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反グローバリズムの潮流(カタルーニャは自治を回復、スペイン首相も交代したが親EU反独立派)

_101536203_mediaitem101536202 [1]前回はスペインのカタルーニャ独立問題で、独立派のプチデモン氏がドイツで逮捕され、EU派の巻き返しが行われていることをお伝えしました。「反グローバリズムの潮流(カタルーニャ独立に暗雲、プチデモン前首相拘束。グローバリズム派は強硬路線に転換。)」 [2]

その後、カタルーニャ独立問題はどう動いたのか調べました。 

プチデモン氏が逮捕されてから2週間後4月5日には、ドイツの地方裁判所で保釈が決定されました。そして、プチデモン氏はスペインの圧力で州首相立候補は断念しましたが、候補者としてキム・トラ氏を推薦、5月15日には1票差の僅差でトラ氏が首相に選出され、6月2日には正式に政権が発足し、州自治は回復されました。

そして、カタルーニャで自治が回復した1日前の6月1日に、スペイン国会はラホイ首相に対する不信任案を可決、最大野党の社会労働党サンチェス書記長が首相となりました。この政権交代を、カタルーニャ独立派も支援したことから、スペインも反EUに舵を切ったのかと期待しましたが、スペインの新政権は、親EU・反独立派でした。

プチデモン氏の保釈が認められ、カタルーニャの自治が回復したことから、反EU派がかなり攻勢を強めたことは間違いないものの、親EU派も対抗を強め前政権のラホイ政権が汚職で危ない状況を見て、親EU派が崩れないようにさっさと首を挿げ替えた様です。

EUではイギリスの離脱に加え、イタリア、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキアも反EU勢力が強くなってきていますが、それだけに親EU派も強く巻き返しを図っています。反EU派も、大きくバランスを崩すところまでは行っていないようです。

 

■独裁判所、カタルーニャ州前首相の保釈認める-スペイン送還は拒否2018年4月6日 [3]

ドイツの地方裁判所は5日、同国で拘束されているスペイン・カタルーニャ自治州のプチデモン前首相の保釈を認める決定を下した。カタルーニャ州の独立運動を巡りスペインが求めている反逆容疑での本国送還は認めなかった。

■プチデモン氏、カタルーニャ州首相候補への指名を拒否 後継者を指名2018年5月11日 [4]

プチデモン前首相は9日、中央政府からの圧力を受け、同州の次期首相候補として自身が指名されることを拒否した。後継者としてキム・トラ氏(55)を指名し独立国家の建設を託した。トラ氏は数か月前に政界に入ったばかりだが、この10年ほど同州の分離独立に向けて精力的に活動してきた。分離独立派は昨年12月の州議会選で勝利したが、今月22日までに次期州首相を選出できなければ州議会選をやり直す必要がある。

スペイン中央政府は9日、プチデモン氏のカタルーニャ州首相候補指名に介入してこれを阻止。分離独立派に別の候補者を選ぶよう圧力をかけていた。

■スペイン・カタルーニャ州、独立派の新首相を選出2018年05月15日 [5]

スペイン北東部カタルーニャ自治州議会は14日、独立派のキム・トラ議員(55)を66対65の僅差で州首相に選出した。トラ氏は14日の議会演説で、「プッチダモン氏こそが我々の首相だ」と発言。「10月の住民投票で与えられた信任を果たす」と述べ、新政権は「共和国の形を取った独立州を建てる」と話した。

一方、独立反対派正当シウダダノスのイネス・アリマダス氏はトラ氏を「プッチダモン氏のかいらい」にすぎないとしている。

プッチダモン氏は10日、自主亡命先のベルギーからビデオでトラ氏を新たな首相候補に推薦した。トラ氏は国際的な保険会社の役員を務めた後、独立派の市民団体「オムニウム・クルトゥラル」に参加し政界入りした。また、カタルーニャの文学やジャーナリズムに特化した出版社を経営している。

■カタルーニャ州新知事は「スペイン人排斥主義者」!? 長引きそうなカタルーニャ問題2018年05月18日 [6]

5月14日にカタルーニャ州の新州知事にキム・トッラが選任され、17日、州知事に就任した。就任式には慣例になっているスペイン国旗は存在せず、スペイン政府からの代表も不在。また、州知事としての宣誓にはいつも慣例となっている「スペイン憲法そしてスペイン国王に誓って任務も遂行する」という言及もなかった。

キム・トッラは州知事に選任されるための議会での先日の演説では、カタルーニャ共和国を建国することを誓い、カタルーニャ大使館の復活、そしてカタルーニャ最高裁、カタルーニャ税務局などを設け、またスペイン最高裁によって違法とされて廃棄された16ある条項を復活させると述べた。この16の条項は、全て最高裁が憲法違反だという判決を下したもので、当初はプッチェモン政権は敢えて実行しようとしたものだ。

もちろん、キム・トッラには狙いがある。その狙いとは、スペイン政府が彼らを違憲だとして解任させれば、ヨーロッパでスペイン政府がまた州政府に干渉して民主政治を妨害したと喧伝するつもりなのである。そしてカタルーニャの独立を支持する動きがヨーロッパで高まることを企んでいるのである。

キム・トッラは議会で州知事になることが承認された日の翌日15日にはベルリンに飛んでプッチェモンを訪問している。プッチェモンから今後やるべきことの指示を受ける為である。プッチェモンが内心計画していると言われているのは、キム・トッラの政権を今年11月まで持たせてた後、州議会選挙に打って出ることである。

■スペイン最大野党、首相の不信任決議案-シウダダノスは総選挙求める2018年5月28日 [7]

スペイン最大野党の社会労働党は25日、ラホイ首相に対する不信任決議案を提出した。別の党、シウダダノスも首相が解散・総選挙を実施しなければ、同様の措置に踏み切る姿勢を示した。裁判所が与党・国民党の元財務担当者に汚職で約33年の禁錮刑を言い渡したほか、恩恵を受けたとして同党に罰金支払いを命じたことで、政権のアキレス腱(けん)が露呈した。

最近の世論調査では国民の政党支持が割れている状況が浮き彫りになっている。カタルーニャ自治州の独立に強硬反対することで支持が急増したシウダダノスを除けば、選挙実施はどの政党にとってもマイナス。ウェブサイトのエレクトマニアによると、実施された場合、下院(350議席)での国民党の議席は85前後と現在の134から減少、社会労働党は83に減らして第3党に転落する見込み。シウダダノスは3倍弱に増えて93議席になると予想されている。

■スペイン首相退陣、政権交代=議会で不信任、世界経済に動揺も2018年06月01日 [8]

スペイン議会は1日、ラホイ首相に対する不信任案を可決し、決議案に従い最大野党・社会労働党のサンチェス書記長が首相となり、政権交代が実現した。不信任案を提出した社会労働党は、急進左派政党ポデモスに加え、バスクやカタルーニャの小党の協力を取り付けた。可決に必要な下院(定数350)の過半数を上回る180票の賛成で不信任案は可決された。

スペインでは5月24日、与党国民党の幹部ら29人に汚職事件の有罪判決が下った。ラホイ首相は連座を免れたが、世論の反発は強く、社会労働党は翌25日、不信任案を提出していた。

■カタルーニャ新政権発足=自治回復、中央に対話要求-スペイン2018年06月02日 [9]

カタルーニャ自治州政府の新閣僚は2日、州都バルセロナで就任宣誓を行った。トラ州首相率いる政権が正式に発足し、独立をめぐり中央政府が停止した自治権が州政府に返還された。

トラ州首相は2日、同じくこの日就任宣誓した中央政府のサンチェス新首相に対し「同じテーブルに着いて交渉しなければならない。今の状況を1日でも続けることはできない」と独立問題の早期解決を訴えた。ラホイ前首相の不信任投票では、カタルーニャの党も協力した。トラ氏はサンチェス氏から譲歩を引き出したい。サンチェス氏は独立には批判的だが、州政府との間に「橋を架ける」と約束している。

■スペイン新内閣、女性閣僚が男性上回る17人中11人 2018年06月7日 [10]

スペイン社会労働党(PSOE)のペドロ・サンチェス新首相は6日、内閣名簿を発表した。17人中11人が女性で、女性閣僚の割合としては欧州で最多となった。フェミニストを自称するサンチェス首相の人選は、先に不信任決議を受けて辞任したマリアノ・ラホイ前首相の男性ばかりの内閣とは対照的だ。女性閣僚は、国防相、経済相、財務相、教育相といった要職に就いている。

■スペイン・サンチェス内閣発足 親EU色前面に 2018年6月7日 [11]

2日に就任したスペインのサンチェス新首相は6日、閣僚名簿を発表した。重要ポストに欧州委員会や欧州議会の幹部経験者を充て、親欧州連合(EU)や財政規律重視の姿勢を前面に打ち出した。ただ過去に例をみない少数与党で、政権運営は不安定になりそうだ。行き詰まって総選挙になる可能性も残る。

■スペイン、難民受け入れで存在感=新首相が欧州歴訪へ2018年06月24日 [12]

スペインのサンチェス首相は23日、パリを訪問し、マクロン仏大統領と会談した。今後ベルギーやドイツ、ポルトガルを訪問する予定。難民問題をめぐってフランスとイタリアが一時対立するなど欧州が混乱する中、難民約630人を乗せた救助船を受け入れたスペインが存在感を増している。サンチェス氏は、ラホイ前政権下で廃止した不法移民への無料医療サービスも復活させる方針。モロッコの海外領土で不法移民対策として設置された有刺鉄線の撤去も表明している。

ただ、国内での政権運営は容易ではない。与党社会労働党が下院で占める議席は3割以下にとどまり、急進左派政党ポデモスや地域政党などとの連携が不可欠だ。カタルーニャ独立問題もくすぶり続ける中、サンチェス氏は難しいかじ取りを迫られている。

■米国スミソニアン・フォークライフ・フェスティバル祝賀会でトーラ州首相が突然退席 理由は「政治犯無し」の発言2018年6月29日 [13]

このフェスティバルにカタルーニャ州のキム・トーラ新州首相も招待されていたが、在米スペイン大使ペドロ・モレネス氏の挨拶の中で「スペインには政治犯はいない」との発言を受け、州首相はその場を退席した。これを受け、予定されていたスミソニアン・フォークライフ・フェスティバル開会の式次第から同州首相と大使の開会の挨拶が削除された。

また、トーラ州首相は来月予定されているペドロ・サンチェス新首相との会談で「(合法的な)許可された(カタルーニャ州の分離独立を問う)住民投票を提案する予定だ。 もしそのようなことが議題に上がらなければ、首相官邸での会談はあまり意味を持たないだろう。」と発言。

■ペドロ・サンチェス新首相がカタルーニャ州の民族自決権による分離独立を問う住民投票実施を拒否2018年6月29日 [14]

ペドロ・サンチェス新首相は28日、キム・トーラ新州首相が示したようなカタルーニャ州政府との合意の元、分離独立を問う住民投票を行うことはないと発言した。スミソニアン・フォークライフ・フェスティバルの祝賀会で在米スペイン大使ペドロ・モレネスが発言した「スペインに政治犯は存在しない」との発言に関して意見を求められた首相は、大使の発言の内容は伝えられていないが、トーラ州首相との意見とは反対意見を持っており、スペインに政治犯は存在しないと語った。

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