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『なぜ今、中東民主化が起きているのか?』【9】コラム:ソーシャルメディアって何?

今回は、中東の民主化運動の中で大きな役割を果たしたとされるソーシャルメディアについて取り上げます。
最近頻繁に耳にするようになった“ソーシャルメディア”ですが、その定義や実態をよく知らないという方は多いと思います。

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■1.ソーシャルメディアって何?

ソーシャルメディアとは、ユーザー情報を発信し、形成していくメディアのこと。個人が発信する情報が不特定多数のユーザーに対して露出され、閲覧したユーザーはレスポンスを返すことができる。ユーザー同士のつながりを促進する様々なしかけが用意されており、互いの関係を視覚的に把握できるのが特徴。
CGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)とほぼ同義であり、ソーシャルメディアにはブログやSNS、インターネット上でお気に入りを共有する「ソーシャルブックマーク」、ソーシャルニュースサイト、オンライン百科事典、クチコミサイト、FAQサイト、ビデオ投稿共有サイト、掲示板などがある。情報の伝搬力が高いソーシャルメディアは影響力を増しており、ユーザーの滞在時間が長いのも特徴。(参照) [1]

■2.ソーシャルメディア等の利用状況
 □各国での普及率

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                                   参照:人口(2010年) [2]
                                       携帯電話保有数(2008年) [3]
                                       internet普及率(2008年) [4]
                                       facebook普及率(対人口比) [5]
                                       twitter普及率(対人口比) [6]
 □Facebookの利用状況(参照) [7]
  

  ・Facebookの総ユーザー数:7億5,000万人
  ・ソーシャル・ネットワークのユーザーのうち、Facebookを使っている人の割合:92%
  ・毎日Facebookを使っているユーザーの割合:52%
  ・2011年上半期中のFacebook広告単価の上昇率:70%
  ・Facebookをマーケティング目的で活用している小規模ビジネスの比率:70%(Googleは66%)
  ・Facebookページのファンのみが購入できる商品があった場合に購入すると回答した割合:11%
  ・Eventbrite(イベント情報掲載やチケット販売をできるサービス)の売上は、1いいね!毎に1.34ドル上昇(ツイートでは80セント)
  ・Facebookで一日にシェアされるものの総数(近況、画像、動画、リンクなど)は40億に上る

 □日本におけるTwitterの利用状況(参照) [8]
  

  ・現在「Twitter(ツイッター)のアカウントを持って、利用している」人は22%程度。10代女性に限り、利用者は40%を超える。
  ・Twitter(ツイッター)利用者の半数は、2010年より開始している。また30%近い利用者が今年(2011年)から開始したと回答。
  ・Twitter(ツイッター)利用者の6割が「数日で1回程度」「ほとんどつぶやいていない」と回答。
  ・Twitter(ツイッター)利用者の半数はパソコンのみ使ってつぶやいている。
  ・ほぼ半数がフォロー数、フォロワー数ともに「10未満」と回答。
  ・約30%の人が「つぶやきの面白い知らない人」をフォローしている。
  ・Twitter(ツイッター)のアカウントをもたない理由は「自分には不要なサービスだから」。

 
■3.中東民主化の中でのソーシャルメディアの役割
  エジプトでは、30年近くもの長い期間独裁政権を続けたムバラク大統領が、エジプト市民の力によって辞任に追い込まれました。この歴史的な「エジプト革命」の過程でフェイスブックツイッターといったソーシャルメディアが果たした役割に関して、世界中で大きな関心をもって報じられました。(その他の中東民主化運動も同様です。)ムバラク大統領辞任までたったの18日間というスピードで事態が進展したのは、一般市民、特に若者がソーシャルメディアを活用したことで、情報・共感の伝播が加速したということが大きな要因のひとつではないでしょうか。
もちろんエジプトを含め、中東の国々はインターネット及びfacebookの普及率はまだまだ高いとは言えません。今回の革命の実態としては、一部のソーシャルメディア利用者が民主化運動に関する情報を受信・発信し、それらの情報をネットや携帯電話から得た市民が民主化運動を引き起こした、と言えます。いずれにせよ、中東での民主化運動は、ソーシャルメディアが社会変革を「加速」する上での数多くの学びを、私たちに提供してくれているのではないでしょうか。
今まではマスコミに支配されてきた情報発信が、ソーシャルメディアの登場により一般市民の中からも大きな影響力を与えていける可能性が生まれてきたこと、その事実こそが大きな意味を持つのではないでしょうか。

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