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日本企業の海外依存

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 今回は、前回記事「日本の税収の推移」 [1]で少し触れた、サブプライムローン問題に端を発する世界的な景気の悪化が大きく影響して、企業の海外収益が減少したことが、法人税収の大幅ダウンの要因になっている点について、具体的に見ていきましょう。
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 バブル崩壊後の海外進出を積極的に展開してきた、日本の代表的な企業であるTOYOTAとキャノンを例に、財務状況の推移を見てみます。
■TOYOTA
平成13年〜平成20年までの、国内と海外の車両販売台数の推移を表にしてみました。 🙄
<トヨタ財務データ>
[2]
トヨタホームページ 決算報告より (リンク) [3]
 平成13年の時点で既に、総販売台数の6割を海外が占めており、その後も前年比10%強の割合で販売台数を伸ばし続けています。
 平成17年にはついに、海外販売台数が全体の7割を占め、国内と北米の全体に占める割合は逆転しました。
 
 ここからも、海外での収益が主軸になっていることが良くわかります。
 そして、金融危機の影響を受けた平成20年の販売台数は、北米を中心に海外販売台数が大幅に落ち込んでいます。
上記の表をグラフにしてみました。 😮
<トヨタ財務データグラフ>
[4]
販売台数の総計と、海外での販売台数のグラフ形状がぴったり重なります。
国内販売はほぼ横ばいですから、海外でガッツリ稼いで来たということですね。
■キャノン
平成13年〜平成20年までの、国内と海外の売上高の推移を表にしてみました。 🙄
<キャノン財務データ>
[5]
キャノンホームページ 財務関連情報より (リンク) [6]
 平成13年の時点で、総売上高の7割を海外が占めています。平成19年には海外での売上高はなんと総売上高の8割にまで達しています。
 米州と欧州で毎年売上げを伸ばして、平成19年には、実に国内売上高の約3倍にまで達しています。
 そして、金融危機の影響を受けた平成20年の売上高は、米州、欧州の売上高が大きく落ち込んでいます。
上記の表をグラフにしてみました。 😮
<キャノン財務データグラフ>
[7]
 ここでもTOYOTAと同様、売上高の総計と、海外での売上高のグラフ形状がぴったり重なります。
 国内売上高はほぼ横ばいですから、キャノンさんもTOYOTAさん同様、海外でガッツリ稼いで来たようですね。
 
 以上のように、海外での業績が企業全体の業績をあらわしているといえます。
 言い換えれば、海外頼みの企業経営にどっぷりと嵌ってしまったために、国内経済状況が大きく変動したわけでも無いのに、海外不況のあおりを受けて、企業の業績ダウン→法人税収のダウンに繋がったのだといえます。
 今回の金融危機をうけて、海外頼みの企業経営の転換が迫られています。
 国内に目を向けた、新たな可能性の発掘が必要ですね。

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