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「実質金利」とは何か?実質マイナス金利が引き起こすこととは

米実質金利の低下、株高招くといった記事を時々目にする。
この実質金利とは何か、また実質金利がマイナスなのは何が問題なのか、、、

実質金利とは何か?

実質金利とは、物価上昇率を勘案して見た金利のことです。金融機関の店頭などに表示される預金金利など私たちがよく目にする金利から予想される物価の変動率を差し引いたものです。

「実質金利=名目金利-期待インフレ率」

※名目金利は10年物国債の利回り

※期待インフレ率は市場の予想物価上昇率(ブレーク・イーブン・インフレ率=BEI)

赤線が10年物の国債利回り、青点線が10年物のBEIで、一番下段の青点線がその差である実質金利となります。

【パターンその1:実質金利がプラスの場合】

仮に銀行預金の金利が3%で、期待インフレ率が0%の状態だったとします。
(名目金利3%)-(期待インフレ率0%)=(実質金利3%)です。この場合、1年買うのを迷って預金すれば100万円は103万円になります。一方、期待インフレ率は0%なので物価の値上がりはなく、1年後も車は100万円で買えることになります。1年待てば、車を購入しても3万円が手元に残ることになるので、人々は消費よりも預金を選ぶと考えられます。

【パターンその2:実質金利がゼロの場合】

銀行金利3%で期待インフレ率3%の時は、実質金利0%になります。買うのを迷って1年預金すれば100万円は103万円になりますが、期待インフレ率も3%なので1年後の車の価格も103万円になります。今買っても1年後に買っても金銭的損得は同じです。

【パターンその3:実質金利がマイナスの場合】

銀行金利3%で期待インフレ率5%の時は、実質金利がマイナス2%になります。1年後に預金は103万円になりますが、車の価格は105万円です。今だったら金銭的損得なく買えた車が、1年後に車を買うと資金が2万円足りなくなります。そのため、人々は預金よりも消費を選ぶと考えられます。

要するに銀行にお金を預けるよりも企業に貸し出して金利収入を得た方が良いと考える。実はこれが実質0金利の狙いです。
現在では7月に発表があったように、2022年度末までに金利引き上げ実施もあり、実質金利はプラスになっているようですが、短期的に見ると金利上昇していますが、物価上昇に追いついていない状況。
インフレ上昇に歯止めをかけたいのが、今回の狙いだと思います。その上で、今後インフレが止まるのか見ていく必要がある。

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