トランプ大統領のロシア疑惑が急展開、モラー特別検察官(反トランプ勢力)の狙いは?
トランプ大統領のロシア疑惑を巡って、マスコミに様々な情報が飛び交っています。疑惑を追及しているモラ―特別捜査官が、次々と大物への事情徴収を進めているのです。名前が挙がっているのは、バノン前首席戦略官兼上級顧問、コミー前FBI長官、セッションズ司法長官、CIA(中央情報局)のポンペオ長官、そして、ついにトランプ大統領本人にも事情徴収を行うようです。モラー特別検察官の狙いは何でしょうか。
ロシア疑惑の核心は、米大統領選挙でロシアとトランプ陣営との間で“共謀”があった、事ですが、捜査は全くそこには及んでいないようです。では、何をやろうとしているのでしょうか。
ここで、キーマンになっているのがフリン前大統領補佐官です。彼は、トランプ氏が大統領に就任する前に駐米ロシア大使と接触しました。接触した時期は大統領選挙後で、話の内容も選挙協力とは関係なく、退任直前のオバマ大統領がロシアに経済制裁を加えても過剰に反応しないように要請しただけでした。
これだけでしたら、罪にはならないのですが、ロシア疑惑が起こっている中でロシア大使に接触していたことが、ばれるとまずいと思い、フリン前大統領補佐官はFBIにロシア大使とは接触していないと、嘘をついてしまいます。そして、FBIに嘘をついたのはトランプ大統領にそうするよう指示されたからだと証言させようとしているのです。
フリン補佐官は、本来、偽証罪で5年の懲役になるところ6カ月で済ましてもらったそうですから、司法取引でここまでしてもらえば、トランプ大統領に指示されましたと言ってしまう可能性は高そうです。
そして、フリン補佐官の罪を追求しようとしていたのがコミー前FBI長官で、トランプ大統領がコミー前長官を解任したのは、フリン補佐官への捜査を妨害するためえ司法妨害に当たると言うのが、第二の容疑です。
良く考えてみると、疑惑のおおもとになったロシアの選挙協力などは全く関係が無くなっています。うがった見方をすればロシア疑惑を捏造して騒ぎ立てることで、トランプ政権が焦って本来罪に問われる必要が無いロシア大使との接触を隠蔽させ、その隠ぺい行為を違法行為として暴くと言う、罠にはめたとも見えます。最初からロシア疑惑など存在せず、トランプ大統領の敵対勢力もロシア疑惑を解明することなど、ロシア疑惑で騒ぎ始めた最初から考えていなかったのではないでしょうか。
■フリン前大統領補佐官「トランプ大統領からロシア接触指示」証言意向2017年12月2日
トランプ米大統領とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑で米連邦捜査局(FBI)に虚偽の供述をしたとして訴追されたフリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は1日、虚偽供述を認めた。ABCニュースはこの件に関し、フリン氏はトランプ氏自身が大統領に就任する前にロシア側と接触するよう指示したと証言する意向を持っていると報じた。
ABCニュースの報道の通りにフリン氏がトランプ氏の指示に従ってロシア側と接触したと証言した場合、それ自体は必ずしも罪にはならない公算が大きいが、トランプ氏がフリン氏にFBIに虚偽の供述を行うように指示したと証明されれば罪となる可能性がある。ただ法曹関係者の間では現役の大統領を起訴できるかどうか意見が分かれており、罪に問われた大統領に対する措置は議会による弾劾以外にないとの見方が大勢となっている。
■”全部ウソでした”〜急展開のロシア疑惑、トランプ弾劾はあるか?カギは司法妨害の立証2017年12月5日
ロシア疑惑とは昨年の米大統領選挙でロシアとトランプ陣営との間で“共謀”があったのではないか、との嫌疑のことですが、今回のフリン氏の司法取引はこの意味でのロシア疑惑とは直接的な関係はありません。
フリン氏がトランプ氏の指示によってロシアと接触したとしても、それだけで弾劾に持ち込むことは難しいと考えられています。そうではなく、トランプ氏がフリン氏に“虚偽の供述をするように指示”した場合、“司法妨害”として弾劾手続きに入る可能性が高まります。
司法妨害の立証の流れで注目されるのは、モラー特別検察官が司法取引を持ちかけたことです。司法取引を行うことが、司法妨害の立証の“本気度”を表しているとも受け取れるからです。FBIへの偽証罪は、通常であれば最高5年の禁錮刑が求刑されますが、フリン氏への求刑は6カ月以下となっています。
モラー特別検察官の捜査結論を受けて、弾劾手続きを始めるかどうかの判断は議会に委ねられます。弾劾の手続きはまず下院で始まり、下院で決議案が可決されると上院が弾劾裁判を開くことになり、罷免するかどうかが判断されます。捜査結果が弾劾に値するのかどうかがポイントになります。
■前FBI長官からも聴取=ロシア疑惑で特別検察官2018年1月24日
モラー特別検察官のチームが昨年、コミー前連邦捜査局(FBI)長官から事情聴取したと報じた。司法妨害の可能性があるトランプ大統領によるコミー氏解任(昨年5月)について解明する目的とみられる。
コミー氏は在任中、トランプ氏とのやりとりをメモに残し、同氏から「忠誠心が必要だ」と側近への捜査を見送るよう圧力を受けていたと議会で証言している。事情聴取は一連のメモに焦点を当てて進められた。
同紙はこれに先立ち、モラー氏のチームが先週、セッションズ司法長官からも数時間にわたって事情聴取したと伝えた。ロシア疑惑をめぐって現職閣僚の事情聴取が明らかになったのは初めて。
■特別検察官がセッションズ司法長官から聴取2018年1月24日
モラー特別検察官のチームが先週、セッションズ司法長官から数時間にわたって聴取を行ったと伝えた。司法省は産経新聞に対し、この事実を確認した。
セッションズ氏は上院議員として2016年の大統領選でトランプ氏の陣営幹部だった際に、駐米ロシア大使と複数回、接触していたことが問題視され、昨年3月から捜査への関与を辞退している。また、昨年5月のコミー前連邦捜査局(FBI)長官の解任にも関わっていた。
モラー氏側は、ロシア政府からのトランプ陣営や政権移行チームへの働きかけに加え、コミー氏解任がロシア疑惑の捜査を止めるための「司法妨害」に当たるかどうかなどに関心を持っているもようだ。
■ポンペオ長官の事情聴取~トランプ大統領への影響はいかほどか?2018年1年25日
モラー特別検察官のチームが、CIA(中央情報局)のポンペオ長官を聴取したとアメリカのNBCテレビが伝えた。ポンペオ長官はロシア疑惑を捜査していたFBI(連邦捜査局)のコミー前長官に対して捜査中止の圧力を掛けるようトランプ大統領から要請された疑いが持たれている。
高嶋)これは具体的に考えて、登山に例えると何合目まで来ているのですかね?
山本)山の“頂上”が弾劾というところまでであれば、まだ5合目まで届いていないと私は思いますね。もちろん網はだいぶ絞られてきているのですが、じゃあ先の大統領選でロシアの関与について大統領がどう直接関わったのかというようなところまで最終的には立証しなければいけない、これが捜査のそもそもの目的ですよね。
今話に出ているのはその政権の運営の途中にこの問題をめぐって誰かに圧力を掛けたとか「止めろ」と言ったとか「報告をしなかっただろう」とか、そういった周辺の状況をめぐって話が飛んでいるわけですが、大統領の犯罪を立証するというのはそう簡単なことでは無いですね。
普通であればその山がどれほど高かろうがそこに行くまでに落石がこんなに来てしまったのでは政権が持たないということになって、ニクソン政権のように途中で降りるようなことになるわけですけど、問題はトランプさんの面の皮の厚さですね。
これだけ政権がボロボロになって来たともしアメリカの選挙民が考えるのであれば、当然この11月に予定されている中間選挙に響いて来るだろうと思うわけですが、問題はトランプ支持層というのがニュースを全く観ていないか信じていない人々なので、今ワシントンで何が起きているのかというのは「そんなの関係無え!」ということになるわけですね。だからそういう人たちがましてや地元の選挙区でどういう投票動向を取るのかというのはワシントン周辺の動きとは全く関係無く起きる可能性もある。
■バノン氏、月内に聴取か トランプ氏の司法妨害疑惑2018年1月25日
米CNNテレビは24日、モラー特別検察官が、トランプ大統領の元側近で首席戦略官を務めたバノン氏を月内に聴取する方針だと報じた。連邦捜査局(FBI)長官として疑惑を捜査していたコミー氏の解任や、駐米ロシア大使と接触していたフリン前大統領補佐官が事実上更迭された経緯を調べる意向だという。
米メディアによると、コミー氏は昨年、事情を聴かれた。コミー氏解任の経緯に詳しいセッションズ司法長官も先週、聴取を受けた。
■特別検察官の聴取「楽しみにしている」=トランプ米大統領2018年1月25日
ドナルド・トランプ米大統領は24日、2016年の大統領選へのロシア介入疑惑を捜査するロバート・ムラー特別検察官のチームから事情聴取を受けるのを「楽しみにしている」と述べた。トランプ大統領は、自分の弁護士たちの承諾を条件としつつ、事情聴取が今後2、3週間のうちに行われるとの見通しを示し、「可能な限り早くできればすごくいい」と語った。
米国の各情報機関はすでに、ロシアがトランプ氏を大統領選で勝利させようと介入したと結論付けているが、ロシアは否定している。ムラー氏はトランプ氏がコーミー氏を解任したことが司法妨害に当たる可能性について捜査しているとみられている。
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