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金貸し支配の構造② ベネツィアの黒い貴族:サヴォイ家

<サヴォイ家の紋章> [1]

<サヴォイ家の紋章>

前回記事 [2]の分析に基づき、ベネツィアの黒い貴族とは具体的にはどのような一族なのか?を見ていく。今回は、大航海時代に、現代に至る金融制度の基礎をつくったと言われるサヴォイ家を取り上げる。

●サヴォイ家

「海の民」:フェニキア人が出自とされ、9世紀以降(カルタゴ→)サルディーニャ島で繁栄し、後にヴェネツィアで勢力拡大したイタリア元老院→イタリア王家の系譜。「黒い貴族」の異名をもつ。
>元老院が持つ免許特権により、ロンバルディア地方で、デル・バンコ(後の銀行バンクの語源)に銀行設立を認める。(世界最初の銀行:1147年)これにより第2次十字軍への資金提供を行う。
>その後徐々に拠点をスイスに移していく。

○サヴォイ→デル・バンコの勢力拡大

①宗教改革
>バチカンの(ハプスブルグ配下の)フッガー家に対する借金返済の施策である免罪符の発行への対抗策として、教会不要論や天職理論、蓄財の正当性を説くことにより、教会へのお金の流れを銀行(預金)への流れに変えることを推し進めた。(1549年)

②イエズス会設立
宗教改革と平行してイエズス会を設立(1534年)し、バチカンを内部から切り崩しに掛った。
その後大航海時代には、イエズス会は世界各国へ食指を延ばし、奴隷貿易により膨大な利益を得ていくことになり、その運用のためにバチカン銀行が造られる。
各国の軍事施設の近くには、必ずと言っていいほど教会が設けられている。そこの懺悔部屋での諜報活動がイエズス会牧師の大きな役割となっていた。

③金本位制
金を大量蓄積し、金本位制に転換し、イングランド銀行を設立(1694年)に向かった。
それまでヨーロッパはメディチ家(当時:ローマ教皇庁会計院の財務管理官)が牛耳る銀本位制であったが、アメリカ大陸から銀を大量に持ち込み→暴落させたことにより、金本位に転換したことから、デル・バンコの差し金である可能性が高い。
それ以降今日まで金の相場はこのデル・バンコが支配している。その配下にはロスチャイルドがいる。

④タックスヘイブンの構築
>サヴォイ→デル・バンコが支援していたテンプル騎士団が迫害を受け、イギリス騎士団としてイギリス方面に渡る。その際、バイキングと結託し、イギリス北西のマン島にオフショア=タックスヘイブンといわれる無記名、非課税or低課税の制度を確立し、外為で獲得した膨大な利益の目減りを防ぐシステムを構築していく。その後、スイスやロンドンでも同様のシステムが設けられていく。

⑤フリーメーソンを組織
>サヴォイ→デル・バンコは、ロンバルディア地方の石工組合:フリーメイソンを組織し、それを世界戦略の駆動部隊として機能させることで、アメリカの建国やフランス革命を演出し、自分達の意のままになる国家を作っていく。
金主の系譜のまとめ① [3]>より引用

 

サヴォイ家は、イタリア王家の系譜にある「黒い貴族」だが、金本位制、タックスヘイブンなど、近代~現代に至る金貸し支配の金融制度の基礎をつくったという点で注目される。現代の金貸しの代表格であるロスチャイルドも、サヴォイ一派のデル・バンコの支配下にあった。

宗教改革と平行してイエズス会を設立しているが、日本に初めてキリスト教をもたらしたフランシスコ・ザビエルは創立メンバーの一人である。教科書では宣教師と教えられるが、その実はサヴォイ家の軍事戦略の手先として諜報活動を担うスパイであった。

大航海時代以降、世界中から略奪をしまくる戦略の原点をつくったのが、サヴォイ家などの黒い貴族にあったと言っていいだろう。

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