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ランドバンキングとは?−5〜ランドバンキングの今後は・・?

サロン参加者の方の話をきっかけに、日本で目に付き始めた「ランドバンキング」なるカナダ・米国発の不動産投資について調べてきた。
1〜米国が仕掛ける新たな土地バブル? [1]
2〜サブプライム・ローンの仕掛け [2]
3〜ランドバンキングの仕組み [3]
4〜ランドバンキングの成立構造 [4]
そこから分かったことは、
・長期的な都市開発による地価上昇益を見込んだ投資手法であること
・土地の売込先として、主に中国マネーがターゲットになっていること
・現在はテキサス、アリゾナ等米国南部の土地が商品になっていること
・これは南部でのヒスパニック系移民の急増が背景にあること 
 

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テキサス州オースティン市の未開発地。1エーカー3.8万ドル

 
このビジネスが成り立つかどうかは、今後長期的にヒスパニック系移民による成長が見込めるかどうか、ひいては中長期的な米国経済の先行きにかかっている。
 
いつも応援ありがとうございます。


◆中長期的な米国経済の見通しは?
米国は8月2日にすんでのところでデフォルト危機を回避したばかりだ。そして日本は3.11震災のダメージにも関わらず円高が続いている。その意味については昨日の本ブログ記事 [5]で紹介した。

今回の東北大地震と福島原発事故以降の円買いは、米国債デフォルト→米国債暴落→世界中の国債暴落という経済破局にむけた最終局面の動きであると考えられる。その狙いは何か?
どうやら金貸しにとっては、日本の国債だけが暴落しないという状況は都合が悪いらしい。とすれば、金貸し勢は、世界中の国債暴落=旧紙幣価値の崩壊を計画していることになる。したがって日本国債も同時に暴落させる必要がある。
〜中略〜
米国債暴落を皮切りとする、世界中の国債暴落→貨幣価値の崩壊という形での経済破局の時期が迫っていると見て、まちがいないだろう。
経済予測1 米国債デフォルト→世界中の国債暴落→旧貨幣価値の崩壊 [6]

 
周知の通り、’08年リーマン・ショック以降、米国経済はズタズタである。紙幣のバラマキで見かけ上の株価を維持し、失業率は実際は20%になると言われる。その中で唯一のプラス要因がヒスパニック系移民の人口急増だが、それはどんなにボロボロでも、相対的にメキシコより米国の方が豊かだったからに過ぎない。
 
ここにきて、いよいよ米国デフォルトの危機が迫ってきた。8月6日には、S&Pが米国債の格付けをAAA(トリプルA)からAA+(ダブルAプラス)への格下げを決行した。
S&Pが米国債を「AAプラス」に格下げ、最上級失うのは史上初 [7]
 
 
FRBのバランスシートは米国債とMBSで膨れ上がっている(今年2月時点)。

[8]

米国債はこの間FRB自身が買い支えるしかなく、既に中国の保有高を超えている。ここに来て今回のデフォルト騒ぎと格下げだ。
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このような状況で、南部のヒスパニック経済だけが活性化し、開発が進むということがあるだろうか?

米国債デフォルト→世界中の国債が暴落すると、まずパニック買いや銀行取付騒ぎが始まり、デフォルトから1〜2週間で預金封鎖が強行される
〜中略〜
そういう状況に追い込んでおいて、1〜3ヶ月後に世界中で一斉に新紙幣が発行される。ここで、旧紙幣は新紙幣とは交換不可とすることで、旧紙幣は完全に紙クズになる
〜中略〜
これは、新紙幣によって金融経済(国債経済)をリセットして、実物経済に再転換させ、それによって市場を延命させようとする計画だろう経済予測2 超インフレと預金封鎖で旧紙幣は紙屑に。狙いは新紙幣配給による経済のリセット [9]

 
こうなると、都市開発による値上がりどころか、不法移民も多いという南部エリアの秩序が保たれるかどうかの方が問題になる。
 
◆ランドバンキングの狙いは?〜どうなる?
金貸したちのこの目論見(世界国債暴落→新通貨発行)がもし本当だとすると、今のランドバンキング・ビジネスとは一体なんだろうか?
 
極端に言うと、彼ら金貸しは、金融経済から実物経済への転換に向けて、老い先短いドルを「国土」という現物に換えようとしているのかも知れない。中国マネーや日本マネーを利用するのは、国内では買い手のつかない荒地を本当にタダ同然で手に入れるための手続きではないだろうか。50ドルの荒地を100ドルで買い上げ、300ドルで中国人や日本人に売れば、元本と利益を確保しながらさらに土地買い増しができる・・・といったような。
 
 
だとすると、最後に問題になるのは土地の所有権なのかも知れない。なにしろ、旧紙幣が紙くずになるのだから。
 
ランドバンキングの投資家には最低でも投下分の資金返済が約束されているというが、金融リセットで紙くずになってしまったドルが戻ってきても意味が無い。むしろ、投資した土地の所有権が「開発の見込みが立った」と多少の利回り付きで買い上げられるよりも、可能ならそのまま保有し続けている方が良いのかもしれない。
 
この次に米国債のデフォルト危機が訪れるとしたら、今回引き上げた2.1兆ドルを使い切ってしまう来年の後半 [10]とも言われている。その間、I氏の投資資産がどのようなことになるのか、しばらく仲間とともに見守っていきたい。

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