2021-09-14

カーボンニュートラルの喧伝 狙いは新たな環境市場の創出か

カーボンニュートラル ※画像はコチラからお借りしました
●違和感のあるカーボンニュートラルの喧伝
突然の菅首相の退陣表明 思い返せば1年前。所信表明で突如打ち出されたのが「カーボンニュートラル」(CO2の排出分と吸収分を±ゼロにすること)。 「化石燃料とあればなんであれ悪になってしまった」と戸惑いを口にするエネルギー業界の人に何人も出会いました。 実際、カーボン・ニュートラルの達成はかなり困難な目標で、無理やり進めれば莫大な経済的犠牲を招く可能性が高いと言われています。 そして、いち早く警鐘を鳴らしたのがトヨタの豊田章男社長でした。 具体的な数値を示しながら、「カーボンニュートラル」がいかに実態にそぐわない政策かを訴えました。
※ちなみにこの会見で豊田社長はマスコミ各社に対して「明日の朝刊で、私のことをどんなに悪く書いてくださっても構わない」とまで言ってみせたが、ほとんどの媒体が大きく取り上げることはありませんでした。それくらい支配層にとっては都合の悪い内容だったのでしょう。

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「2050カーボンニュートラル」は菅首相が日本の実情も鑑みることもなく、EU(世界支配層)発の意を汲んでの政策であることは間違いありません。

◆参考:豊田章男社長の「警鐘」…カーボンニュートラルで日本経済は沈没する

●狙いは環境市場の創出?
これだけだと自動車業界のEU(EV)と日本(ハイブリッド)の覇権をめぐる攻防のようにも見えるが、狙いは「CO2排出の市場化」にあるように思う。 実際、所信表明から間をあけず、カーボンニュートラルを実現する戦略の1つとして、CO2排出に課金する「カーボンプライシング」の導入検討の指示がありました。

◆参考:炭素税、排出枠導入検討 菅首相指示、負担増懸念

「カーボンプライシング」とはCO2排出量が多い企業や個人ほど負担が重くなる仕組みで、排出抑制効果が期待されるとされている。 具体的には、化石燃料の消費量に応じて課税する炭素税や、企業に排出が許される量を排出枠として配分し、余った枠を売買できるようにする制度。 いわゆるCO2排出権の市場創出である。 それにしても環境問題を梃として新たな市場を創出する試みはいつかどこかでみた感がある。 次回は過去にも遡って環境市場の創出について追求してみたい。

MASA

List    投稿者 simiz-ma | 2021-09-14 | Posted in 08.金融資本家の戦略No Comments » 

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