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金貸し勢力のスパイの証言(5)~殺人鬼チャーチルとその事実を隠蔽する放送局~

ベラスコの証言を見ていくと、歴史の教科書で著名な出来事のほとんどが、実は国際金融寡頭制力=金貸し及びその金主達の指令であることがわかる。文中で筆者は、そのような情報を、常識を逸して、どのように受止めてよいか分からないという意味で「ガラクタ」と呼んでいる。

ここでは、ウィンザー公誘拐未遂事件を扱っているが、そこでも諜報戦による様々な駆け引きが繰り広げられている。

また、驚いたことに、事件の真実:金貸しによる指令については、各国放送記者も知っていながら、その話題には触れられないという。つまり、放送局も同様金貸しの支配下にあって、それは記者レベルでも周知されていたということだ。

「伝説の秘密諜報員 べラスコ」(高橋五郎著)を基に転載紹介

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チャーチル [1]ウィンザー公 [2]

◆ウィンザー公夫妻誘拐計画の舞台裏

べラスコの言う、世界政治の裏面を支える構造上の因果関係なる構造には私は興味津々だったが、その結果となる現場に付き合うのはきつかった。

(中略)

べラスコが語る話題には、それを聞かされる私にとって「ガラクタ」でしかないものとそうでないものがあった。「ガラクタ」とは、文字通り聞かされても、私の中の常識が拒否してしまう、つまり無駄話や、実は鋭利な猛毒話、これこそが真実と受け取る向きもまたあるのかもしれないのだが。たとえば次のような話のことだ。

 

「日本の昭和天皇とその子孫を英国で教育させることで密かに利益を得ている人々」の存在をべラスコは私に語ったことがある。一般庶民の私には興味は抱けども反応できる話題ではない。したがって聞かされたところでどうにもなるものではない。この手の話題が私にとっては「ガラクタ」ということになる。

 

米国の(パパ)ブッシュ大統領が三大自動車会社の大幹部を帯同して日本市場解放を迫って来日したときの話題もそうだ。「大統領はむりやり日本に出かけさせられた」と、べラスコはブッシュ大統領に同情的な口調で私に予告してきたことがあった。ブッシュを心身ともに最悪の状態に追い込んでいるのは、自動車会社の大幹部や関連労組ましてや選挙民によるものではなくなくて、別の人々つまり、世界寡頭権力者らの指令によるものだという。べラスコは、ブッシュ大統領の訪日旅行を格別なものと見ていたようだった。だが、この予告も「ガラクタ」でしかなかったが、その際に晩餐会で嘔吐しながら床に倒れたブッシュの姿が映したテレビ画像は「ガラクタ」ではなかった。

 

東西ベルリンの壁の除去、ソ連崩壊とクーデター、セルビア紛争、エイズや核汚染、イラン・イラク戦争と湾岸戦争・・・など、既に発生してしまった世界的大事件の背後にある因果関係の話題も、それが発生する前にべラスコは私に予告してくれた。よく当る「占い」だったが、それらの「真実」を明かされると、私にとってはもはや 「ガラクタ」になってしまう。大事件の発生を頭で否定しながら、しかし内心ではそれを待ち続けてしまう妙な気苦労が「ガラクタ」には付きまとうのである。

 

そのつらさを逆転させてくれる話題もある。それの話題はロマンとミステリーに富んでいるから、私にとっては「ガラクタ」ではなくなる。

 

たとえば、チャーチル元英国首相のノーベル平和賞受賞にはあいた口がふさがらなかったといった類の話題である。ウィンザー公つまり元英国国王エドワード八世(1894~1972)のウォリス・シンプソン夫人(1896~1986)との「世紀の恋」による退位(1936年末)事件は有名だ。さて、首相チャーチルは、恋を選んで退位したウィンザー公に、バハマ諸島訪総督の地位をすすめた。しぶしぶ承諾したウィンザー公は赴任途中、ポルトガルの首都リスボンに滞在した。ダンケルクの戦い(1940年5月27日~6月4日、英仏軍撤退)に敗れ、敗戦寸前の英国が、ヒトラーの手に落ちるのは時間の問題だった。ウィンザー公ファンのヒトラーは、公爵夫妻を誘拐して英国王の座に復帰させる計画を立て、ポルトガルでの静養中のウィンザー公夫妻誘拐を指令した。その意図をスペインのフランコ総督から極秘に知らされたチャーチルは、MI6に命令して誘拐阻止をはかった。但しその指令は、誘拐阻止に失敗した場合は「うまくやれ」、つまり暗殺するようにと付け加えたとべラスコ。

 

ドイツ国防軍情報部と親衛隊(SS)情報部のウィンザー公誘拐作戦は「失敗」に終り、ウィンザー公は無事にバハマに向かう。英国が自画自賛したくなる気持ちはわかる。

 

だが、この誘拐作戦を直接担当したのがべラスコだったから、話は逆転してしまう。

 

英国は、この「栄誉」を現在も非公開にしながら、他方では世界中の著述家やジャーナリズム、歴史家らに「誘拐失敗物語」を書かせ、MI6とウィンザー公の知的勝利の成果を間接的に自画自賛している。だが、暗殺計画を阻止したのは、その事実を知ったドイツ側つまりベラスコ側であり、MI6による暗殺を回避するための最善の策として、あえて誘拐作戦失敗を演じたとべラスコは反論。誘拐作戦にべラスコたちが成功した場合は、ウィンザー公を殺せとチャーチルは命令していた。その命令をべラスコたちが知ったことを、フィルビーを通じて英国に教えたのだ、英国が隠し続けるこの部分こそが「問題の核心」なのだとべラスコは声をひそめた。だから、話が殺人鬼チャーチルのノーベル「平和」賞受賞の段になると、べラスコは爆発した。「何であんな奴に」と。

 

何も知らない放送記者や作家が良くべラスコ宅に取材にやって来た。ウィンザー公とリスボンで駆け引きしたスペイン人べラスコに当時の様子を聞くために訪れるのだ。そうした取材の現場に私は出くわしたことがある。BBC放送の取材陣が知りたがった話題は私にとっては「ガラクタ」ではないのだが、チャーチルにノーベル平和賞を与えた人々、つまりチャーチルにウィンザー公の始末を指令した陰の人々の存在に話が及ぶと、その話題は私にとっては「ガラクタ」に一変してしまう。そうした「ガラクタ」に言及してほしくない取材陣は、あわてて話をそらしたものだった。

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