戦により、日本が敗北したことによって朝鮮は独立を回復し、建国準備委員会が結成されたのです。国号は「朝鮮人民共和国」が予定され、そのまま実現されるはずだったのです。
 
ところが資本主義アメリカと社会主義・共産主義ソ連・中国の対立が持ち込まれ、北をソ連が、南をアメリカが占領する民族分断国家になってしまったのです。アメリカは、周囲を社会主義国で囲まれている韓国を共産圏に対抗するアジアの拠点として位置づけ、軍事的にも経済的にも援助を行います。それによって韓国は朝鮮戦争での大打撃から徐々に経済復興へと進み始めます。
 
しかし、米韓関係に大きな転機が訪れます。それはアメリカのアジア政策の中心を韓国から日本に移したからです。これによりアメリカから韓国に対する無償援助は借款(=借金)に切り替わり、減額されてしまったのです。そのため韓国の経済復興そして経済成長のスピードはゆるやかとなり、代わって朝鮮戦争での特需を受けた日本がアメリカ支援も相まって瞬く間に経済成長を成し遂げ先進国の仲間入りを果たしたのです。(韓国の反日感情はこういう経緯も含まれているのかもしれません)
 
それでも韓国はその後の世界の好景気の波に乗り、漢江(ハンガン)の奇跡と呼ばれる経済成長を成し遂げました。このとき韓国に止まらず、東アジアの奇跡と呼ばれるように、東アジア全体に波及し、ヨーロッパやアメリカに対抗するアジア経済圏の確立が求められるようになっていました。アメリカやヨーロッパに依存しないでアジアの経済圏を作ること。そんな中でのアジア通貨危機でした。
 
米ソの冷戦状態も崩れ、もはや反共産圏の拠点という位置づけは薄まったと思われます。
しかし韓国、さらには日本も含めて東アジアとして、アメリカに対抗しそうな経済圏を形成しつつあることをアメリカが黙認するとは思えません。実際、アジア通貨危機の際、日本が「アジア通貨基金構想」を提案したが米国と中国に反対され頓挫した経緯があります。ましてや依然民族意識は強く、韓国の南北統一という悲願は消滅したわけではないのです。つまりIMFは、アジア経済圏構想を潰すこと、そして韓国の民族意識を叩き潰し市場開放と金融によるコントロールを目論んだのではないでしょうか?
 
反米感情 
 
IMF危機により、韓国国内で反米感情が高まりました。さらに、2002年に起こった米軍装甲車女子中学生轢死事件(韓国の女子中学生二人が米軍の装甲車に轢き殺された)がこれに拍車をかけました。韓国政府による韓国陸軍士官学校新入生に対する意識調査では、韓国の敵対国家の第1位はアメリカであり、一般の新兵に対する調査結果では75%が反米感情を表しています。
 
このような反米感情を背景に、米国への報復?として、韓国はリーマンショックの引き金をひいています。このことは世界各国では報道されていますが、日本のマスコミでは全くスルーされています。以下はウィキペディアからの引用。
 

[リーマンブラザース救済をドタキャン→リーマンショックの引き金ひく]
2008年9月3日に韓国政府筋の韓国産業銀行(KDB)がリーマン株のうち25%を5-6兆ウォン(約5200-6300億円)で取得する事を明らかにしていたが、2008年9月10日になって一転、KDB側が出資協議を打ち切り、これに伴いリーマン株の売りが増大し、45%安を記録した。そして最終的には、同年9月15日に連邦倒産法第11章(日本の民事再生法に相当)の適用を連邦裁判所に申請し破綻した。 [4]

 
 このことによって、韓国は国際社会の中でますます孤立しています。もうかっているのは外資に支配されたサムスン電子や現代自動車などのガリバー企業で、さらにその富を享受しているのは株主などの上層部の人間のみです。結果、韓国国内は一向に豊かにならず、負の連鎖が続く構造になっています。IMFによる『経済優先の社会』の犠牲者が現在の韓国の姿なのです。

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