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国債危機 ~円が先に暴落するシナリオ ~ 極めて不安定な転換期に突入

昨年、
・ファンドの日本国債売り浴びせ →日銀による買取、国債購入が初めて100兆円を超えた。
その結果、日銀の国債保有率も初めて50%を超えた。
・年末、ヘッジファンドの国債売りに屈した日銀は、政策金利を0.25%上げた。
それによって円安はひと段落しているが、これは金利上昇→国債価値下落→金融危機の入り口なのかも知れない。
・その後、日銀は国債の引き受け手として、国内の金融機関低利で融資する制度を発表(市場の公的管理・護送船団)。
市場は日に日に管理色を強めている。

★ドルが先に暴落すると読んでいたが、どうも日本が先に暴落するシナリオが頭を離れない。
理由は、
・アメリカ帝国、自国最優先であり、従属通貨が先に崩壊させられると見るのが妥当。
・市場を牛耳る、ロスチャと配下のファンドの基盤はドル。

この見方を裏付けるような動き
・年明け、IMFが日本に利上げを示唆
・日本国債の格付けの低さ、米国債の相対的な高さ

●円暴落のシナリオ
※国債の評価を決める、格付けが低いことが最大の不安要素。現在の格付け リンク [1]
暴落シナリオ:金利上昇 →日銀の債務超過 →国債評価▼

日本の金利を引っ張り上げているのは、アメリカFRBの金利4.25%との金利差と物価上昇率との乖離 →円安(投機筋の円国債売り)。
・日本の政策金利は、物価上昇率との差がまだ大きい。IMFやファンドの圧力によって数段階にわたって金利を引き上げる可能性が高い。

吉田繁治氏によると
・1%の金利上昇で、578兆円の国債を保有する日銀の評価損は42兆円。確実に日銀は債務超過に追い込まれていく。そして、政府の金利負担も嵩んでいく。
→国債の格付けが引き下げられる。
円国債は現在A+→もう少し下がって、BBB級でリスク資産として評価される。
→そうなると自国通貨でドルを取引できなくなる=輸出入の決済が不可能になる?
→エネルギー・食料の国際取引から排除=事実上の財政破綻。
年間のエネルギー・食料輸入額は100兆円、それが取引できなくなるという事態。


●米債務とドルの状況

・ドルは、対外債務30兆ドル(3900兆円)だという。4%の金利、利払いだけで156兆円になる。昨年の急ピッチな米利上げは、米国債の買い手がいないことを示している。
中国は急ピッチな売りに入っている、日本は横ばいであることがそれを裏付けている。
新規の米国債を吸収する買い手がいないという状態。・・・利上げを止めた2023年末頃、ドルデフォルト?

※以上、どちらが先に崩壊してもおかしくないし、たとえドルが先に暴落しても、ドル資産を多量に保有する日本、円も多少のタイムラグをおいて暴落する。昨年以上にきわめて不安定な転換期に突入していく。

★日本に必要なのは、国債頼り→財政破綻の恐れに対して、明確な出口を示すこと
とりわけアメリカ従属からの離脱と自主独立政策。
しかし、あらゆるツケを国債発行に押し付ける思考停止は当面変わらない。
→国債の格付DNと円暴落は必至。
→食料・エネルギーが海外から買えない、今以上に高騰していく。
これらの危機に突入して始めて思考と行動が変わるのか?

by タロウ

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