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トランプ大統領のロシア疑惑:モラー特別検察官は中間選挙の結果待ち?

 

20180831-00000005-wordleaf-0e991e00f9b541a8458fcc7f15e815e56 [1]2017年5月17日にモラー氏が特別検察官に就任し捜査を始めてから1年4カ月がたちました。マスコミ報道も以前のような盛り上がりは見られなくなりましたが、捜査は相変わらず続いています。前回投稿したトランプ大統領のロシア疑惑、捜査終結せず、いらだつトランプ大統領。 [2]以降、改めて、現状はどうなっているのか、いつ頃には終結するのか、調べてみました。

まず、現状ですが、トランプ陣営の選対本部長を一時務めたマナフォート氏と、トランプ大統領の個人弁護士だったコーエン氏という、トランプ米大統領の側近2人が「有罪」となり、司法取引に応じたことから、トランプ大統領が窮地に追い込まれていると言う報道もあります。

一方で、これらの有罪の内容は、ロシア疑惑とは全く関係が無く、トランプ大統領の弾劾が実現する可能性が、非常に低い事は変わらないようです。モラー検察官はあきらめずに捜査を続けているようですが、11月6日に予定されている中間選挙直前に結論を出すと、選挙への影響が大きくなるため、そろそろ結論を出さざるを得ない時期になってきたようです。

側近二人が有罪判決を受けたトランプ大統領も、ただ叩かれているだけではなく、司法省やFBIの捜査情報公開を求め、不公正な捜査が行われていることを証明しようとするなど地味ながらも戦いは続けています。

客観的な情勢としてはトランプ大統領有利と思われ、共和党が優位な今の議会の状況では、トランプ大統領に対する弾劾は実現する可能性が低いため、モラー特別補佐官もこのままでは勝てないと踏んでいるでしょう。彼が勝てる唯一の可能性は中間選挙で民主党が勝つことです。モラー補佐官は中間選挙の結果が出て、トランプ大統領に勝てる可能性が見えてから、結論を出そうとしているのかもしれません。

 

■トランプ氏を非難したFBI捜査官免職 ロシア疑惑を担当 弁護人は「政治的圧力」と主張2018年8月14日 [3]

米連邦捜査局(FBI)のベテラン捜査官ピーター・ストラック氏が大統領選候補だったトランプ大統領を「ばか」「忌まわしい人物」と呼び、「(大統領就任を)止める」とするメールをやり取りした問題で、FBIは13日までにストラック氏を免職した。

ストラック氏は10日に免職になったが、FBIが「政治的圧力」に屈したと主張した。ストラック氏は7月の議会証言で自らの行動に関して、政治的な偏向を否定していた。

■判事「脅迫されている」 米地裁、陪審員も身の安全懸念 有罪ならトランプ氏に打撃2018年8月18日 [4]

米政権のロシア疑惑に絡み詐欺罪などに問われたトランプ陣営元選対本部長、マナフォート被告(69)の陪審審理を担当するエリス判事は17日、裁判に関して脅迫されており、治安当局の保護を受けていると明らかにした。エリス判事は陪審員の身の安全にも懸念があるとして、米主要メディアが合同で申請していた裁判終了後の陪審員の身元照会や議事録公開には応じられないと述べた。

■司法省職員から機密アクセス権限を剥奪 トランプ氏「速やかに」 ロシア疑惑関連文書に関与2018年8月18日 [5]

トランプ米大統領は司法省職員のブルース・オー氏が機密情報にアクセスする権限を「速やかに剥奪する」と述べた。オー氏は、2016年大統領選期間中にクリントン元国務長官の陣営の依頼で作成され、トランプ氏とロシアの関係を記載した「スティール文書」の作成者と接触していた。オー氏が文書を作成した元英情報機関員、クリストファー・スティール氏に接触し、同氏に調査を委託した調査会社「フュージョンGPS」でオー氏の妻が働いていたことが明らかになっている。

■トランプ米大統領、ロシア疑惑捜査に「隠すことは何もない」2018年8月20日 [6]

マクガーン氏の弁護士は18日午後、同氏がモラー氏率いる捜査チームに「誠実に」協力しているとした上で、トランプ大統領がマクガーン氏に何らかの事情について話すのを控えるよう求めたことはないと説明した。

トランプ氏の顧問弁護士であるルディ・ジュリアーニ氏は、マクガーン氏の捜査協力について、間違ったことは何もしていないというトランプ氏の主張を補強するものだと指摘。NBCの番組で「大統領は彼に証言するよう促していた。実際にそうしたことは喜ばしい事であり、大統領に不利になるような内容は何もないことは確実だ」と語った。

■窮地のトランプ大統領? ロシア疑惑とその後の醜悪な世界2018年8月31日 [7]

2016年大統領選挙でトランプ陣営の選対本部長を一時務めたマナフォート氏と、トランプ大統領の個人弁護士だったコーエン氏という2人の「有罪」はアメリカでは連日かなりの時間を割いて報じられた。大統領の側近という重要な職責の人物が罪を犯したことは確かに大きい。

ただ今のところ、米国民世論は共和党支持者と民主党支持者でロシア疑惑を見る見方は大きく割れている。疑惑捜査そのものは「魔女狩り」であり、それを伝えるのは「フェイクニュース」というトランプ大統領のいつもの指摘を支持者は信じているようだ。

マナフォート氏の罪は自分自身の脱税や銀行詐欺。すでに有罪が確定している、元安全保障担当補佐官のフリン氏の場合はも同氏の偽証である。「大統領候補の指示で不倫の関係者に口止め料を渡した」というコーエン氏の証言が正しいとしても、大統領の選挙資金法違反が問えるかどうかも微妙である。そもそも弾劾というのは大統領が重大な罪過を犯した場合であるため、これだけではトランプ大統領の弾劾に相当するような犯罪とは現状ではどう考えても言えない。

11月6日の中間選挙への影響をなるべく避けるため、直前には捜査に一定の区切りをつけるとみられているため、モラー特別検察官にとってはタイムリミットが迫ってきた。

今回の中間選挙で民主党が下院の多数派を奪還し、弾劾の訴追をしても、上院では出席議員の3分の2以上の賛成で弾劾を決定となるため、現状では弾劾は極めて難しい。

■トランプ大統領、司法妨害の聴取拒否の方針 弁護団のジュリアーニ氏明言2018年9月7日 [8]

トランプ米大統領の弁護士ジュリアーニ元ニューヨーク市長は6日、ロシア疑惑の捜査をやめさせるために司法妨害したかどうかに関し、トランプ氏は書面でも対面でもモラー特別検察官の事情聴取に応じない方針だとAP通信に明らかにした。モラー氏は司法妨害の可能性を調べるため、トランプ氏が連邦捜査局(FBI)のコミー前長官を解任したことなどを巡り聴取を望んでいた。

一方、大統領選でトランプ陣営がロシアと共謀したかどうかに関しては、モラー氏はトランプ氏への事情聴取を書面形式で実施することを提示。トランプ氏の弁護団も同意しているが、一度回答すれば追加質問は受け付けない姿勢を示している。

■マナフォート被告、一転して捜査協力 トランプ選対元幹部、司法取引で有罪認める2018年9月15日 [9]

トランプ陣営の元選対本部長マナフォート被告は司法取引に応じ、ワシントンの連邦地裁で14日、司法妨害など一部の罪を認めた。米メディアによると、被告は地裁でモラー氏の捜査に協力する意向を表明。連邦地裁では24日、被告が外国のために行ったロビー活動で得た報酬に関する資金洗浄(マネーロンダリング)などの審理が始まる予定だった。被告はこれとは別に南部バージニア州の連邦地裁で脱税の罪などで有罪評決を受けており、司法取引は罪を認める代わりに刑の軽減を受ける狙いがある。

マナフォート被告は過去の大統領選で共和党候補の陣営で働いた経験を買われて16年3月にトランプ陣営入りし、6月から8月まで選対本部長を務めた。ウクライナの親露派政権と近く、同年6月にニューヨークのトランプタワーであったトランプ氏の長男ジュニア氏とロシア人弁護士の会談にも同席。陣営とロシアの関係について何らかの情報を持っている可能性がある。

■トランプ米大統領、ロシア疑惑捜査に関連した情報の公開を指示2018年9月18日 [10]

トランプ氏が司法省と国家情報長官に公開を求めた文書には、大統領選でトランプ陣営の顧問を務めたカーター・ペイジ氏の監視に向けて米連邦捜査局(FBI)が裁判所に提出した令状請求で、FBIがまだ公表していない部分のうち20ページが対象。また、ホワイトハウスのサンダース報道官の声明によると、ロシア疑惑捜査に関してFBIが司法省職員のブルース・オア氏に聴取を行った際の報告書やペイジ氏の監視令状請求に関する聴取の報告書も含まれる。これに加え、トランプ氏は司法省に対し、コミー前FBI長官やマケイブ元FBI副長官などによるロシア疑惑捜査に関するテキストメッセージを未編集のままで公開するよう指示した。

共和党のマット・ガエッツ下院議員は、情報公開によって「司法省とFBIの最高レベルで起きた組織的な腐敗と偏向の一部が明るみに出ることになる」として大統領の指示を称賛。「米情報機関が有する手段を党派政治上の目的を果たすために使った」ことが含まれるとした。

■司法省ナンバーツーがトランプ米大統領の解任狙う? 米紙報道2018年9月22日 [11]

ニューヨーク・タイムズはロシア疑惑の捜査を統括するローゼンスタイン司法副長官が昨年5月、トランプ大統領との会話を秘密裏に録音することや、大統領の事実上の解任手続きを定めた合衆国憲法修正25条の発動に向けた計画を司法省や連邦捜査局(FBI)の高官らに提案していたと報じた。

コミー氏の解任に当たり、ホワイトハウスはコミー氏により、「FBIの評判や信用性は重大な損失を受けた」と指摘する司法省内部の覚書を発表したが、これを作成したローゼンスタイン氏は知らされておらず、トランプ氏側の行動に恐怖を感じたという。

■米司法副長官が辞意 ロシア疑惑の捜査統括 解任意向報道も2018年9月25日 [12]

米メディアはロシア疑惑の捜査を統括しているローゼンスタイン司法副長官が辞意を伝えたと報じた。一方で、ローゼンスタイン氏がトランプ大統領に自身を解任させる意向であるとの報道もあり、状況は不透明だ。解任した場合、捜査妨害の疑いが持たれることからトランプ氏としては処遇を慎重に判断しているもようだ。

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