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膨張するビッグテック。これからどうなる?

今の日本に住んでいる人で、ビッグテック5社との関りがない人はほぼいないだろう。
ビッグテック5社とは、「GAFA+MS」を指す。(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)

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(画像はこちら [2]よりお借りしました。)

実はこのビッグテックに対して、今年になってアメリカ国内で規制を強めようとする動きが厳しくなっている。
これは世界の動きの中で何を意味するのか。
全2回ほどで迫っていきたい。

まずは、ビッグテック5社の現状と直近の規制の動きについてみていく。
※記事を作成するにあたり、副島隆彦著「コロナ対策経済で大不況に突入する世界」を参考にしています。

〇ビッグテック5社の株式時価総額は、株式取引所の3割!

まずは、この5社がいかに大きくなっているか、株式の視点から見ていく。

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(画像は著書より引用しました。)

 

〇ビッグテック5社の膨張はアメリカの国家政策

以下、副島隆彦著より

このビッグテック5社の膨張を今まで放置したのは、アメリカの国家政策である。40年間にわたって放置した。税金も支払わず、本社もあちこちの州を移動して逃げ回った。

ヨーロッパのEU政府はこの10年間ぐらいビッグテック5社に税金をかけようとして、ずっと追いかけた。だが、ビックテック側は、ルクセンブルクとかアイルランドとかの小さな国に本社所在地を移すことで逃げ回って、課税されないように動き回った。EUの小さな国々は、それでもビックテックから恩恵が受けられる。自分の国にお金が入るので、EU政府に逆らった。だから、EU政府はビッグテックから税金の取り立てがほとんどできない。

 

アメリカが、こんなに大きくなるまで放置しつづけたのは、インターネット通信網と端末デバイスというサービスを世界中に広げることによる、あらゆる情報の吸い上げ、世界管理のための道具を普及させるためである。

 

〇IT規制論者の女性法学者リナ・カーン氏の登場

しかし、さすがに膨張しすぎたビッグテックに対して、2021年ついにストップをかける動きがはじまった。
それが、6月15日にリナ・カーン氏が米連邦取引委員会(FTC)の委員長に就任したニュースである。
(※FTCとは、日本でいうところの独占禁止法を執行する公正取引委員会のような独立の国家機関。)

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(両親がパキスタン人のリナ・カーン氏。イェール大学の法科大学院を出た。)

彼女は、27歳のときに「アマゾンの反トラスト・パラドックス」という論文を書いて、法学者たちの世界で大評判となった。従来の反トラスト法の枠組みである、「商品は企業の共創で安いほどいい」に真っ向から反論。そして巨大IT企業のアマゾン達への規制を主張。

つまり、アメリカ政府による巨大IT企業の分解・解体が始まろうとしているのだ。
ちなみに、彼女がETCの委員長になったとたん、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOや米アマゾン・コムから非難の声が上がっている。

しかし、なぜ今頃になってアメリカは巨大企業への規制を厳しくすることにしたのか。
それについては次回で分析・予測していきたい。

By.はなこ

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