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「BRICSは金貸しに操られているのか?」 ~2:ロシア 金貸しによる人工国家からの脱却・プーチンの闘い

第1回 ブラジル ワールドカップ・オリンピックの背後 [1]

「BRICsシリーズ」の第2回。今回は、ロシア革命~ソ連建国の頃から金貸しの勢力下に置かれていたロシアを扱います。

ロシアと言えば、ソチ五輪直後のウクライナへの武力介入があり、そのままクリミア併合を強行しました。

その後、欧米諸国からの制裁を受けたりと、メディアの発表を見ていると、ロシアが悪者扱いされているように映ります。第1回でも述べたように「BRICs」とは、ゴールドマン・サックスが投資対象として命名した新興諸国です。
その投資対象ひとつ、ロシアがこのように制裁を受けているのは、なぜなのでしょう?
クリミアを武力制圧したからだというのが理由なのですが、果たしてそれは事実なのでしょうか?
ロシアは今、どうなっているのか。どうしようとしているのか。今回はその実態を観て行きます。
■ソ連建国と崩壊、ロシア建国と市場化
 
もともとロシアは帝政時代の末期より、金貸しの介入がありました。ロックフェラーは、子飼いであるレーニン、トロツキー、スターリンをロシアに潜入させ、ロシア革命を起こし、ソ連を建国。強大な社会主義国家となり、冷戦下、アメリカと軍拡競争を繰り広げ、軍需産業を潤わせてきました。 

そして、世界世論が軍縮に向かうと、ソ連を崩壊させ市場化に舵を切ります。
以下、るいネット [3]より引用
チェルノブイリ原発事故を機に欧米勢力の傀儡であるゴルバチョフがペレストロイカ(改革)を推進。
その一環で推進されたグラスノスチ(情報公開)の結果、旧ソ連政府に原発事故の責任があるとされた。そこで課された莫大な賠償金が決定打となり、ソ連は崩壊。
その後、ロシアの初代大統領となったエリツィンが欧米金融のフロント機関であるIMF(国際通貨基金)の助言に従い、彼らのいう「ショック療法」を受け入れた。急激な市場経済の導入である。
そこで乗り込んできたアメリカ人経済学者たちが指示したのは、多数の国営企業の民営化である。その結果、国家財産が旧体制で権力の座に就いていたユダヤ系ロシア人の私物となり、新興財閥「オリガルヒ」が生まれ、彼らは欧米のプロスポーツチームを買収するほど世界有数の億万長者になった。
彼らはルーブルの下落でも大儲けして、欧米勢の投資家とグルでロシアを食い物にし、ソ連崩壊後のロシア国民を貧困のどん底に叩き落としたのである。
そんな最中の2000年、プーチンが大統領となります。ゴールドマン・サックスが「BRICs」と命名したのが2001年。つまりプーチン政権は当時、金貸しにとっては絶好の投資対象として認識されていたのです。

■プーチンの反逆

以下、るいネット [3]より引用
これに怒ったプーチンはユダヤ勢力に従うフリをして大統領の座を手入れると、態度を一変、それまで好き勝手にしていたオリガルヒを詐欺、脱税容疑で逮捕するなど追い出しにかかった。さらにプーチンは、欧米金融勢力とオリガルヒに乗っ取られていたメディアも掌握したのである。ロシア・トゥデイだけでなくロシアの報道機関が、アンチ・欧米金融権力として真実の報道をする姿勢にはこのような背景がある。
その後もプーチンは2011年11月13日のエントリー [4]のように、ロックフェラー側からの圧力を徹底して排除し、ロスチャイルド側からの圧力も巧みに跳ね返しています。金貸し側としては、子飼いにしていたはずのプーチンに裏切られたかたちとなったのです。しかも莫大な現物資源を有している大国を自分たちが支配出来ない。なんとか支配下に置ける手立てはないのかと画策します。それがウクライナで起こった暴動なのです。

実は2010年に「ウクライナ内戦」で合意していた米英独リンク [5]とあるように、ほぼシナリオどおりに勃発したのが、今回のウクライナ騒動である。ただシナリオ通りに行かなかったのが、プーチン大統領によるソチ五輪後の迅速な軍事行動であったようです。今や世界一と言われる原油埋蔵量を有し、欧州向け天然ガスの1/3を供給するロシアに対し、強硬手段をを取ったとしてもその勝敗は見えている。紹介記事はロシアの覇権をテーマに書かれているが、むしろリンク [6]
リンク [7]に書かれているように、米国オバマ大統領やドイツメルケルの背後にいる「金貸し」VS「プーチン」の闘いの延長線上にあるのが今回の事件だと考えるのが事実に近いのではないでしょうか。
上記は、るいネットウクライナ情勢の裏を読む [8]より引用
プーチンが立ち向かっているのは、オバマやケリーなどではない。
もっと、大きな大きな「敵」のようだ。
そして、多くの国々が彼らの影響下になる中、真に対峙できるのは、ロシアのプーチンしかないのであろう。プーチンですら、呑み込まれてしまったら、強烈な格差社会の中、国も地域もなく、すべてのモノが喰いつくさえるであろう。
ウクライナの出来事は、けっして日本にも、無関係ではない。
TPP交渉のとき、何でマレーシアやベトナムが、公然と米国の要求に楯突けたのか?
それは、シリア問題など、米国の影響力がかなり後退したからではなかろうか。
 今、グローバル化により、各国の主権も、その国の伝統文化も、そして人と人とのつながりも、すべてが食い尽くされようとしている。
すべてが「お金」という尺度で統一され、お金の力のあるモノに、猛烈な勢いで世界が支配されようとしている現実。
プーチンが今、背負っているものは、ただロシアやロシア民族だけではない。各国の国の主権、その地域の伝統文化、経済、人々の生活などなど、人類史に残る大きな戦いを行っていると言えるのではなかろうか。

■まとめ


・金貸しは、ソ連という人工国家をつくり東西冷戦を演出し軍需産業で儲けた。
・ソ連崩壊後はロシアとなり市場開放。巨大資本が国内の産業を乗っ取った。
・金貸し支配下のもと、BRICsとしてさらに金儲けの投資対象となる。
・金貸しに従順なフリをして大統領になったプーチンが金貸しを裏切り反逆。
・現物資源の保有国世界一のロシアをあきらめない金貸しと、
 それを跳ね返すプーチンの闘いが繰り広げられている。

かつて金貸しの多極化支配戦略のもと支配下に置かれていたロシアは、プーチンによって反転。

市場経済システムの崩壊が秒読みに入った今日、金貸しとしては支配体制を継続していくには、実物を確保しておきたい。そのためにはロシアをなんとか手中に収めたいところ。金貸しとプーチンは、いまや形勢が逆転していると言って良いでしょう。疑問として残るのは、なぜプーチンはこれだけ強気なのか、という点です。
いくら現物資源を多く有しているとはいえ、ここまで金貸しを真っ向から跳ね返すには、何か背景があるはずです。
これは全くの仮説ですが、プーチンは、欧州貴族をはじめ世界の金主を味方につけたのかも知れません。
金貸しは、所詮は金主の使い駒です。その金主も市場経済システムの限界を察しており、であれば次の安定基盤を求めていてもおかしくはありません。そんな金主達がロシア側についたのではないでしょうか?
このあたりは、継続課題として今後も追求していきます。
次回はインドを扱います。お楽しみに。
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