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円の価値が下がっている!

「中田敦彦のYouTube大学」より「安いニッポン」
この動画でも繰り返し主張されているように(中田氏は話の展開がとても上手ですね)、日本は物価も給料もすでに「安い国」の仲間入り。100円ショップのダイソー商品、日本では「100円」ですが、シンガポールや台湾では、同じ商品が「100円以上」(150円とか・・・)の金額になっていて、世界ではすでに100円ショップではなくなっている、という現象が起こっています。

 

日本は、本当に安い国になってしまったのでしょうか。日本の通貨「円」が持つ価値に焦点を当ててみていきます。

◆日本の1人当たりGDP
国民一人あたりの経済力、稼ぐ力として、まず経済(規模)の一般的な指標であるGDPを見てみましょう。IMF統計によれば、日本の2020年の1人当たり名目GDPは、「40,089(米ドル)」で世界で24位。先進国の中では、よくもわるくもない中間くらいですが、上の動画でも登場するシンガポールは「59,795」(7位)米国は「61,154」(6位)となっていて、相対的に稼げていない、生産性が低いという状況は否定できません。《GLOBAL NOTE [1] より》

 

2019年までの各国比較について、わかりやすくグラフを作成してくれているサイトがありましたので、そこから引用します。

[2]

1人あたり名目GDP 各国比較(OECD統計データ)
MONOist [3] より》

 

日本はOECD(経済協力開発機構)平均または以下となっています。
日本だけ取り出して見てみると・・・

[4]

日本 1人あたり名目GDP(IMF)《GLOBAL NOTE [1] より》

 

推移を辿ると、5万ドル近かった2012年に比べて、2020年では20%弱下がっています。先の各国比較と併せると、日本の1人あたり名目GDPは極端に低いわけではないが、『主要国が成長している割には日本は低成長である』『近10年の間で低下している』 と言えます。安い日本の裏付けと言えるのではないでしょうか。

[5]

円の実質実効為替レート/各国主要通貨との実質実効為替レート 《国際通貨研究所 [6] より》

 

上記、国際通貨研究所のデータによれば、円の実質実効為替レートは、円高でもあった1995年をピークに、過去25年間低下し続けています。グラフにもあるように、日銀が大規模な金融緩和を開始した2012年以降も低下し続けています。
つまり、表向きの為替(ドル円相場)が一定であっても、実質の円の価値は下がっています。本当の円の力は今極端に弱体化していて、結果、日本はどんどん安い国になりつつある、という由々しき事態が起きています。
ここから脱却することが、今の日本の喫緊の課題と言えます。引続き追求していきたいと思います。

 

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