- 金貸しは、国家を相手に金を貸す - http://www.kanekashi.com/blog -

世界を操るグローバリズム-21~中国指導部と金儲けで一致するアメリカ国際金融資本~

endo1710222228-thumb-720xauto [1]AIIB [2]

以前の記事でも触れたように、中国の共産化はアメリカの国際主義者が主導したとのこと(ルーズベルトの女婿のカーチス・ドールが『操られたルーズベルト』(プレジデント社)で述べている)ですが、中国の指導層にとっても好都合の体制であったようです。

 

「共産主義は労働者を搾取する体制」とのことで、元々中国の科挙によるエリート支配体制の指導者によって好都合の体制であったとのことです。

また、中国はその歴史から国家意識というものが希薄で、個人主義の意識が強く(あっても家族・一族意識まで)、特に共産党幹部や人民解放軍幹部などの指導層は、自分(達)の儲けに終始し、ウォールストリートやシティの人たちと手を組んで、一緒にビジネスしていたとこと。

 

不動産に投資したエリート層は、中国での不動産バブル崩壊で損失を招き、その穴埋めのために設立したのがAIIB(アジアインフラ投資銀行)。

 

アジアのインフラ整備のために、中国の余った(質の悪い)資源と(失業者対策としての)労働力を使い、その事業に海外から投資させる銀行で、筆者はこれをうまく行く訳がないといっています。

イギリスの参加は、今後どれだけ(出資せずに)利益を毟り取っていくか!?が注目に値します。簡単に毟り取られそうな日本はやはり参加しない方が良いのでしょうか。

以下、『世界を操るグローバリズムの洗脳を解く(馬渕睦夫著) [3]

からの紹介です。

****************************

中国指導部と金儲けで一致する国際金融資本

 中国を共産化しようというアメリカの国際主義者の思惑によって、1949年に中国に共産主義政権が誕生しました。

共産主義というのは、言い換えるなら労働者を搾取する体制です。搾取する体制を利用して、中国では共産党のエリートや人民解放軍の幹部達がビジネスに精を出しています。

 

中国という国ではいつの時代もエリートが人民を搾取して冨を築いていますので、共産主義体制は中国の指導者にとって実に好都合でした。

また、ウォールストリートやシティにとっても非常に都合の良いシステムですし、彼らは案外と中国共産党幹部や人民解放軍幹部とは馬が合うのだと思います。両者は手を組んで、一緒にビジネスを始めました。

国際金融資本家たちは国家意識というものを持っていませんが、中国の指導者たちにも国家という発想がありません。

中国人はみなバラバラであり、個人主義の人たちです。周囲のことを考えるにしても、家族のことだけ。或いは、せいぜい一族のことまでであり、社会のこと、国のことなどあまり考えていないのが実情です。

 

ですから、中国の指導者には国家意識や国民経済というマインドが希薄です。金儲けのことは色々と考えるけれども、国家としてどうすべきか、という発想に至らないのです。

 

もちろん、中国人の中には、人間的にいい人はたくさんいますが、国家のことを考える意識が乏しいのでまとまりがありません。国家意識が希薄なために、国家を食い物にしている指導者がたくさんいます。国家意識がないと、道徳は生まれないのです。

 

私腹を肥やそうとする中国の指導者と、金儲け主義のウォールストリート、シティの人たちは、基本的な発想や利害が一致しています。逆に、国民に道徳観がないと、社会意識、国民意識、国家意識が生じないといえるのです。だから、国の指導者の横暴が許されるのも、国民の間に強い道徳観が欠如していることが原因であると言えそうです。

 

■AIIBは中国経済失敗のつけを外国に払わせるもの

中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)に関心が集まっていますが、今後もAIIBの枠組みに日本は加わるべきではありません。

 

中国という国は、少数の特権階級と搾取される大多数の人民で成り立っています。共産党指導部や人民解放軍幹部など特権階級の人たちは国のためではなく、自分のための金儲けはかり考えています。

ところが、こうした金儲けが破綻し始めました。特権階級の人たちは不動産に投資して巨額の利益を得てきましたが、不動産バブルが崩壊し巨額の損失を抱えるようになりました。そのつけを外国に払わせようとしているのがAIIBです。

 

中国国内に誰も住まない都市をつくり続けてきましたが、それが限界に達して、市場が一気に崩壊しました。国内にインフラをつくろうにも、つくるところがなくなり、インフラが整っていない海外にインフラをつくるしかないです。

 

しかも、自分の国には金がないので世界中の国から金を出させる腹づもりです。その金で、中国国内に在庫として溜まっている材料を使い、中国の労働者を使ってビジネスをしようとしています。中国のバブル崩壊の尻拭いのためには、「アジアのインフラ整備」を名目にしたAIIBはとても都合が良い仕組みです。

 

AIIBの設立に当たって、中国は半額を出資すると言っていました。そのような機関は国際機関とは言えません。最近になって出資比率を引き下げる意向を示しましたが、金が出せなくなっただけです。

中国は国際機関という発想になじまない国です。国際機関は、各国が協議して妥協して物事を決めます。しかし、AIIBは昔の中華思想と同じで、「中国が決めるから、後の国はそれに従え」と言うものです。中華思想の期間に日本が入る必要はありません。入れば金を取られてそれで終わりです。

 

実際にインフラを整備するケースを考えてみれば分かります。

 

例えば、アジアのどこかの国にダムを作ろうとした場合、中国のセメントや鉄鋼を持っていくことになるでしょう。中国国内で余った質の悪いセメントや鉄鋼を高値で買わされるわけです。ダムで仕事をするのは中国の労働者たちです。人民解放軍も加わるかもしれません、いわば中国の失業者対策です。中国国内の失業者達が暴動を起こさないようにするには、仕事を与えるしかありません。彼らの給料をAIIBが出すことになるわけです。

 

中国製の余剰資材の処分と中国の失業者対策のためにダムを建設し、「さあ、みなさん、お金を出してください。」と外国にお金を出させるのがAIIBです。

 

その程度のことが見抜けないでAIIBへの参加を説く日経新聞をはじめとした日本の新聞はどうかしています。もし見抜いているのに中国の言うとおりにせよというのであれば、中国のエージェントと言われても仕方ないでしょう。

「イギリスが入ったから大変だ」と騒いでいる人もいますが、イギリスは内部からつぶすために入ったようなものです。イギリスと言うのは老獪な国ですから、いかにも不利な状況であるかのように見せかけて、中から利益を得ることを考えます。

 

おそらくイギリスはあまり出資しないだろうと思います。彼らは出資するよりも、取れるものを取ると考えるくらいです。イギリス以外のヨーロッパ諸国も不況下にありますから、資金を出す余力はありません。

 

ヨーロッパ諸国の背後にいる国際金融資本家たちは、元々中国の共産主義勢力と同じ考え方を持っており、中国国内のビジネスでも手を組んで人民から搾取をしてきました。AIIBがビジネスチャンスになると思えば利用しようとします。利用価値がなければ見向きもしません。あくまでもビジネスになるかどうかだけで彼らは判断することになるでしょう。

 

国際機関には、ボードミーティング(理事会)というモノがあり、そこで理事たちが話し合いをして決めます。ところが、AIIBでは総裁が決めると中国は言っています。そのような機関は国際機関ではありません。

私は、世銀や国際開発金融機関に少し関わったことがありますが、合意形成には相当な時間がかかりました。新聞では、AIIBが協定をつくるのに時間はかからないと報じていますが、きちんと話し合うとすれば、短時間で合意できるはずがありません。

 

常識的に考えていただければ分かると思いますが、50カ国も加盟していれば、それぞれの意見があり、簡単に意見はまとまりません。

おそらく中国は、話し合いの手続きを取らずに、勝手に協定をつくって、「これに決めました。署名するか、署名しないか、どうしますか」と各国に迫るのでしょう。

実際、6月末に協定が署名されましたが、署名国は当初の参加表明国より7カ国減っていました。

協定内容は概ね類似の機関であるアジア開発銀行(ADB)の協定を模したものですが、随所で中国の主導性が謳われています。

 

また、理事が北京に常駐しないことなど理事会の権限が制限されているほか、中国一国で重要事項の改正を阻止できるなど、事実上中国の銀行の色彩が強く現れています。

総裁が中国人であることは、要するに習近平の意向で全てが決まると言っているようなものです。このような運営をするわけですから、各国に出資をさせて銀行を設立してもうまく行くはずがありません。

 

インフラを整備する際には、出資金だけでは足りませんので、市場で起債をして投資家から資金を集めます。しかし、起債をしても誰もAIIB債券を買わない可能性があります。返済してもらえる見込みが低ければ、投資をする人はいません。

 

AIIBの仕組みはいずれ破綻します。運営方法に問題を抱えたAIIBは多くの関係者が損失を出す可能性が高い仕組みです。もし加盟すれば、日本は大きな損失を被ることになります。だから決して加盟してはいけません。中国に加担してAIIBに加盟した韓国は、きっとひどい目に遭うと思います。

[4] [5] [6]