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『ユーロ発国家財政危機の行方』7.世界を牛耳る、支配勢力・闇勢力の暗闘はどうなっているのか?

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22日、オバマ政権は「米金融規制改革法」に調印しました。この金融規制改革法は「大恐慌後の1930年以来、約80年ぶりの大改革」と大統領自ら発言しています。
この改革法の中で、注目すべきは、金融規制の他「FRBの権限が強化」されたことです。今後、各金融機関の監督と消費者保護をFRBが担うとのこと。
一方、欧州では既に金融規制への具体的な動きが始まっていました。5月中のギリシャ危機の一次回避後、ドイツのメルケル首相による「国債空売り規制」、その後のフランスの同調。そしてG20では、ヘッジファンドや格付け会社、デリバティブ(金融派生商品)への規制強化等の共同声明が出されました。
この間、金融市場(金貸し達)は、住宅ローンや国債等の「借金」をネタに金儲けを仕掛けてきました。その結果が08年金融危機であり、今回のギリシャ・ユーロ危機です。そしてその損失は、FRB(米国)やECB(欧州)が引き取り、そのツケは各国の国民に廻されています。
現在は、国家・国民VS金融市場(金貸し)の闘いが進み、国家は金融市場(金貸し)への規制を強化したように見えまが、果たしてどうなのか??
今回は、これまでの状況を整理すると共に「世界を牛耳る、支配勢力・闇勢力の暗闘はどうなっているのか?」について、大胆に切り込んでみようと思います。
これまでのユーロ発国家財政危機の行方』シリーズ記事。
0.プロローグ [1]
1.ギリシャ問題・PIIGS問題とは? [2]
2.小国ギリシャの危機がなぜユーロ危機につながったか? [3]
3.地域共通通貨「ユーロ」の弱点構造 [4]
4.ギリシャ暴動とその他の国の状況から国家・市場の統合限界が見えてくる [5]
5.『ユーロ発国家財政危機の行方』 5.世界バブル崩壊が資本主義の総本山、欧州を襲う [6]
6.『ユーロ発国家財政危機の行方』6  【英米(金貸し勢)が作ったアメリカに対抗して作られたEU】 [7]
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前回の記事『ユーロ発国家財政危機の行方』6  【英米(金貸し勢)が作ったアメリカに対抗して作られたEU】 [7]で紹介したように、ユーロの歴史を見ていくと、ユーロと「金:Gold」の関係は強く、今後の世界情勢を見ていく上で重要なポイントだと思います。
ユーロと金の歴史を細かく見ていくと、ユーロとは、欧州勢力(欧州貴族連合?:金主)が、アメリカ(ドル)に対抗するために、「金」を裏付けに作ったと判断できます。
欧州勢力による原子力発電や新エネルギーの開発及び普及も同様であり、石油に裏付けされたドルに対抗するために、石油を必要としないエネルギーの普及として推し進められている考えられます。
08年の金融危機及び今回のギリシャ・ユーロ危機を通して、この欧州勢力により、世界の支配体制は大きく組み替えられているのでははいでしょか。ここ最近の動きも含めて、現在の状況を図解化してみました。

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■銀行屋金貸し(ロスチャ+J.ロックフェラー)は欧州勢に組み込まれたのか?
欧米政府を中心とした金融規制により、銀行屋金貸しの系(ゴールドマン・サックス等)への圧力が高まっています。一方で、EU及びユーロ圏では、ユーロの為替相場が下がったことにより、ドイツ・フランス等の輸出が増え実体経済は上向き、財政緊縮化を進め、本来の国家体制及びEU共同体の再構築・地固めへと動いています。
だだ、今回の米国金融規制法案でのFRBの権限強化に見られるように、各国中央銀行を作ってきたロスチャ系の位置づけが大きく変わったのでは?と思われます。欧州勢力に組み込まれて新たな役割を進めていくのか?
■戦争屋金貸し(D.ロックフェラー)は、焦っている?
財政難に苦しむ米国は、オバマ政権による軍事費削減を進めています。その打撃を最も受けるのが軍産複合体とCIAを牛耳る戦争屋:D.ロックフェラーです。最近、非常に暴れていますが・・・。
今回、まず敵である銀行屋への規制を強化するために、ポール・ボルカーをオバマ政権に送り込み、ボルカー・ルールと呼ばれる金融改革規制の基礎を提示し法案を作らせました。
軍事面では、ロシアと中国をそそのかし、国連ではイランの核開発に対する追加制裁決議を出しています。その他にも、韓国・北朝鮮では哨戒艦沈没事件、米韓両軍による日本海で合同軍事演習を25日から開始。また、欧州各国がアフガンからの撤退を進める中で、米国は、国内の「軍事重視派」に押され、「政治重視派」が進めるアフガン撤退がなかなかうまく行かない状況でした。しかし先月、軍事重視(政治軽視)の典型だったマクリスタル司令官は、オバマ大統領に更迭されました。
戦争屋は、様々な手を打って、軍産複合体の生き残りをかけて、暴れている状況ではないでしょか。
■日本の位置
D.ロックフェラー→日本の特権階級(官僚、マスコミ、従米政治家)を通じて、あるいは特権階級が勝手に暴走して、日本でも様々な動きがありました。目的は、郵政資金と消費税増により日本から「お金」を巻き上げることです。郵政資金は鳩山首相辞任後、郵政改革法案は後送りされました。消費税については、財務省→菅首相による参院選選挙の失敗の後、間髪を入れずIMFを通じて、直接、消費税増の圧力をかけられています。
消費税増額の理由として「借金の多い日本も、ギリシャになる」と菅首相は、財務省に騙されて言っていましたが、このブログ・ユーロシリーズでも調査したように、日本の国債は、95.4%を国内の郵政・民間銀行・生保等で保有しています。対外債務は、今年の3月末で31兆円で5%未満です。これを売られると多少の影響があるでしょう。しかし、日本の国債は人気で、中国も買い増しをしています。買い手は直ぐに付くでしょう。
ギリシャは対外債務が85%程度あり、これを勝手に外資(G・S等)が空売りして、危機に繋がっています。状況が全く違うと見るべきだと思います。
●まとめ
・欧州勢(金主)は、EU及び各国家を中心に、世界体制の再構築を着々と進めている。
 金融経済から実体経済へと方向を転換しており、BRICs・多極化もこの流れの中にある。
 実体経済の消費国となるのは、貧困から脱出過程にあるBRICs及び後進国。
・EU・ユーロ圏は、ギリシャ・ユーロ危機を契機に、安定した地固めを進めている。 
・今後の多極通貨の中で、ユーロは金:Goldに支えられ安定した力のある通貨となる可能性が高い。
・金融市場への監視圧力を強化し、その役割をFRB(中央銀行)に置いた。
 銀行屋金貸しは、この中に組み込まれたのか?
・この流れの中で、戦争屋は焦っている?日本の金を狙っている。

全体を見て、今後の鍵を握っているのは日本だと思われます。
戦争屋D.ロックフェラーは、日本の金を何とか手に入れたいでしょう。当然、欧州勢も狙っている。
しかし、郵政資金については、郵政改革法案は先送りされていますが、郵政株売却凍結法案は昨年末に成立し、一端は守られた状態です。また郵政改革法案は、ねじれ国会でなかなか進まないとも思われます。
消費税増額については、参院選で「消費税増」で菅首相を攻撃したマスコミの影響もあり、世論は「しばらくは増税無し」という雰囲気が出来上がっています。
この現在の日本の「宙に浮いた状態」が、しばらくは、好ましいのかも知れません。
(世論を理由に、「のらりくらり」とかわしていく?)
一方、米金融規制改革法でのFRBの権限強化が気になります。今後、各国中央銀行にもこの影響は広がると思われますが、欧州勢力+銀行屋金貸しは、中央銀行を通じて何を企んでいるのか?
次回から、FRBの動きも含めて、今後の市場の動き、ドルの動きに注目して行きます。
お楽しみに・・・・

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