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国際情勢の大変動を見抜く!-7~プーチンが安倍総理に期待すること~

ロシア金 [1] プーチン [2]

紹介する記事では、プーチンの安倍首相への期待の背景とウクライナ危機は金貸しの偽装であるとの確信について述べている。ウクライナ危機の真相については、前回の投稿 [3]で紹介した。(リンク)(筆者の見込み通りではあるが、創造を絶する規模であった。)

 

筆者も書いているが、プーチン抹殺の様々な偽装工作が行われているこの数年間、なぜかプーチンは目立った動きを示していない。これは一体なぜなのか?

 

そんな折、本日の『スプートニク日本』の記事で気になるニュースが3つあった。

①ロシアは金の保有量を増やしている(4月時点で過去最高)(リンク [4]

②ロシアが独自の暗号通貨を発行することを示唆(リンク [5]

③ロシアは外貨準備高のシェアをドルから元に移行中(リンク [6]

 

これは明らかに脱金貸しの流れ。当然それはアメリカ国債暴落に対する準備と平行で進められる。

その動きを加速させていくのか?

民族派プーチンは、同じ民族派の習近平との距離を縮めている。

トランプはどうか?ウクライナ危機によるアメリカの制裁に対してもプーチンは比較的静観しているところを見ると、敵:ネオコンとトランプは別もので扱っている。

では安倍首相はどうか?今年も会談は行われたが、成果はいまいち?これは本当なのか?自民清和会系⇔ネオコンの関係がまだ強固で、大きな動きができないということか?ここがまだよく分からないので追求課題。

 

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著) [7]からの紹介です。

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■プーチンが安倍総理に期待すること

 

(前略)

現在までのところ、プーチン大統領はアメリカの挑発に対して自制しているように感じます。KGB出身のプーチンは様々な情報を総合的に判断して、対応を決めているのでしょう。プーチンがどこまで自制できるかが、ウクライナ危機を解決するもう一つの鍵となります。

 

これまでのところ、プーチンの発言などから見る限り、アメリカを一方的に非難はしておらず、またウクライナ東部情勢に関しても決して挑発的な言辞を弄してはいません。欧米や我が国のメディアはこのようなプーチンの自制の姿勢を評価していませんが、プーチンに対して世界の安定のために具体的な対応を説得できる指導者がいるとすれば、それは安倍総理ではないかと考えます。

プーチン大統領が信頼し、期待している世界の指導者としては、安倍総理がその内の一人であることは間違いないでしょう。このことは、プーチン自身やラブロフ外相の発言からもうかがえます。

 

プーチン大統領は現在の欧米とロシアの関係を打開するために、我が国の役割に期待しているのです。これは、我が国に対して欧米との離反を狙ったものではありません。プーチンが我が国に期待する役割は、ロシア自身の脆弱な経済構造を転換するための協力なのです。

 

今回のロシア制裁は改めて天然資源輸出に依存するロシア経済の隘路が明らかになりました。ロシアの天然資源はロシア人が保有すべきであるとのプーチンの愛国的信条は理解しうるものです。問題はロシアがこの原則を維持したままで、どのようにエネルギー分野も含め産業の近代化を進めることができるかということです。

 

その鍵は、我が国の明治維新以来の近代工業化の歴史にあるのです。プーチン大統領は、日本が欧米流の近代化と日本の伝統文化とを両立させて、近代工業化に成功した、その歴史に注目しているのです。プーチンの悲願は、「新しいロシアの理念」を実現することです。この新しいロシアの理念とは、欧米流の普遍的な価値とロシアの伝統的価値を融合させたものであり、これはまさしく近代化とアイデンティティを両立させた我が国の経験そのものです。第3章でロシアの市場化の失敗の顛末を詳しく見ることにしますが、プーチンは欧米外資による近代工業化には懐疑的なのです。ロシアの愛国主義精神、つまりスラブ民族主義精神と欧米的普遍的価値とを有機的に結合させてロシア型の近代工業国家を建設するには、日本の経験に学ぶ必要があると確信しているのです。

 

ロシアが安定した大国になることは、我が国はもちろん、アメリカにとっても、EUにとっても、ウクライナにとっても、世界にとっても好ましいはずです。ロシアが自国の経済的実力に自信を持つことができるようになれば、欧米の資本に対する警戒心も薄らぐと期待されます。このようなロシアは、アメリカ資本にとってビジネスチャンスが拡大することを意味します。ロシアの近代工業化はアメリカにとっても歓迎すべきことであるのです。

 

このように、我が国の対露経済協力がアメリカにもメリットをもたらすことを、アメリカに理解させることは可能だと思います。ロシアを急いでグローバル市場に組み込むことよりも、ロシアが経済的に自立できる国になる方がアメリカの利益になると、安倍総理はアメリカに再考を促すことができるのではないでしょうか。

 

■偽装作戦に惑わされるな

 

以上見てきましたことを総合すると、今回のウクライナ危機は巨大な「False Flag作戦」に思えてなりません。いわば「偽装作戦」とも言える人々を欺く工作です。

 

この「False Flag作戦」(とは以下)

(1985年に起こったアキレ・ラウロ号事件で)パレスチナ・ゲリラに乗っ取られたイタリア客船アキレ・ラウロ号の乗客で、車椅子に乗ったアメリカ系ユダヤ人の老人が射殺され甲板に長時間放置された後、海に投げ込まれた事件です。この映像が世界に流され、パレスチナ・ゲリラの残忍さに世界が驚愕した事件でした。

 

しかし、この事件の真相を暴いた元イスラエル国防軍事情報部の工作員によれば、この事件の筋書きを描いたのはパレスチナ・ゲリラの攻撃対象であるイスラエルの情報機関モサドだというのです。つまり、パレスチナ・ゲリラの残忍非情な行為を世界の世論に訴えるために、イスラエル側があえて同胞のアメリカ系ユダヤ人を犠牲にして仕組んだ工作だったということでした。パレスチナ・ゲリラはイスラエルに買収されて乗っ取りを実行し、ユダヤ人を殺害しましたが、真の加害者はイスラエルであり、あたかもパレスチナ・ゲリラの犠牲を装った工作だったのです。

 

私たちがウクライナ危機を見る場合、偽装工作ではないかとの疑いを持ってここの事件を精査する必要があります。偽装工作を見破る方法は、ウクライナ危機の本質はプーチン抹殺にあるという視点から、一つひとつの出来事を私たち自らの頭で検証することです。つまり、ロシア愛国主義者のプーチン大統領を失脚させて、ロシアをグローバル市場に組込むことが、ウクライナ危機の隠された目的なのです。この真相を世界から隠すために、ウクライナを巡り大掛かりな偽装作戦が行われているのです。プーチン大統領を失脚させるためにウクライナを犠牲にしたと世界に知られては、都合が悪いからです。

 

プーチン抹殺とは、グローバル市場勢力、つまりアメリカの衣を着た国際金融勢力が、ウクライナ危機を口実に再びロシアを勢力下におこうと企んでいる作戦のことです。21世紀の「ロシア革命」を意図しているのです。もちろん、今回の革命は共産主義革命ではありません。グローバル市場価格名なのです。

 

いずれにせよ、今回のウクライナ危機は単発的な事件ではなく、ロシアの支配を巡る過去200年に亘る攻防がいよいよ最終段階を迎えたと解釈できるのです。200年の攻防とは、ロシアを金融の力で支配下に置こうと努めてきたロンドン・シティやニューヨーク・ウォール街の国際金融勢力と、帝政時代からそれに強く抵抗してきたロシアの国家指導者との戦いなのです。

 

それでは、これから国際金融勢力とロシアの攻防の歴史をひもといてみたいと思います。

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