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上昇が止まらない輸送コスト(定点観測:バルチック海運指数)

(画像:NHK [1] より)

新型コロナウイルスの影響でコンテナ不足が起きている、と1年前くらいからニュースで報道されています。
下の動画は、ロサンゼルス港(2021年2月の動画)の様子ですが、入港を待つ船が海上で停留する、
という異様な光景が見られます。港側の倉庫が既に埋まっており、コンテナを荷下ろしして物資を保管する
スペースが不足していることから起こっています。
 

 

コンテナ不足は、コロナ禍による外出自粛等により巣ごもり需要が増大したため、と言われますが、 それ以前の2018~2019年にコンテナリース会社がコンテナの発注を抑制していたことにも起因するよう です。

 

(図表 株式マーケットデータ [2] より)

 

船の輸送コストを表す指数である「バルチック海運指数」(Baltic Dry Index)を見ると、 コロナウィルス感染拡大以降の2020年6月以降ほぼ上昇の一途を辿っており、 10/12時点では、5378(前日比:-2.00%)と近年と比較して突出した数値となっています。 下図は「中国出しのコンテナ船の運賃指数 CCFI」(China (Export) Containerized Freight Index) ですが、 やはり中国からの輸送コストが著しく上がっています。

(コンテナ船の運賃指数 (CCFI ) 画像:日本郵船 [3] より) 

 

※バルチック海運指数の解説はこちらから

 

輸送コストが上がると物流が滞り、実体経済への影響が出ます。 人も物も地球規模で往来するコロナ禍以前の経済活動から、コロナ感染拡大防止に伴い、 まず人の往来が制限されました。コロナにより世界の工場であった中国での生産が減少し、 輸送コストも増大すると、次は物流の停滞、引いては物価高(インフレ)が懸念されますコロナショックによる経済のパラダイム転換は、今後どこまで加速されるのか、 引続き世の中を注視していきます。

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