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ビッグテック規制は、世界の緩やかな共産主義社会への兆し?

前回、ビックテックに関する取り締まりが厳しくなっているということを伝えました。
その後追求していくと、アメリカによる規制だけでなく、世界的に規制が強まっている事実も見えてきた。

ひとつは、世界的な「法人税の引き上げ」(2021年7月)。
もうひとつは、不公正な有害行動を終結させる「デジタル市場法の可決」(2021年11月)。

これらの中身を今回は見ていこう。

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英ロンドンのランカスター・ハウス前で集合写真に納まるG7財務相会合の出席者(6月5日)

(※画像はこちら [2]よりお借りしました)

〇世界的な法人税の引き上げにより、ハイテク大手企業を攻める

「130の国と地域、法人税の最低税率「15%以上」で合意」 [3]

経済協力開発機構(OECD)は1日、加盟国を含む130の国と地域が、共通の法人税の最低税率を15%以上とすることで合意したと発表した。大企業に対し、事業展開している地域に関係なく「公平な税負担」を求める。

一方でOECDは、法人税の低いアイルランドとハンガリーは合意に加わらなかったと明らかにした。

アメリカ、イギリス、中国、フランスといったG20諸国は合意を支持した。

つまり、多国籍の大手ハイテク企業が事業展開している地域で納税させるというルール。
(これまでは、最終的に利益を申告する場所で納税できたため、企業はあえて法人税率の低い国に現地法人を設立し、国へ治める税金を抑えていた。)

さらに、最低税率を世界全体で15%にすることで、各国の法人税の引き下げ競争を避けることができる。

ちなみに、バイデン政権は国際的な合意を求める一方で、国内で増税を目指しているそうだ。(具体的には、アメリカ国内での法人税率を21%から28%に引き上げることを求めている。)

 

〇デジタル市場法により、巨大テクノロジー企業による市場独占を抑制する

「GoogleやAmazonの不公正な有害行動を終結させる「デジタル市場法」立法案が圧倒的多数で承認へ」 [4]

「既存のルールは巨大テクノロジー企業に対して十分に機能していない」として欧州委員会(EC)で議論されていた新しい法案「デジタル市場法」の立法案が2021年11月23日(火)、賛成42票、反対2票、棄権1票という圧倒的多数で承認されました。法案の中では未成年者に対する行動ターゲティングの禁止や、企業が意図的にユーザーをだますダークパターンの禁止などが含まれます。

これは明らかにビックテックに対する規制である。
欧州発の法案ではあるが、2022年内には方が執行される予定とのことで、世界にどのような影響を与えるのか、追いかけていきたい。

* * * * *

上記2つの事例から見えてくるのは、これまで野放しにされ、自由に稼いでいたビックテックへの取り締まり強化策は、世界の大きな力を感じる。(しかも同じタイミングで!)

公正化という名のもとに、経済をなだらかにさせて、富を采配したいのか。

つまり、ゆるやかな共産主義の方向性に向かわせたいのか。
この事象の奥にある動きについて、引き続き追いかけていきたい。

By.はなこ

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