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トランプ大統領TPP離脱の大統領令に署名、TPPの後はどうなる。

TPP離脱署名 [1]安倍内閣が、政策の最大目標を経済回復と位置づけ取り組んだアベノミクス、その3本の矢が金融政策、財政政策、成長戦略でした。そして、アベノミクスの成長戦略の中心に据えられていたのがTPPでした。2016年の11月4日に日本の国会では、衆議院のTPP特別委員会で自民党の強行採決によりTPP承認案が可決されました。

しかし、そのたった5日後の2016年11月9日大統領に就任したらすぐにTPPから離脱すると明言していたトランプ氏が大統領選挙に勝利、しかし、翌11月10日、衆議院本会議でも強行採決でTPP承認案が可決されました。その理由を政権側は“日本が承認案を可決させることでアメリカを説得するのだ”などと述べたようですが、実際はどうだったのでしょうか。

ご存知のように、トランプ大統領は1月23日にTPPから永久に離脱するとした大統領令に署名、2月11日のトランプ大統領と安倍総理による日米首脳会談では、TPP承認を説得する様な動きは一切ありませんでした。安倍総理もTPPなど世の中になかったような顔をしていますし、マスコミでもTPPについての報道は全く目にしません。

日本の命運をかけて取り組んできたTPPが、トランプ大統領のちゃぶ台返しで水泡に帰した訳で、アベノミクスの成長戦略は瓦解しました。本来なら、安倍総理は責任を取って辞任するなり、新たな政策を立案して解散総選挙で国民の信を問うぐらいのことをやっても良さそうなのですが、マスコミも国会の野党もTPPの責任を問う人は一人もいません。

TPP導入を決めるときは、あれだけ経済効果を宣伝し、導入の重要性を訴えていたにもかかわらず、TPPの消滅が決まっても、だれも不安も文句も口にしないのは、不気味ですらあります。日本の株式市場もトランプ氏が大統領選挙に勝利して以降、上層基調にあり、TPPが消滅して日本の経済に悪影響が出るとは、誰も考えていないようです。

一体、TPPは何だったのでしょうか?

■トランプでTPP消滅なのに…安倍政権が本会議で承認を強行採決し世界の笑い者に! TPP礼賛のマスコミも共犯だ [2]

一体、何のために……。先刻、4日の特別委員会につづいて衆院本会議でもTPP承認案・関連法案が強行採決された。ご存じの通り、昨日開票が行われたアメリカ大統領選では「就任初日にTPPから離脱する」と宣言しているドナルド・トランプが勝利。これを受けてマコネル上院院内総務は記者会見で「年内にTPP採決は行わない」と述べた。オバマが任期中にTPPを批准する可能性はほぼ断たれ、アメリカが不参加となればTPPは発効されない

なぜ、安倍首相は何の意味もなくなったTPPを強行採決したのか。その理由は、相変わらず呆れるようなものだ。政権側は“日本が承認案を可決させることでアメリカを説得するのだ”などと述べていますが、そんなことが不可能なのはわかりきっている。完全に見込み違いだったんですよ。

■トランプ大統領、TPP離脱を正式表明(声明全文)2017年1月21日 [3]

非常に長い間、アメリカ人はワシントンのエリート層のインサイダーの利益にかなった貿易協定を受け入れることを、この国の勤勉な男女に押し付けてきた。結果として、ブルーカラーの街や都市が閉鎖され、良い賃金の仕事が海外に流出するのを目の当たりにしてきた。その一方で、アメリカ人は貿易赤字を押し付けられ、製造拠点が打撃を受けた。

これまでの生涯で交渉してきた経験から、大統領は貿易に関してはアメリカ人労働者とビジネスを第一に考えるのが重要だということを理解している。

この戦略は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱、そしていかなる新貿易協定も確実にアメリカ人労働者の利益に適うものにすることから始まる。

■トランプ氏、TPP「永久に離脱」大統領令に署名 2017年1月23日 [4]

トランプ米大統領は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)から「永久に離脱する」とした大統領令に署名した。世界経済の4割を占める巨大貿易圏構想は旗振り役の米国の離脱で、トランプ政権下での発効が絶望的となった。トランプ氏は同日の会合で「日本との自動車貿易は不公平だ」と主張し、是正を求める考えも示唆した。

■TPP、安倍首相手詰まり=迫られる戦略練り直し2017年1月24日 [5]

首相はTPPの枠組みが崩れれば外交・安全保障戦略への影響も避けられないとみて、2月上旬で調整するトランプ氏との会談で再考を促したい考えだが、手詰まり感は否めない

23日にはTPP参加国であるオーストラリアのターンブル首相が安倍首相に電話を入れ、米国を除く新たな枠組みでTPPを実現できないか打診した。しかし、関係者によると、安倍首相は米国のつなぎ留めにこだわり、「性急だ」と首を縦に振らなかったという。

■安倍首相は“焼け太り”擁護 TPP発効絶望的も予算1594億円2017年1月26日 [6]

トランプ米大統領のTPP「永久離脱」宣言を受け、日本政府が「TPP対策本部」を改組し、通商交渉を統括する新組織の発足を検討する、と報じられた。

発効が絶望的になったTPPの対策費振り返ると、15年度補正から16年度補正までに計1兆1906億円も使っているのだ。これまで費やした約1兆円余りがパーになったにもかかわらず、17年度予算案でも1594億円が計上されているから、どうかしている

■今更聞けないTPP 1 トランプ政権 TPP離脱を表明2017年1月27日 [7]

トランプ大統領が署名したTPPに関する大統領令には、「アメリカがTPP交渉から永久に離脱することを指示する」と記されています。そして「アメリカの産業の発展を促し、アメリカの労働者を守り、アメリカ人の賃金を引き上げるために、可能な限り二国間貿易交渉を進めていく」として、今後の方針が説明されています。

TPPが発効するためには、加盟12か国のGDP=国内総生産の85%以上を占める少なくとも6か国以上が国内手続きを終える必要があります。このうち、アメリカが全体のGDPのおよそ60%を占めるため、トランプ新政権がTPPからの離脱を決定したことで、発効のめどが立たなくなりました

安倍総理大臣は26日の衆議院予算委員会で、TPP協定への理解を粘り強く働きかける考えを示しながらも、アメリカとの間でFTA=自由貿易協定や、EPA=経済連携協定の締結に向けた交渉を行うことに含みを持たせました。

■日米首脳会談:経済対話開始で合意-TPP頓挫で日本が提案2017年2月11日 [8]

共同声明は、両首脳が「自由で公正な貿易のルール」に基づき、日米両国およびアジア太平地域における経済関係強化に「引き続き完全にコミットしていることを強調した」と指摘。米国のTPP離脱を「留意」し、日米で共有している目的を達成するための「最善の方法を探求することを誓約した」と記述している。

日本側としては、日米で議論した枠組みをアジア太平洋に拡大し、環太平洋連携協定(TPP)に代わる地域ルールの枠組みを作りたい考えだ。

■沈黙するTPP。安倍総理が「日米FTA」を水面下で要求された可能性2017年2月22日 [9]

現在持ち上がっている「日米FTA構想」というのは、政治的な流れとしては「日米首脳会談で決まった麻生=ペンス経済協議」で詰めることになる、その一方で「中身はTPPの合意事項+日米首脳会談の成果」というのがベース、但し「名前はTPPでもFTAでもない別の名前」になる可能性がある。

 

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