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電子マネーの“マネー”としての可能性

この間、電子マネーについて3つ記事

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1.電子マネーは新しいお金となり得るか? [1]
2.電子マネーはいかに普及してきたか? [2]
3.電子マネーと共に普及するポイントシステムの現状 [3]

が出ましたので、一旦整理したいと思います。

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そもそも日本においての電子マネーが身近になったのは、どうやら公衆電話のテレフォンカードのようです。確かにかつては財布に必ずテレフォンカードがあり、また記念品としてももらったりもしました。
それからJRのオレンジカード〜Jスルーカード、大阪でのスルッとカンサイなどのプリペイドカードが生まれてきました。

背景としては、もちろん平成元年の消費税(3→5%)導入もありますが、意識潮流としての外向収束や、消費の中心がモノから日常の共認充足へと移行していったことがあります。

そういう意味で日本の場合は、小銭の煩わしさ⇒電子マネー(プリペイドカード)の誕生というのがいえそうです。
(参照:.電子マネーはいかに普及してきたか? [2]
ただしそれは、電話(=通信)とか、電車(=交通)とか利用範囲が限定されていました。電子“マネー”といいつつ、お金の持つ交換価値という面では非常に小さいものと言えます。

ゲゼル氏は貨幣が持つ問題性について、大きく次の2点を指摘している。
・価値が劣化、陳腐化しない=蓄財が可能
・いつでも、どこでも、何にでも交換可能=高い流動性

(参照:政府紙幣の追求によって見えてきた「貨幣システム」の問題性 [4]

つまりこの当時の電子マネーは、ドイツ経済学者シルビオ・ゲゼル氏が言うところの“高い流動性”に欠けていたのです。
そこから電子マネーが急速に普及したのは、

①ポイント制(使うとポイントが貯まり次の利用金額に反映できる制度)
②1企業→1電子マネーではなく、共通の電子マネーが生まれたこと。(ex.Tカードとポンタカード)

(参照:電子マネーと共に普及するポイントシステムの現状) [3]

によるもの。
つまり(ポイント制⇒汎用性)→交換価値UP→流動性UP→電子マネー市場拡大となっています。
これによって電子マネーは、欠けていた高い流動性を確保し、現金と同じ機能を果たすようになっているのです。そしてこの電子マネーを発行するのはその適用範囲にある企業であることが重要です。
現金と同様の機能を果たす電子マネー(=ポイント)を企業が、ある意味独自に発行するというシステムになっているのです。

したがって電子マネーの拡大は、現在の中央銀行を中心とする通貨制度の根幹をゆるがす可能性を秘めているのです。

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この状況を金貸しはどう見ているのでしょうか?
その手がかりとして、日本では、Tポイントグループ(vs)ポンタグループの激突が注目されていますが、この二つの運営の違いに注目しています。

Tポイントの運営会社はツタヤを中心とする提携企業の持ち株会社なのですが、ポンタは三菱商事の100%子会社。
Tポイントカードは、ツタヤが独自で発行していたカードを提携企業を募って適用範囲の拡大に努めていったものであり、ポンタは商社が、このポイントシステムが新しい市場(=金儲けのツール)になることに目を付けて生まれたものなのです。

実はポンタの立ち上げに当たり、三菱商事は当初、欧州勢との共同出資を模索していました。実現はしませんでしたが、三菱商事のビジネスモデルはイギリスの「ネクター」で、ここは国民の半数が保有するポイントの運営管理専門企業なのです。つまりここは言わば電子マネーの中央銀行みたいなものなのです。

ではその欧州の電子マネーがどうなっているのか?を次回見てみましょう。

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