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トランプ大統領のロシア疑惑、核心的な情報無く混迷続く

 

PN2017081301001077_-_-_CI0003 [1]前回の記事「トランプ大統領のロシア疑惑が急展開、モラー特別検察官(反トランプ勢力)の狙いは?」 [2]では、FBIのモラ―特別捜査官をはじめとするトランプ大統領の敵対勢力は、最初からロシア疑惑を解明することなど本気で考えておらず、本当の狙いはロシア疑惑で追求されたトランプ政権があせって隠ぺいや偽証工作をするように誘導し、罠にはめることで、ロシア疑惑はそのためのでっち上げではないかと投稿しました。前回の投稿から1か月が経過し、その後のロシア疑惑問題の状況を調べてみました。この1か月の主要な動きは次の通りです。

1月30日:米FBI副長官が辞任

1月30日:トランプ大統領、捜査巡りセッションズ司法長官を非難(仲間割れ)

2月3日:FBIの不適切捜査を示す「メモ」公表 トランプ大統領が承認

2月17日:米、ロシア人13人起訴

2月20日:ロ政府、米大統領選への関与を否定

2月24日:トランプ陣営元幹部が捜査協力

2月25日:米下院が民主党メモ公表

3月1日:司法長官はロシア疑惑捜査をトランプ氏から批判され反論

3月1日:米ホワイトハウス広報部長が辞任

 

一番大きな動きは、大統領選挙の妨害を行ったとしてロシア人13人が起訴されたことですが、ロシア政府がかかわった証拠も、トランプ大統領がかかわった証拠も全くないようです。

また、FBIの不適切捜査を示すメモの内容は、ロシア疑惑の情報源が、元英情報機関員で民主党全国委員会や同党のクリントン元国務長官の陣営から多額の資金を受け取った事実を隠していたという内容です。

これはかなり重要な内容で、トランプ大統領は司法省にFBIの捜査を監査するように指示していますが、監査が進まないのではないかと懸念しています。クリントン元国務長官の私用メール問題の監察が進展していないにもかかわらず、同じ監察官にこの問題も調べさせることになったからです。

捜査権を持っている、FBIやCIA、そして司法省の実務者が反トランプの姿勢でいる限り、たいした証拠がなくてもトランプ大統領に不利な捜査は徹底して行われ、クリントン元国務長官やFBIの不正については、全く捜査が進展しないことになります。

フロリダ乱射事件の後で、トランプ大統領がFBIはロシア疑惑に時間を使いすぎと批判した時に、こんな不幸な事件を自分の疑惑問題を有利に運ぶために利用することに大きな違和感を感じましたが、FBIが全く大統領の言う事を聞かず、トランプ大統領に不利な捜査しかしない状況であれば、こんなことを言いたくなる気持ちも少しは分かります。

トランプ大統領のツイッターは、何か異常なものを感じさせ、トランプ大統領は精神的におかしくなっていると指摘する人もいますが、マスコミも捜査機関も信用できないとなると、ツイッターで異常なほど発信するしか他に手は無いのかもしれません。これだけ巨大な勢力を相手にして、トランプ大統領はツイッターだけを武器に、良く戦っているとも言えそうです。

 

■米FBI副長官が辞任 トランプ氏が繰り返し非難2018年1月30日 [3]

FBIのアンドリュー・マケイブ副長官が29日、辞任した。ドナルド・トランプ米大統領はこれまで繰り返し、副長官が政治的に偏向していると非難を重ねていた。米CBSニュースは、FBIに対する監察総監報告の発表に先立ち、クリストファー・レイFBI長官がマケイブ氏に辞任するよう圧力をかけたと伝えている。CBSによると、レイ長官は内部書類で、FBIは最高の基準に照らして活動しなくてはならないという監察総監報告を受けて、マケイブ副長官の辞任が必要だと書いているという。

ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は29日の定例記者会見で、「これはホワイトハウスによる決定ではない」、「この決定過程に大統領は関わっていない」と述べた。

マケイブ氏の妻、ジル・マケイブ医師は2015年にバージニア州議会の上院選に民主党候補として出馬し、落選している。その選挙資金として、民主党の大統領候補だったヒラリー・クリントン氏に近い政治資金団体から50万ドル(約5500万円)近い寄付金を受け取っていた。トランプ氏はこれについて、マケイブ副長官を繰り返し非難し、ツイッターでも副長官を「コーミーの仲間」と攻撃した。

FBIのピーター・ストローク捜査員が同僚のリーサ・ペイジ捜査員に、FBIの首席補佐官は「『見られ方』の問題があるから、アンディ(マケイブ氏)は捜査から身を引くべきだと、100%確信している」と書いている。マケイブ氏は結局、同年11月8日の大統領選の1週間前に、クリントン氏関連の捜査から身を引いた。

■トランプ大統領、ロシア疑惑捜査巡る司法省の役割に憤慨-専用機内で 2018年1月30日 [4]

トランプ氏が憤慨したのは、下院共和党スタッフが記した機密文書の公表は「非常に無謀だ」とスティーブン・ボイド司法次官補が書簡で警告したのを知ったためだ。同文書は、連邦捜査局(FBI)と司法省でのロシア捜査関連の不手際を巡る疑惑について説明しているとされる。

トランプ大統領にとってこの書簡は、モラー特別検察官による捜査の政治的動機を暴こうとする共和党の取り組みを司法省が妨害し自身の立場を弱めようとする新たな事例に映る。大統領とホワイトハウス高官はセッションズ司法長官を個人的に非難した。

■FBIが反論声明、政権と対立激化 ロシア疑惑捜査への非難文書検討で2018年2月1日 [5]

米連邦捜査局(FBI)は1月31日、ロシアによる大統領選干渉疑惑の捜査に問題点があると非難した文書の公開をトランプ政権が検討していることについて、文書は正確性に問題があるとして「深刻な懸念」を表明する声明を出し、文書を公開しないよう求めた。文書を巡り、FBIと政権の対立が激化する異例の事態となっている。

FBIと司法省が大統領選でトランプ陣営幹部を務めたカーター・ペイジ氏の通信傍受を行った際、外国情報監視法を乱用したなどと問題点を4ページにわたり指摘している。司法省が下院情報特別委員会に提供した機密情報の一部を引用しており、トランプ氏に近いニューネス委員長(共和党)の主導で作成された。

■FBIの不適切捜査を示す「メモ」公表 トランプ大統領が承認2018年2月3日 [6]

トランプ米大統領は2日、ロシアの米大統領選干渉疑惑で連邦捜査局(FBI)が捜査令状を不適切に取得した疑いを示すメモの公表を議会に対して承認し、議会側は同日、公表した。

メモは、FBIが2016年大統領選のトランプ陣営幹部だったカーター・ページ氏の通信傍受を実施するための令状を16年10月に取得し、更新した手続きについて、「正当性や適法性に懸念がある」とした。

具体的には、令状を取得するため裁判所に示した情報の提供者で元英情報機関員のクリストファー・スティール氏が、民主党全国委員会や同党のクリントン元国務長官の陣営から多額の資金を受け取った事実を隠していたと指摘した。また、スティール氏に文書の作成を依頼したワシントンの調査会社「フュージョンGPS」で、司法省幹部の妻が働いていたが、この事実も裁判所には示されなかったという。

■米、ロシア人13人起訴 大統領選でトランプ氏支援2018年2月17日 [7]

モラー特別検察官は16日、ロシアの個人13人と企業3社を連邦大陪審が起訴したと発表した。トランプ大統領を支援し、ヒラリー・クリントン元国務長官に不利な情報を流すなどの選挙工作を実施したという。ロシア関係者の起訴は初めてだが、焦点となっているトランプ陣営との共謀については起訴状では触れていない。

起訴状によると、ロシア・サンクトペテルブルクの企業インターネット・リサーチ・エージェンシーは「米政治システムに不和の種をまく戦略的目標」を掲げ、14年ごろから米大統領選への介入を開始。数百人を雇用し、米国人を装ってソーシャルメディアで複数の候補者を攻撃したほか、米国で政治集会を開いた。同社は16年半ばにはトランプ氏を支持し、クリントン氏の名誉を傷つける情報などを流した。事情を知らないトランプ陣営関係者とも連絡をとっていたとしている。

ホワイトハウスは16日の声明で、起訴について「トランプ陣営とロシアとの共謀はなく、選挙結果への影響もなかったことを示唆している」と強調。トランプ氏は「おかしな党派的攻撃を中止するときだ」と述べた。

■ロシア疑惑に「時間使いすぎ」 トランプ大統領、フロリダ乱射事件に乗じてFBI批判2018年2月18日 [8]

フロリダ州の乱射事件をめぐっては、元生徒のニコラス・クルーズ容疑者(19)の殺人願望や学校襲撃の可能性があるとする知人からの通報が1月時点でFBIに対して寄せられていたが、追跡捜査は行われなかった。適切に対応していれば事件は防げた可能性もあり、FBIのレイ長官は2月16日、不手際を求めて陳謝する声明を出した。

トランプ大統領は、「フロリダの学校襲撃事件の犯人が出していたシグナルを全てFBIが見逃していたというのは非常に悲しいことだ。これは受け入れられない」とFBIを非難。直後に「ロシアとトランプ陣営の癒着を証明しようとして時間を使いすぎだ。癒着はない。基本に立ち返って皆の誇りを取り戻すべきだ」と続けた。

■ロ政府、米大統領選への関与を否定 米でロシア人起訴受け2018年2月20日 [9]

ロシア政府は19日、米大陪審が米大統領選への干渉疑惑でロシア人・団体を起訴したことを受け、ロシア政府の関与があったことを示す証拠は皆無と言明した。

起訴された13人の中には、ロシア軍や政府機関に顔が広いとされ、「プーチンの料理人」と呼ばれる事業家エフゲニー・プリゴジン氏が含まれる。起訴状によると、2016年米大統領選ではプリゴジン氏が資金を投じ、トランプ氏を支持し、対抗馬のクリントン候補の評価を落とすようなプロガンダ活動を展開していた疑いがある。

ペスコフ広報官は記者団に対し、米大陪審による起訴は個人に対するもので、ロシア政府や政府機関の関与があった具体的な証拠は提示していないと言明。「ロシアは他国の内政に干渉したことはなく、干渉する慣習もない。現在もそのようなことはしていない」と強調した。

■トランプ陣営元幹部が捜査協力 ロシア疑惑で一転、司法取引02月24日 [10]

トランプ米政権のロシア疑惑で、大統領選のトランプ陣営元幹部リチャード・ゲーツ被告は23日、首都ワシントンの連邦地裁に出廷し、連邦捜査局への偽証など二つの罪を認めた。モラー特別検察官の捜査チームから罪を認めれば刑を軽くする司法取引を持ち掛けられ、捜査に協力する意向を示したとみられる。米メディアが伝えた。

疑惑を巡ってはフリン前大統領補佐官や陣営幹部のパパドプロス元外交顧問が罪を認めて捜査協力しているとされ、トランプ氏の関係者が次々とモラー氏に“陥落”。全面否認していたゲーツ被告が捜査協力に転じたことで、疑惑解明の進展が見込まれる。

■米下院が民主党メモ公表 トランプ大統領は「法的に破綻」と批判2018年2月25日 [11]

ロシアの米大統領選干渉疑惑を調査している米下院情報特別委員会は24日、連邦捜査局(FBI)の捜査が適切になされたとする野党・民主党の「メモ」について、機密扱いの一部を黒塗りにした上で公表した。共和党側はFBIが民主党に政治的に偏向する形で捜査を始めたとするメモをすでに発表しており、それに反論する内容だ。民主党が作成したメモの公表は同委員会の全会一致で決まったが、トランプ大統領は9日、安全保障上の「重大な懸念」のある機密情報が含まれているとして公表を一時拒否した。

ホワイトハウスは声明で、透明性確保の観点からトランプ氏が民主党メモの公表を承認したが、同メモは「政治的に作られた文書」であり、特定の候補と関係する人物の情報を基に令状を請求したことの問題に答えていないと指摘した。また、トランプ陣営とロシアの間に大統領選干渉に関する「共謀」はなかったと重ねて主張した。

■司法長官は珍しく反論「誇り持って職務」 ロシア疑惑、トランプ氏から批判され2018年3月1日 [12]

ロシアの米大統領選干渉疑惑で連邦捜査局(FBI)がトランプ陣営の元幹部に対する通信傍受令状を不適切に取得したと与党・共和党が主張している問題で、セッションズ司法長官は司法省のホロビッツ監察官に調査させることを決め、トランプ大統領は28日、この決定を「恥ずべきことだ」と批判した。

トランプ氏はホロビッツ氏が民主党のオバマ前政権下で指名されたため、公平な調査結果が出ないとみているようだ。監察官は大統領選の民主党候補だったクリントン元国務長官の私用メール問題の捜査が適切になされたかも調査しており、結論が出ていないことにいらだっているとみられる。

セッションズ氏はこれまで公の場でトランプ氏にほとんど反論してこなかったが、28日、監察官に調査させるという自らの決定は適切だったとし、「司法長官である限りは、誠実に、誇りを持って職務を果たし続ける」と強調した。

■米ホワイトハウス広報部長が辞任へ ホワイトハウス以外の仕事を希望しているという。2018年3月1日 [13]

米ホワイトハウスは2月28日、ホープ・ヒックス広報部長(29)が近く辞任すると発表した。ヒックス氏は大統領選時から約3年にわたり、トランプ大統領を支えてきた。辞任理由の詳細は明らかでないが、ホワイトハウス以外の仕事を希望しているという。

ヒックス氏は元モデルで、トランプ氏の長女イバンカ氏と知り合いだった。政治経験は無かったが、2016年から大統領選でトランプ氏陣営に加わり、広報を担当。トランプ政権発足時からホワイトハウスに入った。同政権では広報部長の交代が続き、ヒックス氏は4人目として昨夏就任した。

同氏は前日の27日、ロシア疑惑を調査する下院特別情報委員会で約8時間の聞き取り調査を受けた。米メディアによると、時々、トランプ氏のために、たわいないウソを言ったが、ロシア疑惑に関するウソは言ったことが無いなどと証言したという。

トランプ氏は声明で「ホープは極めて優秀で、3年間、素晴らしい仕事をやってくれた。私の側にいて欲しいが、彼女が別の機会を求めていると聞き、十分に承知した」と語った。

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