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反グローバリズムの潮流(イギリス国会はEU離脱派が多数、離脱延期しEUの譲歩を迫る作戦か)

BBUHmD9 [1]イギリスのEU離脱問題、離脱期限の3月29日まであと2週間となりましたが、相変わらず混乱は続いています。3月12日にメイ首相はEUから新しい譲歩を引き出しました。是体無理だと思っていましたが、これでイギリスは協定案に合意してスムーズに離脱に進むかと思いきや、議会は修正された協定案も否決。このままだと、EU離脱延期に進む可能性が高そうですが、その先はどうなるのでしょうか。延期後に、離脱中止となるのか、何らかの形で離脱に合意するのか。

そもそも不思議だったのが、EUがメイ首相の譲歩案を了解した事です。これは、EUがイギリスの合意なき離脱を防ぎたいからだと思われます。だとするとイギリスはEU離脱派の方が勢力が強い可能性があります。これまで、採決の総数は報道されていますが、調べてみると、そのうちの離脱派と残留派の人数は明らかにされていません。離脱派と残留派ではどちらが多いのでしょうか。

今回の、協定案の採決では反対391票、賛成242票で149票の差です。反対に回った中には、強硬な離脱派が混ざっており、この強硬な離脱派が賛成に回ると、離脱協定が合意される可能性があります。75人が賛成に回れば317対316で逆転します。この強硬な離脱派は何人ぐらいの勢力なのでしょうか。

ここで参考になるのが一つは、前回の投稿で紹介した、「どんな状況でも」合意なしブレグジットは行わないという修正案は、324対288で否決された、と言う情報です。これは、潜在的な離脱派が過半数を上回っている事を示していると思われます。 また、ある報道 [2]では、合意離脱派242人、合意なき離脱派80人?で合計すれば322人?で600人の過半数になると予想されています。

これまでの投票結果を分析すると、イギリスの国会ではEU離脱派が多数であり、とは言っても現在の離脱協定には反対だし、合意なき離脱にも反対という事で、強硬な離脱派も納得するような協定案の修正に、イギリスとEUが合意できない限り、この膠着状態は続きそうです。

イギリスはEUに対して合意なき離脱の可能性を突きつけながら、EUから譲歩案を引き出していく作戦なのかもしれません。

 

■メイ英首相、国境の扱い変更合意をEUに要求 2回目の下院採決目前2019年3月8日 [3]

テリーザ・メイ英首相は、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)に関する合意案が英下院を通過できるよう、法的拘束力のある変更案に合意するよう欧州連合(EU)に求める方針を示した。

メイ首相がEUとすでにまとめた離脱協定には、ブレグジット後の期限内に英・EU通商協定がまとまらなかった場合でも、アイルランドと北アイルランドの間で厳格な国境審査を復活させないで済むよう、「バックストップ(防御策)」と呼ばれる条項が含まれている。¥このバックストップについてメイ首相は、法的拘束力のある変更を加えたい考えだが、これまでのところ目に見える進展はほとんどない。

欧州委員会は6日、バックストップについて「いかなる解決策も見つかっていない」と明かし、順序立てたブレグジットを保証するためにつくられた離脱案の修正を拒否した。しかしイギリス側の交渉を率いるジェフリー・コックス法務長官は、問題解決へのイギリスの方針はきわめて明確なもので、週末にかけても「ほぼ確実に」EUとの協議を継続すると述べた。

■英EU離脱協定案“法的拘束力”で合意2019年3月12日 [4]

今月29日に期限が迫ったイギリスのEU(=ヨーロッパ連合)からの離脱を巡り、メイ首相とEUが11日に会談し、離脱協定案に法的拘束力のある修正を加えることで合意したと発表した。しかし先行きは依然不透明。

EUからの離脱の条件などを定めた離脱協定案が1月に議会で歴史的大差で否決されたことから、メイ首相はEU側から譲歩を引き出そうと交渉を続けてきた。11日に行われた会談で、双方は離脱協定案に法的拘束力を伴った修正を加えることで合意したと発表した。

■英議会がEU離脱協定案を大差で否決 離脱延期高まる2019年3月13日 [5]

イギリスの議会はEU(ヨーロッパ連合)離脱の協定案を大差で否決しました。期限が2週間余りに迫るなか、離脱延期の可能性が高まっています。採決は日本時間13日午前4時すぎから行われ、賛成242票、反対391票の大差で否決されました。与党・保守党の離脱強硬派が造反した形です。

イギリス、メイ首相:「私は今も合意をもとにEU離脱するのがベストだと信じている」

議会は13日に「合意なき離脱」を巡る採決をし、14日に離脱延期の是非を問う採決をする予定です。離脱延期の可能性が高いとみられています。

■英下院、EU離脱合意を再び149票差で否決 「合意なき離脱」の否決で国際社会に対する責任を果たせ2019年3月13日 [2]

英国が欧州議会選に参加する姿は筆者には想像できません。英下院は現在、4つのグループに分かれています。

(1)EUとの合意離脱派(保守党中心)242人

(2)2回目の国民投票を求める残留派150人前後(野党中心)

(3)労働党の残り約160人(関税同盟に残留、一部は2回目の国民投票に流れる可能性も)

(4)「合意なき離脱」派80人?

■英下院、合意なしブレグジットを否決 延期を求めるか明日採決へ2019年3月14日 [6]

英下院(定数650)は13日夜、イギリスが合意のないままEUから離脱するかどうかの採決を行い、これを否決した。ただし、この採決に法的拘束力はない。修正後の政府動議は結局、321対278で可決された。多くの議員は合意なしブレグジットを望んでいないという主張を、あらためて強調する形になった。

一方で、EU離脱を2019年5月22日まで延期する修正案は374対164で否決され、いわゆる「管理された合意なしブレグジット」の可能性は残された。

「下院はきょう、合意なしブレグジットを明らかな反対多数で否決したが、私はこれまでと同じことを繰り返したい」「この院が直面している選択肢について、EUとイギリスそれぞれの法による法的な基本方針は、何らかの協定がまとまらなければ、イギリスは合意なしでEUから離脱する。下院にいる我々一人ひとり、この何らかを見つける責任がある」

■イギリス議会、EU離脱の「延期」採決へ2019年3月14日 [7]

イギリス議会は、今月29日に迫ったEU離脱を延期するかどうかについて、日本時間の15日未明に採決します。メイ首相がEUとまとめた離脱協定が12日に否決されたことを受けてイギリス議会は13日、離脱協定がないまま、いわゆる「合意なき離脱」をするかどうかについて採決し、「合意なき離脱」を認めないとの意思を示しました。

離脱の期日は今月29日に迫っているため、メイ首相は日本時間の15日未明、議会に対して「EU離脱を延期するかどうか」を問います。議会が採決で離脱の延期を支持すればメイ首相はEUに延期を打診、同意を得られれば正式にイギリスのEU離脱が延期されます。

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