2019-08-29

反グローバリズムの潮流(イギリスの国会を閉会。EU離脱は、秒読み体制?)

_108522834_6f60ff4c-e378-452f-a58f-42df37383a0a前回の反グローバリズムの潮流では、イギリス首相選挙でボリス氏が勝利し、安定よりわくわくする未来を選択したと思われることをお伝えしましたが、ボリス首相は、その期待を受けてEU離脱に向けて突き進んでいます。そして、EU離脱を確実なものにするために、議会を閉会するところまで実行に移しました。一体、何が起こっているのでしょうか。 (さらに…)

  投稿者 dairinin | 2019-08-29 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

世界秩序の作り役をアメリカから取り上げて、新たな秩序作りが動き出した。

イランに難癖を付けてイランとの核合意を勝手に離脱して、イランと喧嘩を始めたアメリカ。

欧州諸国が苦言を発するが、云う事を聞かない。
フランスはアメリカ抜きでイラン核合意を仕切り直そうと提案し、ロシアも「賛成」。

これまでのアメリカ主導の世界秩序が崩れ出し、アメリカ抜きで欧州はロシアとの連携を強め始めている。

これまでの世界は、
【西側】アメリカ+欧州+日本他の資本主義体制
Vs.
【東側】ソ連+中国+北朝鮮他の共産主義体制
という、二派の対立というグルーピングだったが、それが完全に崩れてきた。

今や、
【旧勢力】アメリカ一派
Vs.
【新勢力】ロシア+中国一派+欧州他
に収束し始めている。

現状、日本は明らかに没落しつつある【旧勢力】に所属している。

以下、EUとロシアが、新たにイラン核合意を結び直す事を合意の記事
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■ロシア大統領が、仏大統領の核合意関連の提案を支持

4bmx9be0f0444cr8re_800C450        ◆プーチン大統領とマクロン大統領
http://parstoday.com/ja/news/world-i55308より

ロシアのラブロフ外相が、「わが国のプーチン大統領は、核合意に関するフランスのマクロン大統領のイニシアチブを支持している」と語りました。
ロシア・スプートニク通信によりますと、ラブロフ外相は28日水曜、インドのマントリ外相との会談後、「プーチン大統領は核合意復活というマクロン大統領のイニシアチブを支持する」と述べています。

また、「フランスでの最近のプーチン大統領とマクロン大統領の会談では、核合意の分野での行き詰まりの打開方法に関して協議がなされた」としました。
さらに、「核合意復活というマクロン大統領のイニシアチブが成功するのは、イラン自身をはじめとするすべての関係国がこれを受諾した時であり、ロシアはこれに関するプラスの結果に至るための用意がある」と語っています。

フランス・ビアリッツで最近開催されたG7先進7カ国サミットの中軸的な議題の1つは、核合意をはじめとするイラン関係の問題でした。

報道各社は、このサミットが開催されていた今月24日から26日までの期間中、「サミット開催国であるフランスが核合意維持に向けて残されている最後のチャンスを生かそうとしている」と報じました。

イランのザリーフ外相はこれに先立ち、マクロン大統領の会談で、「EUがアメリカとともに、あるいはアメリカ抜きで核合意内の責務履行を決定すれば、我々も核合意に定められた自らの責務の完全な実施に立ち戻ることが可能だ」と述べています。
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以上
by猪飼野

  投稿者 dairinin | 2019-08-29 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

国際情勢の大変動を見抜く!-27~トランプ大統領選はグローバリズムに対する宣戦布告~

トランプ選挙

今回から新たな書籍から今後の国際情勢を見抜くために有用な記事を紹介していきます。

紹介する書籍は『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)で、教科書などに乗っている「通説」に対し本当の歴史(「正史」)は何なのか!?を紹介していくという面白い内容になっています。

この本では1917年のロシア革命からスタートしていますが、当ブログでは2016年のトランプ大統領が誕生した選挙から現在までをまず扱います。

 

というのも、最近日中韓及び北朝鮮など東アジアを巡る国家間に大きな動きが生じているからです。この動きの背景には必ずグローバリズム派と民族自決派、つまり金貸しと反金貸し勢力の戦いがあります。今後の国際情勢を占うためにも、事実を把握しておく必要があります。

また、民族自決派のリーダーたるロシア、そして就任以来金貸しと対決してきたトランプ大統領、さらにこれまで金貸しの背後から彼らを操っていた金主の動きも想定しながら、国際情勢を見ていきたいと思います。

 

まずは、そのトランプ大統領誕生の秘話というか正史から扱っていきます。

ここではトランプ大統領誕生は国民に寄り添い支持を得たこととネットが既存メディアを上回ったためとしています。当ブログでは、それに加えてプーチンの支援があったと見ています。その意味ではロシアゲート事件は正史だと言えるかもしれません。

 

また、トランプ大統領の貿易に関する各国との協議やメキシコ国境に設けた壁等の意味等も興味深いものがあります。

 

『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■■自国ファーストの逆襲

■2016年 米大統領選でトランプ勝利

 

◇通説   :トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」は大衆迎合主義である。

◇歴史の真相:「アメリカ・ファースト」とは政治を陰の支配者の手からピープルに取り戻すことだ。

 

●米大統領選挙最大の敗北者はメディア

2016年11月、トランプ大統領の勝利について、メディアが戸惑いや驚愕を隠せなかったのは、対抗馬の民主党ヒラリー・クリントンが負けるということなど想像もしていなかったからです。アメリカの主要メディアはほぼ一貫してヒラリーの勝利を確信していました。

 

こうしたメディアの敗因は、どうしてもヒラリーを勝たせる必要があった彼らが、トランプ支持という国民のうねりをあえて見ようとしなかったところにあります。メディアはトランプを徹底的に非難・中傷することでヒラリーの勝利は確定すると楽観していました。

メディアの世論操作を阻止したのがネット情報だったことは言うまでもありません。ネットがトランプの発言の真、ヒラリーのまつわる疑惑の詳細などを報じました。メディアの情報独占などすでに潰れていたことに、当のメディアは気付いていませんでした。

 

決定的だったのは、アメリカの一般人たち(ピープル)が、メディアが上から目線で説得する人種平等、人権尊重、女性の権利、マイノリティ保護などのポリティカル・コレクトネス(少数派の用語を口実とする多数派に対する言論弾圧)にうんざりしていたことです。ピープルの本音を代弁してくれたのがトランプであり、グローバリズムの幻想をばらまきながら、彼らを一層困難な生活環境に追い詰めてきたアメリカのエスタブリッシュメントが支持したのがヒラリーでした。

 

●グローバリズムに対する宣戦布告

 

大統領選挙に勝利したトランプはメディアの執拗な妨害工作を乗り越えて、2017年1月20日に大統領に就任します。就任式の演説でトランプ大統領は「今この瞬間からアメリカ・ファーストが始まる」と宣言して、次のように語りました。

 

「世界の国々と友好的で善意に基づく関係を築きますが、全ての国には自国の利益を最優先する権利があります。私たちは自分たちのやり方を他の誰かに押し付けたりはしませんが、輝く模範として見習われる存在になります。」

 

アメリカだけが良ければいいなどとは、トランプは決して言っていません。ところがメディアは、「トランプのアメリカ・ファーストは、世界に対する米国の関与を低下させ、醜く不健全なナショナリズムや大衆迎合主義をはびこらせ、世界を不安定にする元凶である」と言って憚りません。

 

トランプの主張のどこがおかしいというのでしょうか。「自国民の幸せを第一に考え、国益を最優先し、自国の安全は自国で守る。その上で各国家同士、自立した国家として友好関係を結べばいい」という主張は、世界最強国家アメリカの大統領の世界観としてはしごくまっとうなものだと言えるでしょう。

 

私はトランプの言葉の中に、これまでの大統領とは明確に違う道を歩もうとする不退転の意思を感じました。トランプは、歴代の大統領が「グローバリズム」を声高に叫ぶ“影のキングメーカー=国際金融資本家”たちのコントロール下にあったことに対して正面から宣戦布告をしているのです。

 

●内政干渉の正当化理論

 

トランプは、歴代のアメリカ大統領が国際金融資本家たちの利益を優先し、アメリカ国民の利益を第一に考えてこなかったことを批判しているのです。過去100年間アメリカが歩んできた歴史は私たちが教科書で習ったような自由と民主主義を体現した理想の国ではありません。国是として、建国の精神や「自由と民主主義」の旗は掲げてはいますが、第二次世界大戦時のルーズベルト大統領の項で見てきたように、アメリカは決して「自由と民主主義」のために戦ってきたのではなく、国際金融勢力の意向に沿って全体主義国家ソ連と同盟し、ヒトラーのドイツや日本を叩いていたのです。「自由と民主主義」はアメリカの国際介入政策を正当化する口実に過ぎなかったわけです。アメリカのこの大義名分をメディアが宣伝したため、私たちの目にはアメリカがあたかも自由と民主主義の祖国であるかのように映ったに過ぎなかったのです。

 

既に見てきたように、紛争を自作自演するのも常套手段でした。東西冷戦の終了後も、自らが裏で演出した戦争・紛争を利用し、「グローバリズムは正義である」との大義名分のもとに、“世界中から利益を収奪するためのグローバル市場経済システム”を作り上げてきたのがアメリカです。

(後略)

 

●グローバル化への三段階レジーム・チェンジ方式

 

ブレジンスキーは各国への介入にあたっての、「民主化→民営化→グローバル市場化」という三段階のレジーム・チェンジ方式を理論化しています。まず各国に民主化つまり複数政党による選挙の実施を求めます。経済の民営化を推進する候補者を、強硬手段を用いてでも当選させることが可能になるからです。経済が民営化されればアメリカ企業をはじめとする外資による現地企業の買収が容易になります。その結果、当該国のグローバル化が達成されることになります。グローバル化とは経済に対する国民主権の喪失なのです。だからこそ、ブレジンスキーの言うように、外資(多国籍企業)に有利なグローバル化は世界に不平等をもたらすことになるのです。

 

グローバル市場化は世界に不公平をもたらしたばかりではなく、アメリカ国内にも貧富の格差の拡大をもたらしました。この点を正面から争点に取り上げて有権者の心情に訴えて、大統領に当選したのがトランプでした。

 

そして、世界のグローバル市場化が生み出したアメリカを含む人類全体の不公平さから目を逸らすために考案されたのが、ポリティカル・コレクトネスです。「自由と民主主義」「民営化」「人権尊重」「男女平等」「少数派の権利擁護」といった一見誰も反対できない用語を巡って言い争っている間に、世界の格差は一層拡大したのです。

 

世界が格差拡大をもたらしたグローバリズムの欺瞞に気付き始めたからこそ、トランプ大統領の誕生や、イギリスのEU脱退の国民投票に繋がったということも可能です。

 

●壁建設は反グローバリズムの象徴

 

トランプは「グローバリズムは国家の敵である」として、「真にアメリカ国民のために国づくりをしていく」と宣言しました。同盟国を訪れては「もっと軍事費を負担せよ」と圧力をかけているのは、「アメリカの財産を使って世界の警察などやるのは不公平だ。アメリカに安全保障の協力を求めるならそれ相応の負担をせよ」ということです。経済的な関係についても「地域的あるいは国際的な枠組みによるのではなく、それぞれの国同士で交渉してやっていけば双方にとってもっと良い結果が得られる」という姿勢で見直しを強く迫っているのです。

 

「メキシコとの国境に壁をつくる」という言葉が物議をかもしていますが、主権国家である限り、国境を維持管理することは当然です。主権国家の意思としての国境管理の重要性を、分かりやすく、壁をつくる。と言っているにすぎません。グローバリズムの推進にとって、国境の壁は禁忌です。なぜなら、国境を廃止することがグローバリズムの目的だからです。壁反対を唱えているメディアも民主党も、グローバリズムを拒否してはばからないトランプ大統領を、故意に中傷しているのです。

国際情勢の大変動を見抜く!-26~歴史認識大戦争に勝利する道~

日本の未来

今回が最終回です。

前回は日本とロシアの関係強化が1000年来続いてきた金貸し支配の歴史に終止符を打ち、新たな本源社会への道を切り開く大きな可能性であることを見てきました。

 

今回は「歴史認識大戦争に勝利する」ことの重要性を展開しています。

日本が2000年以上に及ぶ長きに亘りその国民性を維持できてきたのは、日本人の「道義性」にあるとしています。当ブログではそれを「本源性」という人類本来の心根や集団性と捉え直し、現在この本源性の維持及び世界への伝搬を通じて、世界の国々がそれを取り戻していくという人類の存続のための重要な起点にあります。

 

そのためには、歴史認識の重要性を謳っています。日本人の歴史認識は敗戦後金貸しから注入されてきた自虐史観によって捻じ曲げられ、近代思想の蔓延と相まって日本人の本源性に重い蓋が被せられました。今新たに、戦中のみならず、この2000年余りの歴史を世界史と合わせて正確にとらえ直し、これまで見てきたように、今日本人が色濃く残す本源性の再生に向けて世界に発信していくときである、つまり、人類の人類としての、金貸し支配に屈しない新たな歴史を展開していくのは日本人に掛かっているという「使命」をしっかりと固定し、その志の元世界各国との新たな関係世界を構築していく必要があります。

今、日本は間違った歴史認識と近代思想と本源性の心根との断層のため、活力はどん底の状態です。この現象は、本源性回復への序章、本源性再生の可能性と捉えることができます。

そして、今まさにそれに向けて動き出し、その脈動はどんどん大きくなっています。

当ブログもその流れを加速すべく、今後も歴史認識や脱近代思想のために発信を続けてまいりたいと思います。

 

次回からは、最近の米、露、中、韓の動きが今後どのようになっていくかを見ていく中で、金貸しとの攻防の行方を占っていきたいと思います。

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■アメリカをどう説得するか

 

アメリカの狙いは結局対露ビジネスの拡大にあり、そのためにロシアをグローバル市場化しようと工作しています。先にも述べたように、プーチン大統領はグローバル市場化を頭から否定しているわけではありません。グローバル化とロシアの伝統との共存の道を探っているのです。ロシア経済が強靭化することによって、外資に対するロシアの警戒感が緩和すれば、アメリカ資本にとってビジネスチャンスが広がることになります。現在の米露貿易関係は日ロ貿易の水準にも達していないほどの低レベルにあります。ロシアの近代工業化がアメリカ企業のロシア投資や輸出の拡大に貢献することを、わが国は諄々と説得すべきでしょう。

 

また、ロシアが天然資源輸出型の経済構造から転換できれば、ロシアの天然資源産業に対する外資の参入に寛容になる可能性が生まれます。現在のアメリカのやり方のように、レジームチェンジを強行して資源を抑えるという強硬策は、すでに世界中で警戒されています。ロシアの近代工業は資源メジャーにとってもビジネスチャンスをもたらすことになることを、アメリカに理解させることが重要です。

 

私は対ロ関係の強化を主張してきましたが、このことは対米関係を軽視して良いという意味では決してありません。現在の外交の世界にあっては、様々な利害関係を総合的に勘案して取引する必要があり、右から左へと一挙に方向転換すべきものではありません。

 

アメリカとの関係で言えば、戦後長期にわたって培われてきた「日米友好関係」の大枠の中で、国際情勢の変化に応じて対米関係のあり方をどう修正していくかという現実的なバランス感覚の問題なのです。日米同盟を維持しようとするなら、日米双方の国益に応じて日米関係の態様が絶えず上書き修正される必要があるのです。東アジア情勢が劇的に変化したにもかかわらず、戦後間もない時期に策定された東アジアレジームといった硬直化した秩序を墨守することは、わが国にとってはもちろん中間にとってもまたアメリカにとっても好ましくないのです。

 

以上に述べた我が国の対ロシア外交強化は二重の意義があります。

 

■歴史認識大戦争に勝利する道

 

第一は世界にとっての意義です。グローバリズムとナショナリズムの戦いにおいて、ロシアの近代工業化への日本の協力は、両者の激突ではなく共存の道を開く具体的なモデルとなる可能性があるのです。ロシアと同様にグローバル市場化と国民経済との両立に苦慮している多くの国にとって、日露の協力は師表となりうるのです。

 

第二は我が国にとっての意義です。日露関係の強化は2015年の戦後70周年歴史認識大戦争に我が国が勝利する道を開いてくれることになります。歴史認識問題に勝利することは、日本国民のモラルが勝利することです。これがどれほど重要なことか、国家の興亡の歴史が証明しています。世界の歴史を見れば、経済不況で滅んだ国はありません。我が国が敗戦後の荒廃の中から奇跡的な経済復興を遂げることができたのは、国民の精神が滅んでいなかったからです。しかし、栄華を極めたローマ帝国に見られたように、国民のモラルが崩壊した国は内部から自滅しているのです。

 

歴史認識問題は国家の存亡が直接掛かる深刻な問題です。その意味で、従軍慰安婦問題は徹底的に論破する必要があります。日韓友好関係のためにという甘言に弄されて、もし我が国がいささかでも妥協するようなことがあれば、もう日本国民は二度と立ち上がることができなくなるほどの打撃を受けることでしょう。私たちは高貴な道徳を失うことになるからです。子々孫々性奴隷民族としての汚名を被ることになるからです。そうなれば、たとえ日本国という名称は存続していても、私たちの祖先が残してくれた道義性の高い国民性はなくなるでしょう。これすなわち、日本国家のアイデンティティの喪失です。

 

我が国が2000年以上にわたって存続することができた最大の理由は、高い道犠牲の下に一つにまとまった国民が存在していたからです。今日、私たちがこの高い道義性を引き続き維持できるか否かは、歴史認識問題に関する外交の舵取りにかかっていると言っても過言ではありません。

 

外交はあくまで長期的な視野に立って国益を冷徹に追求すべきであり、一時の妥協で切り抜けてよいものではありません。そして、外交を支えるのは結局のところ私たち国民の意識であることを、改めて認識する必要があります。私たち自身が古来受け継いできた道徳を取り戻すことは、日本という国を守ることに繋がるのです。すなわち、安倍総理のおっしゃる「日本を取り戻す」ことに直結するのです。

 

反グローバリズムの潮流(イタリアの反EU連立政権崩壊は何を意味しているのか)

 

伊サルビーニ副首相、総選挙を要求 「連立政権は崩壊」イタリアの連立政権を構成する「五つ星運動」と「同盟」が決裂し、同盟のサルビーニ党首がコンテ首相に対する不信任案を提出、議会の採決を待たずにコンテ首相は辞任、連立政権は崩壊しました。マスコミは、同盟党首のサルビーニ氏が首相の座を狙った権力闘争が原因の暴挙であるように報道していますが、実体はどうなのでしょうか。 (さらに…)

  投稿者 dairinin | 2019-08-22 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

反米勢力が世界の表通りを歩きだした。

アメリカが中心と成り、大国が核兵器を自分たち以外は持ってはいけないと勝手に決めた。
※論理的に、そんな決め事を正当化できる理論などありません。

アメリカは核兵器を持とうとする国家に対して、国際ルール違反だとしてクーデターを起こさせ親米の傀儡生計を作ったり、もしくは経済弾圧を加えたりしてきました。

しかし、イラン、北朝鮮は反米を旗印にアメリカに対抗して核保有を目指しながら反米を貫いてきました。もちろん、ロシア、中国は彼らを支援してきました。

そして今や、アメリカの軍事力、経済力の低下し、トランプ大統領に成ってから特にアメリカの主張を支援する欧州なども少なく成ってきました。

今まで虐められてわき道を歩かざるを得なかった、反米のイラン、北朝鮮たちも世界の世論を味方に付けて表舞台で発言できるように成ってきました。

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■イラン国会議長、「アメリカの専横さに対する北朝鮮の抵抗は賞賛に値する」
2017年08月05日Parstoday http://parstoday.com/ja/news/iran-i33548 より

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ラーリージャーニー議長は北朝鮮最高人民会議のキム・ヨンナム常任委員長と会談
イランのラーリージャーニー国会議長が、世界の混乱はいずれの国の利益にもならないとし、「北朝鮮がアメリカの専横な態度に抵抗していることは賞賛に値する」と語りました。
ラーリージャーニー議長は4日金曜、テヘランで北朝鮮最高人民会議のキム・ヨンナム常任委員長と会談し、「他国にも勢力を及ぼそうとする、権力欲におぼれた国の努力は失敗に終わる」と述べています。

また、「イランは、核エネルギーの平和利用を擁護する」とし、世界に一刻も早く平和と安定が確立するよう希望するとしました。

一方のキム・ヨンナム委員長もこの会談で、アメリカが依然として理不尽なやり方に固執しているとし、「アメリカは常に、軍事面で弱い国を攻撃している」と語っています。
さらに、「各国は、自らの力をより所として自らの国運を決定するものだ」とし、「世界のどの国も、権威主義的な国の行きすぎた行動に振り回されてはならない」と述べました。
そして、「北朝鮮は常に平和を求めているが、アメリカが敵対行為をやめない限り、軍事力の増強を続ける」としています。
キム・ヨンナム委員長は、第12期イラン大統領就任宣誓式に出席するため、テヘランを訪問しています。

今回の就任宣誓式は5日土曜、イランの政府関係者のほか、90カ国以上の政府高官が参加し、イラン国会にて実施されます。

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by猪飼野

  投稿者 dairinin | 2019-08-20 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

変わらざるを得ない資本主義体制、どうする?>ロシアも模索中

世界で今や、需要<生産力!!  物余りの時代だ。

世界中で資本主義(物不足の適応態)の仕組み限界が顕在化してきた。

必需品は充足されて、以前のように作れば売れる時代が終わってしまったのだ。

その中で、全ての先進国は経済成長(≒維持)を図る為に、金融緩和で国債多発して借金まみれで機能不全に。
そして、世界中で金が余り、世界金融は博打場と化して、金融政策で操作不能に。

結果、物充足の豊かな時代なのに、格差拡大で一部の人たちが資本を独占し大衆は貧乏に。

歪んだしまった資本主義は矛盾点を拡大し、社会全体を統合しながらの運営が不能に成ってきた。(資本の偏りが激しすぎて、いずれ大衆が反乱を起こしかねない)

だから、「ベーシックインカム」など、国家の運営システムの更新を模索中だ。
日本でも(内容は稚拙だが)「働き方改革」などで、適応に向けてもがいている感じだ。

そんな中で、ロシアが「週4勤務制度の導入」を試そうとしている。
食べていく為の労働は60%で足り、残り40%を自由時間(≒社会活動の時間)を増やして社会運営すると云う試みだ。

西側マスコミは、敢えてニュース発表をしていない感じだ。

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■ロシアが週4勤務制度導入へ
TRTより https://www.trt.net.tr/japanese/shi-jie/2019/08/14/rosiagazhou-4qin-wu-zhi-du-dao-ru-he-1252468
ロシアで、勤め人が自分と家族のために十分な時間を割けるようにすること、失業率を下げることなどを理由に、週4勤務への移行に向けた準備が進んでいる。

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この制度が承認されれば、ロシア人は週に4日働くことになる。
与党の統一ロシア党も支持しているこの提案は、週5勤務に代わる週4勤務制度導入を見込んでいる。
その目的は、失業率を下げ、生活の質を向上させ、勤め人が自分と家族のために十分な時間を割けるようにすることである。
6月に発表された世論調査では、ロシア国民の43パーセントが週4勤務制度に反対しており、そうなれば給与額が下がる可能性を懸念していることが明らかになった。

しかし、ロシア国民の懸念とは逆に、新制度において勤め人の現在の給与額が維持されることが目指されている。

新制度の法案に関する活動は9月に始まる予定である。週4勤務制度の適用は段階的に行われる予定であり、そうして雇用者と勤め人は新制度に適応することができる。

(2019年8月14日)

by 猪飼野

  投稿者 dairinin | 2019-08-16 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

反グローバリズムの潮流(フランスのマクロン政権は今…)

PK2019051502100075_size0年の初めに、反グローバリズムの潮流(フランス暴動を巡り、反EU勢力が国を超えて共闘を開始)では、マクロン政権が国内からの反発だけではなく、EUでも反グローバリズム勢力が共闘しマクロン包囲網が出来ていることをお伝えしましたが、その後、マクロン政権はどうなっているか調べてみました。

まず、フランス国内の状況ですが、「黄色いベスト」運動は勢力が衰えたと言いながらもデモは続いているようです。また、マクロン大統領の支持率も32%と低迷したままです。

5月に行われたEU議会選挙では、ルペン氏率いる極右の国民連合(RN)が第1党となり、敗北を喫しました。国内での評価がガタ落ちであることは間違いないようです。

その分、人気取りのためかと思われますが、EUや外交ではその存在感をアピールしようと必死になっています。

EUの首脳人事では、ドイツのメルケル首相が提案した委員長候補を排除し、マクロン氏が推薦した別のドイツ人が委員長に選ばれます。ドイツ人を推薦した事でドイツに恩を売り、欧州中央銀行総裁にはフランス人が就任する等、EUではマクロン大統領が中心人物になって来ています。

さらに、デジタル・サービス税の導入で、アメリカにも喧嘩を売るなど、対外的には強硬な姿勢を示しています。

今後の予想ですが、EUでマクロン大統領の影響力が高まれば高まるほど、イタリアをはじめとする反EU勢力が黙っていないと思われます。マクロンが強硬になればなるほど、EU内の分裂は強まると思われます。これに、アメリカとの貿易戦争が開始されれば、EUの崩壊は加速される。

結果として、EU政策、外交も上手く行かず、フランス国内の批判もさらに高まると言う悪循環に陥っていく可能性が高そうです。

 

■フランス「黄色いベスト」運動が総会 「資本主義からの脱却が必要」2019年5月2日

新自由主義のマクロン改革と対決するフランス人民の「黄色いベスト」運動は昨年11月以来、5カ月にわたってたたかわれている。このなかで各地での「黄色いべスト」の運動の代表が一堂に会する第2回総会が開かれた。

この論議のなかで「黄色いベスト」が「人民による、人民のための力」であり、「自由、平等、友愛」(フランス革命のスローガン)を実現するためには、「資本主義からの脱却」が必要であり、資本主義にかわる新しい時代の入口に立っているとの意見がかわされた。

■仏「黄色いベスト」運動が26週目に、参加者減少の一方で衝突も2019年5月13日

フランスで11日、マクロン政権に抗議する「黄色いベスト運動」のデモが行われ、リオンとナントで警官がデモ参加者に催涙ガスを発射するなどの衝突が発生した。デモは26週間連続。運動は勢いが弱まりつつあり、政府の統計ではピーク時の昨年11月に30万人を超えていた参加者は、ここ数週間には3万人を下回っている。

■期待は失望に マクロン氏試練 大統領就任2年 支持率32%2019年5月15日

フランスのマクロン大統領は十四日、就任二年を迎えた。当選直後の期待はしぼみ、全国で毎週末に反政権デモ「黄色いベスト運動」が続く。一年目に断行した労働法改正などの改革で海外の対仏投資が伸びるなど一定の成果は出つつあるが、国民の実感は乏しい。

調査会社BVAが九日に公表した世論調査によると、支持率は32%で当選直後の62%から半減、一年前から13ポイント下げた。デモ参加者は発表された支援策が「生活レベル向上にはつながらない」と批判。仏メディアも「国民に失望感」と手厳しい。

■欧州議会選、仏は極右が第1党へ マクロン氏は僅差で第2党2019年5月27日

フランスでの欧州議会選が26日に実施され、ルペン党首率いる極右の国民連合(RN)が第1党となる見通しだ。ただ、マクロン大統領率いる共和国前進(REM)との差は僅差にとどまるもようだ。

エラブの世論調査によると、国民連合は23.6%の票を獲得し、共和国前進の22.4%を1%強上回る見通し。国民連合のルペン氏やジョルダン・バルデラ候補は今回の選挙を過去2年のマクロン政権への信任投票と位置付け、選挙戦では有権者に大統領の経済改革や親欧州連合(EU)政策への反発を示すよう呼びかけた。

■マクロン仏大統領:10月末が英EU離脱の最終期限-欧州委新体制前に2019年6月4日

マクロン大統領は「ぐずぐずと先延ばしすることは大きな誤りであり、今度こそ本当の最終期限だと私は思う」とパリで発言。EUの行政執行機関である欧州委員会の新体制が、英EU離脱に対応せざるを得なくなることは望まないと述べた。

■「3つの危機、G7で協議」マクロン仏大統領講演2019年6月27日

来日中のフランスのマクロン大統領は27日の講演で「世界はグローバル化、デジタル化、気候変動という3つの危機に直面している」と警鐘を鳴らした。「社会の不均衡、国ごとの不均衡、大陸間の不均衡が耐えがたくなっている」。マクロン氏はまず、グローバル化による人々の格差を問題視した。

第二に、あらゆるモノがネットにつながるIoTや人工知能(AI)など、デジタル技術の発展が「社会を不安定にする」と強調した。

第三の危機として気候変動を挙げた。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの米国の離脱表明など、足並みはそろわない。「多国間主義は危機にある。反対する一部の人を長々と待たず、参加したい人を募るべきだ」と強調した。

■ラガルドECB総裁、これまでの実績とこれからの限界2019年8月2日

注目を集めたEU首脳人事ではドラギ総裁の後任の欧州中央銀行(ECB)総裁としてフランス出身のクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事(63歳)がEU臨時首脳会議で選出された。

次期欧州委員長としては、ユンケル委員長が欧州議会の最大会派である欧州人民党(EPP)出身であり、今回もそれにならってEPPに属するドイツ出身のウェーバー氏が最有力候補とされた。しかし、フランスのマクロン大統領がウェーバー氏の経験不足を理由に頑として受け入れなかった。紆余曲折を経て欧州委員長には、メルケル首相の盟友であり、かつラガルド氏と同様に女性初となるウルズラ・フォンデアライエン国防相(60才)が指名された。

それとのバランスでフランス人のラガルド氏をECB総裁に、EU大統領にマクロン大統領と肝胆相照らす仲であるベルギー首相のシャルル・ミッシェル氏(43才)が指名された。いずれもマクロン氏が妥協案として考え出した人事構想であった。マクロン大統領の全面勝利、政治力の衰えが隠せないメルケル首相の完敗ではあった。

■仏のデジタル課税から米EU貿易戦争への可能性も2019年8月7日

フランスでは、議会で、デジタル・サービス課税法が成立した。デジタルサービス課税法は、フランスにおけるグローバル・ハイテク企業の売り上げに3%の課税を行うというものである。これに対して、米国のトランプ大統領は、7月26日、「マクロン(仏大統領)の愚行に対する甚大な報復措置を速やかに発表する」と、フランスのデジタル・サービス税の導入を非難した。トランプ大統領の発言は、米国の超党派の議員たちからも支持され、通商法301条の発動も言われている。

マクロン大統領は、2018年、燃料税の値上げを計画したところ、「黄色いベスト運動」の激しい抗議デモに合い、結局、譲歩した際に大判振る舞いを したために、他の改革に取り組むことができず、埋め合わせの財源を必要としているのであろう。

今後、フランスのデジタル課税をきっかけに、自動車への25%の関税やワイン等への報復関税が課されるようになれば、米中貿易戦争のみならず、米EU貿易戦争にもなりかねず、世界貿易の行方が懸念される。

  投稿者 dairinin | 2019-08-15 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

国際情勢の大変動を見抜く!-25~日ロ関係強化の世界史的意義~

 

プーチン・安倍

 

今後、金貸しによるグローバル化→世界統一政府樹立を阻止できるのは、ロシアと日本であるという。

それも日露関係強化により、ロシアへの日本の支援が必要とのこと。

 

ロシアの軍事力は世界一で、しかも群を抜いている。但し国力という意味では、天然資源の輸出に頼った経済では脆弱。生産力を付けなければならない。

 

また、プーチン・ロシアは民族主義だが、国粋主義ではない。国際的な関係性も重視し、その両立を目指している。いわば国際化と自国の伝統・文化の維持の両立を目指している。

 

そのお手本となるのが日本。生産力を高める技術や経営、伝統を守りつつ新しい文化と融合させていくこともお手のもの。筆者は土着力と言っている。当ブログではそれを本源性と言い換えたい。

ロシアの国民性も本源性を有しているという。

この両国が関係性を強化することで、科学技術の世界でも軍事の世界でも、或いは人類本来の本源性を広めていくという意味でも、金貸しによる否定の論理、ユダヤの集団自我による暗黒の世界からの脱却が図れると思われる。

 

現在、金貸しが作った経済システムがガタガタになり、崩壊寸前のいま、金貸し支配終焉の好機を迎えている。そのカギを握るのがロシアと日本。人類の運命はこの両国に掛かっている。

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。

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■日ロ関係強化の世界史的意義

 

ロシアはいま、アメリカによる、なりふり構わぬグローバル市場化圧力にさらされています。しかし、プーチン大統領は決してグローバル市場化そのものを拒否している訳ではありません。プーチンがめざしているのは、グローバル市場化とロシア国民経済との共存なのです。

 

このことは、プーチン自ら執筆した論文「新千年紀を迎えるロシア」に明確に述べられています。プーチンはそこで、「ロシアの新しい理念は、人道主義に基づく世界の普遍的価値と、20世紀の混乱も含めて時の試練に耐えたロシアの伝統的価値とを有機的に統一するときに実現するだろう」と明らかにしています。

 

これは、極めて重要なメッセージです。「人道主義に基づく世界の普遍的価値」とは自由、民主政治、人権尊重、市場経済などを指しますが、これらの普遍的価値を尊重すると述べているのです。この点から見ても、プーチンが独裁的思想の持ち主であるとは考えられません。

 

また、ロシアの伝統的価値の絶対性を主張するのではなく、このような普遍的価値とロシアの伝統的なスラブ主義思想とを「有機的に統一する」ことを強調しています。「有機的に統一する」とは、プーチン大統領はロシア愛国者であっても、ロシア国粋主義者ではないことを証明しています。ここに、プーチンのロシアとグローバリスト・アメリカとの妥協の可能性を見出すことができるのです。

 

 

プーチン大統領のもう一つのメッセージは日本に向けられています。プーチンは2000年に大統領に就任して依頼、わが国に対し日本の文化や哲学に親しんだものとして、日本を愛さずにいられない」と日本に対する強い関心を表明しています。この対日関心とプーチンのいわばライフワークである新しいロシアの理念の構築とは、密接に関連しています。プーチン大統領が日本の文化や哲学に高い関心を示しているのは、世界の普遍的価値とロシアの伝統的価値を有機的に統合する秘訣を日本の経験から学びたいということであると解釈されるからです。

 

つまり、プーチンはアメリカ型のグローバリズムに代わるロシア発展の理念を、明治維新以来、欧米流の近代化と日本の伝統文化の両立に成功して今日にの発展を成し遂げた日本の経験からくみ取りたいという、極めて重要なメッセージを示唆しているのです。この点こそ、いま我が国とロシアとの関係強化が持つ世界史的意義があると言えます。

 

■アメリカ、中国、韓国だけが安倍総理を評価しない理由

 

プーチンが今一番必要としていることは、天然資源輸出型のロシア経済の体質転換です。既に述べたように、ウクライナ危機による経済制裁によって、ロシア経済の脆弱性が改めて浮き彫りになりました。このロシアの弱点は、G7による経済制裁発令後、プーチンが中国との間で長期に渡るロシア天然ガス輸出商談を国際価格より値引きしてでもまとめざるを得なかったことに、如実に表れています。この経済構造を転換しない限り、ロシアは天然資源の輸出価格に左右されなる経済から脱却することができないのです。

 

ここにプーチンが新しいロシアの理念を強調する意味が隠されています。プーチンは新しいロシアの理念に基づくロシア型近代工業国家の建設を至上命題としているのです。このような近代工業国家を建設して初めて、ロシアは安定した大国になることができるため、プーチンはロシアの伝統に合った近代工業国家建設への協力を日本に求めているのです。ロシアが安定した大国になることは、我が国のみならず世界にとってメリットがあるはずです。

 

世界の中で、安倍総理を評価していないのはアメリカ、中国、韓国のたった3ヵ国にすぎません。北朝鮮は安倍総理に期待しています。それが、拉致問題の進展に表れています。北朝鮮との関係についてもアメリカが牽制していることを私たちは忘れてはなりません。ありもしない従軍慰安婦の強制連行を「性奴隷」やおぞましい人権侵害と非難しながら、日本が拉致問題を解決しようとイニシアティブを取ると、それは北朝鮮の核やミサイル問題についての米韓日の結束に影響するので好ましくないと茶々を入れるアメリカの人権ダブルスタンダードに、私たちははっきりとノーを突き付けなければなりません。

 

かつて、拉致問題を抱える我が国の懇請にもかかわらず北朝鮮をテロ指定国家から外して国交正常化を計ろうとしたのは、ほかならぬアメリカではなかったでしょうか。安倍総理には、わが国の国益を踏まえて冷徹な外交を展開していただきたいと思います。イギリスの政治家パーマーストンの名言にあるように、永遠の友好国もなく、永遠の敵国もなく、永遠にあるのは国益のみだからです。

 

現在の国際環境のもとにおける我が国の国益とは、プーチン大統領とともに北方領土問題を解決することです。もしプーチンが後退してグローバリストのロシア大統領が生まれでもしたら、新大統領は日本にグローバル市場化の圧力を掛けることはあっても、北方領土問題を解決して日本との関係を改善しようとする意欲はないでしょうから、2014年中にロシアとの関係が強化されないと、戦後70周年は我が国にとって厳しいものとなる可能性があります。これまでのところ、ロシアは中国との間で戦勝70周年を祝う共同行事を行うとの約束をしていますが、日露関係が改善していればプーチンは共同行事を換骨堕胎することになるでしょう。しかし、日露関係が停滞したままでは、プーチンの好意的態度に期待することは不可能になります。

 

日ロ関係強化は、韓国の対日非難も困難にするでしょう。拉致問題が解決されれば、北朝鮮が韓国よりも親日的になっていくからです。韓国は、駐留アメリカ軍撤退が予定されている2015年には、北朝鮮の軍事的圧力を感じながら孤立している可能性があるのです。しかも、その背後に親日大国ロシアが控えているとなれば、韓国はいわば挟み撃ちにあったも同然です。これまでのように、対日非難を続けるなど不可能になるでしょう。

 

中国の反日も止まざるを得ないでしょう。数千キロも国境を接するロシアは、中国よりもはるかに強力な核兵器国です。1970年代末の日中平和友好条約締結交渉において、中国は当時世界の覇権を求めつつあったソ連に対する日中の共同対処を強く要求しました。これがいわゆる派遣条項で、日中間で最後までもつれた懸案でした。最終的には日中はアジアにおける覇権には反対するが、この条項は特定の国に向けられたものではないことをうたうことによって、我が国はソ連を刺激することを避けた経緯があります。皮肉なことに、現在の東アジアの国際環境は当時と激変し、日露にとって中国の膨張主義が共同対処の対象になっているわけです。

 

■北方領土交渉の切り札

 

プーチン大統領にとって喫緊の国家課題である、天然資源輸出型経済から近代工業型経済への転換に協力できる国は、日本しかありません。プーチンは欧米の外資を導入することによって近代工業化を図ることは考えていません。それは、エリツィン大統領の時代の欧米主導による民営化路線の失敗に凝りているからです。しかも、プーチン大統領の新しいロシアの理念に欧米は応えることはできません。自らの伝統的価値観を人類の普遍的価値として世界に普及してきた彼らには、普遍的価値と伝統的価値の両立という課題がそもそも存在しなかったからです。だから、プーチン大統領がロシアの国益とグローバル市場化の両立に苦労していることが理解できないのです。

 

このプーチンの悩みを理解できるのは、かつて同様の悩みを経験し、克服したわが国だけなのです。近代化と伝統文化との両立を可能にしたのは、外来の文物を日本の伝統に合うようにつくりかえて導入発展させた我が国が持つ土着力でした。ロシアも「母なる大地」に象徴される土着力を有しています。ロシアの土着力を開花させることができれば、わが国の協力がロシアに根付く可能性は十分にあると言えます。

 

そこで、安倍総理の北方領土交渉の切り札は、プーチン大統領に次のことを約束することになります。すなわち、「日本は朝野を挙げてロシア型の近代工業国家建設に協力する。具体的には、日本企業は合併や投資などによって日本的経営方式をロシアに合う形でロシア企業に移転する。また、日本政府は産業政策や各種行政指導のノウハウをロシア政府に提供する。以上の官民による経済技術協力を全面的に行う。」

 

これに対し、プーチン大統領は北方4島の返還を決断する可能性は十分にあると確信します。ロシアの指導者にとって最大の関心事は安全保障の確保であり、日本の官民の協力によってロシアが近代工業国家に発展できれば、何よりの安全保障になるからです。

 

この大筋を首脳同士で合意できれば、後は実際の返還に向けた技術論に過ぎません。例えば、歯舞、色丹の2島は素地く変換し、国後、択捉の2島については住民の移転などの事情もあるので20年後の経過期間を設けることなどが考えられるでしょう。

 

また、日露関係は日米関係でもあります。我が国にとって日露関係強化のカギは従来からアメリカにありましたが、今回のウクライナ危機後アメリカをどう説得するかが一層複雑になりました。プーチンへの圧力を強化しているアメリカにとって、わが国がいわば抜け駆けしてプーチンを支援することは認められないと強く反発してくることは必至でしょう。しかし、アメリカを説得する材料はあります。

 

反グローバリズムの潮流(ドイツのメルケル政権は、年内にも崩壊か)

img_0b168b4ee0f73fd2678f9cb171a5ffb397008ドイツのメルケル政権は、連立政権を組むSPD党首が辞任し、崩壊の危機がうわさされていましたが、まだ何とか持っているようです。どんな状況なのか調べてみました。 (さらに…)

  投稿者 dairinin | 2019-08-08 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments »