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最新のアメリカの意識潮流~働かない人が急増中!?~

コロナ禍によって、アメリカで働く人の意識に変化が起きているそうだ。
コロナによって、お店が潰れたから「働けない」のではなく、企業からの求人があるのに「働かない」という選択肢を選ぶ人が増えているとのこと。

なぜそんな事態になっているのかを今日は考えていきます。

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(画像は、こちら [2]よりお借りしました。)

いまアメリカで「働かない人」が急増している…その「意外すぎる理由」 [3]より引用

 

まず、米労働省による雇用動態調査によるアメリカの雇用状況をみていくと…

2021年4月時点で求人件数が928万6000件と、統計がスタートした2000年12月以来、最高水準となった。米国ではワクチン接種が順調に進んでいることから、経済活動がほぼ通常通りに戻りつつあり、企業は急ピッチで労働者の再雇用を進めている。

対して、失業率をみていくと、意外な事実が見えてくる。

2020年5月には14.7%に達し、2021年4月は5.8%とピーク時より下がったとはいえ、まだ高水準が続く。

(ちなみに、日本の失業率は2020年のピーク時でも3%台であり、アメリカの失業率の高さが伺える。)

つまり、企業は求人を出しているにも関わらず、ほとんど採用に結びついていないということ。これは、労働市場の需給のミスマッチでもあり、労働者が積極的に仕事に就こうとしない意識が見えてくる。

では、なぜアメリカの労働者は仕事に就こうとしないのか?
アメリカの政策からいくつかその理由を考察してみた。

①コロナ対策としての、手厚い給付金

日本と異なり米国は全国民を対象とした給付金を3回も実施しており、労働者の手元にはそれなりの金額の現金がある。また失業保険の特別給付といった措置もあり、日本と比較すると労働者の保護は手厚い。

アメリカは社会保障がゼロというイメージがあるが、コロナ給付金に限らず、実は生活保護など各種社会保障は日本よりも充実しているらしい。
とりあえず、政府からの手厚い援助があるので、急いで仕事に就かないというのはひとつかるかもしれない。

②若いうちにセミリタイアし、FIREを志す若者が増えている

>米国ではコロナ危機の影響で、やむなく職場を去る人がいる一方で、会社のコロナ対応や、従来の働き方に対する疑問から、コロナ危機をきっかけに積極的に会社を辞め、別の仕事を探す人が増えていると言われる。

>特に能動的にキャリア転換を考えているのは意識の高いミレニアル世代で、この世代はコロナ危機が発生する以前から従来の社会・経済システムに対して疑問を持ってきた。若いうちに一定金額を稼いでセミリタイアし、後は資金の運用と自分の好きな仕事だけで生活するFIRE(Financial Independence, Retire Early)を志す人も多い。

コロナ以前からこうした若者が増えているのであれば、コロナをきっかけに、自分のしたいことをする人が増えているのかもしれない。

 

③親と同居する子どもが急速に増えている

米国人の多くは、成人した子どもが親と一緒に住むのは恥ずかしいという認識を持ってきた。このため学校を出た後は、家計を独立させるのが当たり前だったが、近年は親と同居する子どもが急速に増えている。

米国の社会風潮を考えるとこれは劇的な変化といってよいものだが、それだけ社会・経済のシステムの変化が大きい可能性を示唆している。家族や親類が相互扶助する形であれば、無収入でも生活できる人は増えるので、その分だけ労働市場への参加者は減少するだろう。

どの理由であっても、アメリカの国力や集団力がますます下がっていく方向に向かっているのは間違いなさそうだ。
そして、バイデン政権はこの状況に対して、労働者を再教育するための投資を考えているようだが、それだけでは回復は難しそうである。

働くことへの価値が変わりつつある世の中で、勝ち筋はどこにあるのか。
各国の状況から探ってみるのも面白そうだ。

By.はなこ

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