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新たなバブルが始まった?(3) 70年以降バブルの崩壊構造 日本〜世界経済 パート②

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みなさん、こんにちは
アベノミクスの正体と、仕掛け人を明らかにし、いつバブルがはじけるのか?その後の影響は?といったところを追求する、今回のシリーズ「新たなバブルが始まった? [2]」。
 
前回の記事「新たなバブルが始まった? 70年以降バブルの崩壊構造 日本〜世界経済 パート① [3]」では、アベノミクスの追究に入る前談として、1970年代以降、日本〜世界で生じたバブル経済に着目し、日本の90年バブルアメリカのITバブルについて調査しました。
 
今回の記事、「新たなバブルが始まった? 70年以降バブルの崩壊構造 日本〜世界経済 パート②」では、サブプライムローン問題リーマンショックREIT証券について見ていきます


①2008年9月リーマンショックとは、米国大手銀行の破綻とそれを原因とする世界同時不況のこと。
 
アメリカ第4位の投資銀行だったリーマンブラザーズが、サブプライムローンと呼ばれる高リスクの住宅ローンで大規模な損失を計上。その処理に失敗し、2008年9月15日、連邦裁判所に連邦倒産法第11章を申請、事実上の破産となりました。別名、リーマンクライシスとも呼ばれる世界金融危機の一つです。
 
■サブプライム問題 
 
 サブプライム問題の原因は、そもそも米国で起こっていた住宅バブルとそれに乗じたサブプライムローンのデリバティブとしての性質、さらには不誠実な信用格付け及び、証券化による拡散などが挙げられます。サブプライムローンは通常のローンを組めない様な信用力の低い人達に対し、ほとんど無審査で高利のローンを組ませました。貸し手は当初から返済不能に陥ることを予想して、担保にとった住宅を転売することで債権を回収するつもりだったのです。
 しかし長らく続いた住宅バブルもFRBによる住宅金利を引き上げを受け、崩壊。一気に滞納額が増加し、それに伴い差し押さえ件数も急増しました。これを受けて住宅価格はさらに下落。サブプライム証券で被った損失を挽回できなかったヘッジファンドが次々と破綻します。投資家も、「次に倒れるのはどの銀行か?」と疑心暗鬼になり資金を引き上げ、結果金融市場の流動性が大きく低下しました。
 
■サブプライムローンの証券化と拡散 
  
 サブプライムローンの仕組みを複雑化しているもう一つの要因が証券化と拡散です。高金利と担保という前提があるにせよ、そもそもの性質から考えて相応のリスクが存在するのは明白です。そこで、そのリスクを分散させるために証券化という方法が取られました。
 証券化とは、元の貸主(銀行)から債権(返済を受ける権利)を投資家など、他人に移行させることのできる仕組みです。そして、住宅バブルを根拠として、サブプライムローンはムーディーズなどの格付け会社から高い評価を与えられ、世界中の投資家や銀行・ヘッジファンドがサブプライム証券に投資したのです。この証券化と拡散の流れがサブプライム問題を深刻化させ、2008年のリーマンショックの原因に繋がったのです。
 
■リーマンショック 
 
 サブプライムローンの焦げ付きにより、株や債券など様々な金融商品の価格が暴落。リーマンブラザーズは、メリルリンチ、バークレイズ、バンク・オブ・アメリカなど米国の金融大手との売却交渉を行いましたが、政府による公的資金の投入が見送られたため、結果的に交渉が決裂します。また、日本のメガバンクや韓国産業銀行(KDB)も買収に名乗りをあげましたが、64兆円と言われる負債総額のあまりの巨額さに買収を見送ったと言われています。
 
②日本の不動産投資信託(REIT)の崩壊、不動産証券化ビジネスの破局
 
 REIT(不動産投信)とは、たくさんの投資家から資金を集めて「不動産」を購入し、そこから生じる賃料や売却益を投資家に配当商品です。投資家には投資証券(株券に相当するもの)が発行され、「株」と同じように4桁の証券コードが割り当てられていて、東証で売買が可能です。このREITの登場により、個人では困難だった不動産投資が、比較的無理のない金額で可能になりました。2002年に登場したREIT証券は、どんどん高騰しましたが、2007年5月末を最高値として、その後わずか1年4ヶ月間で、最高値の28%となってしまったのです。 
 
③まとめ
 
 前回、今回で日本〜世界において発生したバブル経済について調査しました。1960年代は、貧困(飢餓)の圧力を前提とする絶対的な私権圧力の下、人々の「物欲」により経済成長を成し遂げていた時代と言えますが、1970年代〜1980年代は、豊かさの実現→市場の縮小による危機感から、国際金融資本家の圧力による政府のバラマキ政策→金余りという状況の中、「金儲けの刺激」によりバブル経済が引き起こされ、やがて崩壊してゆく時代と言えます。「必要だから買う」のではなく「値上がりしそうだから買う」「そろそろ値崩れを起こしそうだから売る」という、肉体的欠乏から大きく離れた、バクチをするような精神下で取引が行われ、膨張してゆくバブル経済は、中央銀行、金貸しの金融政策(金利操作等)により、簡単に暴落してしまうものなのです。
 
 
さて、今回までの2つの記事で過去に発生したバブル経済について概要をつかんだところで、いよいよ次回の記事ではアベノミクスとは何か?にせまりたいと思います 安部首相の言う3本の矢とはいかなるものなのか?乞うご期待ください

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