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反グローバリズムの潮流(TPP11どうなる?)

TPP11 [1]TPPを先頭で引っ張て来たニュージーランドで反TPP政権が成立し、合意が危ぶまれたTPP11ですが、11月10日には11か国が大筋合意に達したと報道されました。一見順調に進んでいるように見える報道ですが、「大筋」合意と言う微妙な言葉が使われていることに気付かれた方も多いのではないかと思います。一体、どんな状況なのでしょうか。

大筋合意と言う言葉は便利な言葉ですが、言い換えれば、合意が得られていない点がまだあると言う意味です。11月9日に開催された閣僚クラス会合では大筋合意に達し、10日に開かれる首脳会合で正式合意の予定でした。しかし、ここでカナダのトルドー首相が合意に難色を示したのです。その結果、首脳会合は中止となり、閣僚会合で再度大筋合意を確認し、閣僚から各国首脳に報告することになったのです。

カナダが難色を示した建前の理由は、ベトナムの労働規制問題や日本の自動車安全基準、自国文化を守るため外国からの投資を例外的に制限する「文化例外」の拡充など4項目のようですが、本音では米国と進めている北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に悪い影響が出ることを懸念しているようです。

カナダにとってTPPより北米自由貿易協定(NAFTA)の方が重要であり、アメリカのロス商務長官は、TPP11は発効しないだろうと予測しています。

日本にとっても、最大の輸出国であるアメリカが参加しなければ、輸出と輸入のバランスでどこまでメリットがあるのか不透明です。参加国はオーストラリア、ブルネイ、チリ、ベトナム、カナダ、メキシコ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポールなどで、他国から見れば日本への農業輸出が増えることを期待して参加する意義はありそうですが、なぜ、安倍内閣がここまでTPP11にこだわるのか不思議です。

中国紙は、安倍内閣はトランプ大統領が失脚しアメリカがTPPに復活すると予想している、と分析していましたが、安倍内閣は表面上はトランプ大統領と仲良くしながら、裏でアメリカのグローバリズム勢力とまだつながりを持っているのかもしれません。

 

■ニュージーランド政権交代 TPP「NZ抜き」も検討 日本、再交渉せず2017年10月20日 [2]

ニュージーランド(NZ)で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の見直しを公約に掲げた新政権の誕生が決まり、11月の大筋合意に黄信号がともっている。日本は米国に加えNZも離脱する事態を念頭に、残り10カ国による発効を検討する。9年ぶりに政権を奪還する労働党は「外国人による中古住宅の購入禁止」を打ち出し、高水準の投資自由化を掲げたTPP協定の再交渉を迫る構え。新政権に協力するニュージーランド・ファースト党と緑の党も協定には反対の立場だ。

■ニュージーランドのアーダーン次期首相、TPPの修正要請へ2017年10月23日 [3]

ニュージーランドのアーダーン次期首相は22日、環太平洋連携協定(TPP)への参加継続を望むが、国内中古住宅の購入を外国人に禁止できることが条件になるとの立場を示した。こうした措置は協定案に反するため、来月ベトナムで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、修正を求めるとしている。アーダーン氏は総選挙に先立ち、TPPには参加したいが、住宅対策は譲れないと主張していた

■NZ首相、TPPは輸出業者に恩恵-日本市場へのアクセスも利益に 2017年11月7日 [4]

TPP11の大筋合意を目指す11カ国の閣僚・首脳会合が、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせてベトナムで今週開催される。アーダーン首相は7日、出発を前に首都ウェリントンでインタビューに応じ、「わが国の輸出業者にとって確かな利益がこの協定には存在する。ニュージーランドは例えば、オーストラリアのような日本市場へのアクセスを持たない。この協定は牛肉やワイン、キウイ業界に利益をもたらす」と語った。

■TPP11、閣僚会合で大筋合意2017年11月10日 [5]

TPP参加11カ国は9日夜、ベトナム中部ダナンで開かれている閣僚会合で、11カ国での発効に向けて大筋合意した。茂木敏充経済財政相が会合後「閣僚レベルでは11カ国で大筋合意した」と記者団に語った。10日の首脳会合で正式に確認する。

世界の国内総生産(GDP)に占める比率は12%となり、アジア太平洋地域を網羅する貿易圏が誕生する。米国を除く「TPP11」に参加するのは日本とオーストラリア、ブルネイ、チリ、ベトナム、カナダ、メキシコ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール。

■TPP11 首脳会合を延期 カナダ、大筋合意に難色2017年11月10日 [6]

TPP参加11カ国は10日午後、ベトナム・ダナンで予定していた首脳会合をカナダの要請で延期した。日本政府は9日の閣僚会合で11カ国による協定(TPP11)発効で大筋合意したと発表していたが、首脳間では持ち越された。

安倍晋三首相は10日午後、ダナンでトルドー首相と会談。当初20分の予定が1時間近くに及んだ。トルドー首相は大筋合意に難色を示し、安倍首相が翻意を促したが折り合えなかったとみられる。安倍首相は同日夕、記者団に「残念ながらカナダはまだ首脳が確認できる段階でないということだった」と述べた。他の全ての国からは合意を確認したという。

一連の交渉では、米国がTPPに復帰するまで一時的に実施を先送りする「凍結項目」を巡って各国の意見が対立。カナダはベトナムの労働規制問題や日本の自動車安全基準などに難色を示しており、首脳会合の開催を巡り揺さぶりをかけて要求受け入れを迫る狙いもあるとみられる。

■TPP11大筋合意再確認 閣僚会合、首脳に報告へ2017年11月11日 [7]

TPP参加11カ国は10日、ベトナム・ダナンで予定していた首脳会合を中止した。11カ国による協定(TPP11)の大筋合意にカナダが難色を示したためで、首脳がそろう11日までの首脳会合開催は困難となった。ただ、10日夜に開いた閣僚会合でカナダの閣僚を含めた全閣僚で大筋合意を確認。TPP11の大筋合意について閣僚がそれぞれの首脳に報告することとなった。

■TPP11「大筋合意」20項目凍結、4項目未決着2017年11月11日 [8]

一連の交渉では「凍結項目」の取り扱いが最大の焦点となった。各国が米国に配慮し譲歩を余儀なくされた計60項目超を「凍結」するよう要求。調整の結果、最終的に20項目の凍結が決まった。このうち11項目は医薬品の開発データの保護期間など知的財産分野だった。一方で、マレーシアが求めていた国有企業の優遇策を制限する措置の凍結など4項目については、凍結対象とするかどうか決めきれなかった。

■米商務長官、TPP11「最終合意難しい」米抜き発効に疑問2017年11月15日 [9]

ロス米商務長官は14日、ワシントンで講演し、米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)11カ国が大筋合意した新協定「TPP11」に関して「最終合意は難しいだろう」との見通しを示した。「米国という巨大市場の存在が多くの国にとってTPPに加わる動機だった」と指摘し、米抜きで発効する可能性に疑問を呈した。参加国が期待する米国の復帰についてロス氏は改めて否定的な考えを表した。

米国と北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を進めるカナダやメキシコはTPP11に慎重で、最終合意を不安視する声がある。ロス氏は「NAFTAがなくなって困るのは米国よりカナダやメキシコだ」と述べ、NAFTA再交渉で脱退をちらつかせながら強気の姿勢で臨む考えだ。米国から譲歩を迫られるカナダやメキシコは、同時に進むTPP11の交渉でこれからも慎重な姿勢を続けそうだ。

■安倍首相はなぜTPP11を推進し続けるのか―中国紙 2017年11月17日 [10]

TPPはすでにトランプ氏に「死刑」を宣告されているのに、安倍首相はなぜあらゆる手を使って起死回生を図ろうとしているのだろうか。主な原因は次の4つだ。

第1の原因は、安倍首相が心の中でTPPを中国の発展を押さえ込む「妙手」と考えていることだ。

第2の原因は、安倍首相がTPP交渉を利用してアジア太平洋で「リーダー」の役割を発揮したいと考えていることだ。

第3の原因は、日本がTPPから大きなメリットを受けるということだ。TPPでは日本の「重要5品目」について、米国が大幅に譲歩しており、日本のメリットの方が大きい。

第4の原因は、安倍首相が根っこの所ではトランプ氏を評価していないことだ。この時期をなんとかやり過ごせば、TPPは息を吹き返して復活すると考えているのだ。

■TPP11、カナダが再度の閣僚会合を提案 大筋合意の骨抜き狙い? 日本は大反対2017年11月29日 [11]

米国を除く11カ国が大筋合意した新たな環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐり、カナダが12月10~13日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれる世界貿易機関(WTO)公式閣僚会議に合わせ改めて閣僚会合の開催を提案したことが28日、分かった。懸案を再提起することで大筋合意の骨抜きを狙ってくる恐れがあり、日本は開催を強く反対している。

今月、ベトナムで開かれた閣僚会合での大筋合意では、カナダが要望した自国文化を守るため外国からの投資を例外的に制限する「文化例外」の拡充など4項目が継続協議になった。ただ、新協定の条文はほぼ固まったため、残る課題は要望国が各国と個別に調整する方向だ。

カナダは北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で不利に働くことを懸念し、TPP合意の先延ばしを図っている。議論を主導した日本が参加しなければ閣僚会合の開催は難しいが、各国閣僚との個別交渉を通じて“多数派工作”を仕掛けることが予想される。参加国の足並みが乱れれば、日本が思い描く年明け早々の署名式開催は難しくなる。

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