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『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【1】:プロローグ

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<ムアンマル・アル=カッザーフィー:画像はこちら [1]からお借りしました>

中東諸国で「アラブの春」と呼ばれる民主化運動が次々と起こっています。
しかし、我々日本人には日ごろ馴染みのない問題で、断片的なニュースを見ていただけでは、何が起こっているのかよくわかりません。
そこで、当ブログでは、あらためてこの間のニュースを整理し、今なぜ起こっているのか?その構造解明を試みてみたいと思います。
今日はそのプロローグとして、今回のシリーズの問題意識と今後の記事予定を投稿します。

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●問題意識
チュニジアでのジャスミン革命をかわきりに、エジプトなどの他のアラブ諸国に反政府運動が波及し、リビアではカダフィが政権の座を追われ、長期独裁に終止符が打たれることになりました。
ニュースでは、これらの中東諸国では長期独裁政権が続いていたので、鬱積していた国民の不満が爆発したとか、若者を中心に普及したソーシャルメディアという新しいメディアが、急速にアラブ諸国に騒乱が波及することに影響したなどと伝えられていますが、そのような表面的な情報だけでは、事の本質が見えてきません。
問題は、『なぜ今、中東諸国で同時に起こったのか?』という点にあります。一国内で見れば、いずれ独裁政権は崩壊するということはあり得ることでしょうが、同時期に周辺諸国に波及しているということは、世界全体の国際情勢が影響していると見るべきでしょう。
国際情勢を概観すると、米国の覇権が終焉しつつあり、その影響をもろに受けて、欧州、日本等の先進国は軒並み経済危機に瀕しています。他方、BRICSなどの後進国が台頭することによって、世界の勢力地図は塗り替えられていく情勢にあります。
その中にあって、中東諸国は石油等の天然資源に恵まれている地域であり、かねてから米国、欧州などの経済の覇権争いの標的となってきました。視点としては、今回の中東民主化も米国、欧州及びその背後の金貸しの覇権争いという視点を置いておくことが必要だと思われます。同時に起こっていることから見て、戦略的に仕掛けられている可能性もあります。
米国、欧州及びその背後の金貸しの覇権争いがどうなるかは、実質的に金貸しに支配されている日本に大きな影響を及ぼします。今後のエネルギー政策を睨んでも中東情勢からは目が離せないのではないでしょうか?
そのような問題意識をもとに、今後『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』の記事をシリーズでお届けします。ご期待ください。

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<ホワイトハウス前で反カダフィのデモを行う亡命リビア人:画像はこちら [1]からお借りしました>

●追求テーマの予定

①『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【1】プロローグ
②『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【2】ニュースの整理:チュニジア編
③『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【3】ニュースの整理:エジプト編
④『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【4】ニュースの整理:スラエル隣国諸国編
⑤『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【5】ニュースの整理:リビア編
⑥『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【6】説の紹介:欧州主導説
⑦『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【7】説の紹介:米国主導説
⑧『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【8】説の紹介:民族意識主導説
⑨『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【9】コラム:ソーシャルメディアって何?
⑩『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【10】構造化:金貸し支配との関係?
⑪『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【11】構造化:日本との関係?

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