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国際情勢の大変動を見抜く!-13~第二次世界大戦の戦後処理はロンドン・シティが決めた~

ヤルタ会談 [1]

今回もとても面白い記事です。

スターリンは当初は金貸し側であったが、後に距離を置くようになったとのこと。その理由はロシア人の民族意識(一国社会主義)にあるという。スターリンのロシア人説を否定する根拠等もなるほど。

 

最も興味深いのが、チャーチルがスターリンに渡した第二次世界大戦の戦後処理に関するロスチャイルドからの指示書。これは「国家を動かしているのは金貸しである」ことの明確な証拠である。無造作に胸ポケットに入れられた簡単な紙切れ1枚によって国家が動かされているとは驚きです。

 

因みに、チャーチル英国首相は日本とも深く関わっており、ドイツの原爆をアメリカに渡し、それが日本に落とされた。これも金貸しの指示によることは明白。(参考:金貸し勢力のスパイの証言(16)~ドイツ原爆は英国チャーチルを通じて米国アイゼンハワーに渡った~ [2]

もう一つ、正統派歴史学者は信用できない。故意か無知かは別として、歴史の真実から目を逸らし洗脳する。と一刀両断。

 

東西冷戦はアメリカ支配の強化のため。それが実現すればソ連は必要ない。今度はソ連をグローバル経済に巻き込む方向に転換した。目的は明確なのである意味単純に動いている。

 

『世界を操る支配者の正体』(馬渕睦夫 著) [3]からの紹介です。

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■第二次世界大戦の戦後処理はロンドン・シティが決めた

 

スターリンに関しては、拙著『国難の正体』で詳述しました。スターリンは当初は国際金融資本家たちの支援を得てソ連の指導者の地位を手中にしましたが、次第に彼らと意見が対立するようになりました。その理由は、スターリンが唱えた「一国社会主義」にあります

 

トロッキーの永久革命主義と衝突し、最終的にスターリンが勝ったというのが歴史教科書の見方です。問題は、なぜ一国社会主義路線が国際革命路線に勝利したのかという点です。それは、ソ連が一国で「世界」を構成しているからでした。ソ連人にとってソ連という世界以上の世界は必要なかったのです。まさしくこの点こそ、ユダヤ人トロッキーの国際革命主義と相容れないところだったのです。

 

スターリンはグルジア人ですが、ユダヤ系ではないかとの説も根強くあります。しかし私はスターリンはユダヤ人ではないと考えます。スターリンの本名はジュガシビリと言い、この「ジュガ」がグルジア語でユダヤ人を意味するというのがユダヤ人説の根拠です。しかし、私が知り合いのグルジア人大学教授に確かめたところでは、「ジュガ」は一般的な呼称であってユダヤ人を意味するものではないとの答えが返ってきました。加えて、一国社会主義といったナショナリズム的な発想は元来ユダヤ思想になじまないものです。

もう一つの理由は、第1章でも述べましたが、スターリンはクリミアにユダヤ人自治共和国を樹立する提案を拒否したことです。もし、スターリンがユダヤ人であったのなら、この提案を拒否することは通常考えられません。以上、学問的に見て決定的証拠とは言い難いかもしれませんが、状況的にはスターリン非ユダヤ人説を説明できると考えています。

 

そのような観点から、第二次大戦におけるスターリンの動向を観察すると、興味深い諸点が見えてきます。私の結論を言えば、スターリンは朝鮮戦争勃発の頃までは、欧米の国際金融資本の意向をそれなりに考慮に入れて政権運営に当たってきたと見受けられます。第二次大戦中の戦後処理はその典型的な例です。

 

ここで、当時の雰囲気を如実に伝えてくれるエピソードを紹介したいと思います。それは、スターリンの通訳者だったワレンチン・ベレズホフが自著『私はスターリンの通訳だった。―第二次世界大戦秘話』で明らかにした衝撃的な内容です。

 

ヒットラーの敗北が濃くなっていた1944年10月に、モスクワにおいてスターリンとチャーチルが会談しました。主な議題はポーランドなど東欧諸国の戦後処理でした。この階段の席でチャーチルは「つまらんものですが、私はこれに、ロンドンの特定の人間の考えを示す紙切れを持参しています」とスターリンに述べて、胸ポケットから紙切れを引っ張り出してスターリンに示したというのです。その紙切れに書かれていた内容は十分驚愕に値するものでした。国名と数字のみで次のように書かれていたのです。

 

〇ルーマニア ロシア・・・90パーセント その他の国・・・10パーセント

〇ギリシャ イギリス(アメリカとともに)・・・90パーセント ロシア・・・10パーセント

〇ユーゴスラビア 50パーセント、50パーセント

○ハンガリー 50パーセント、50パーセント

〇ブルガリア ロシア・・・75パーセント その他の国・・・25パーセント

 

この提案については、その後両国の間で種々やり取りがあるのですが、私が注目するのは最終的にこの割合がどうなったかではなくて、チャーチルが「ロンドンの特定の人間の考えを示す紙切れ」と言明している点です。「ロンドンの特定の人間」とは果たして誰のことでしょうか。本書の読者であるのなら、もうお分かりのことと思います。ロンドン・シティの国際金融資本家、さらに限定すればロスチャイルド家、そして当時の党首ヴィクター・ロスチャイルドのことだと思われます。つまり、第二次世界大戦の戦後処理の大枠は、国家の指導者ではなくロンドンの国際銀行家が決めていたのです。

 

私はこの事実をもっと多くの人々が理解しなければならないと思います。その後のヤルタ歓談然り、ポツダム宣言然りです。秘密主義のスターリンに騙された、ルーズベルトは病気だった、トルーマンは未熟だった、などの正統派学者たちの「言い訳」は聞きたくありません。彼らの視点からは、国家指導者を背後から操っていた勢力のことがすっぽりと抜け落ちているのです。彼らが無知であったからでしょうか。それとも何らかの事情で書けなかったのでしょうか。

 

私たちは、ヤルタ会談はスターリンの独り勝ちであったと聞かされています。しかし、考えてもみてください。ルーズベルトの取り巻きのアメリカ代表団は国務長官や政府高官などそうそうたるメンバーによって埋められていました。このような状態の下では、一方が他方をだますなどと言ったことは考えられません。大統領や首相に同行したメンバーは文書の一つ一つを入念にチェックする分けですから、不利な条件を見逃してうっかり受け入れることなどありえないのです。もし、こういう一方的結果が生じたとすれば、それはどこか「裏」からの指示に従わざるを得ない事情があったと考えざるを得ません。

 

このような解釈は残念ながら政党は歴史学者の受け入れるところではありません。あくまで国家対国家の視点から国際政治を解釈しているのです。彼らの態度が故意なのか無知なのかは分かりませんが、もう私たちは長期にわたる洗脳から逃れて、国際政治を本当に動かしているのは誰なのかに向き合わなければならない時期に来ていると思います。

 

■使い捨てられた「ソ連」

 

アメリカという国家をロンドン・シティやウォール街の国際金融勢力が動かすようになった景気は、東西冷戦の結果でした。東西冷戦とは、米ソの二大国が世界の覇権を求めて対立したという正統派歴史学者の解釈では、到底真相がわからないものです。東西冷戦は、国際金融勢力が自ら樹立したソ連という国家を使って、アメリカ「国家」を解体しようと狙ったものであると、私か解釈しています。

 

詳細は拙著『国難の正体』に譲りますが、東西冷戦を演出しなければならなかった理由はこうです。第二次世界大戦後、アメリカは世界の富の半分を所有するほどの超大国に躍り出ました。アメリカ国家のこのような独り勝ちは、世界支配を意図する国際金融勢力にとって好ましいものではありませんでした。彼らの野望を実現するためには、軍事力や経済力を備え、かつ精神的に健全な国家の存在は邪魔なのです。

 

彼らはアメリカに中央銀行を設立(1913年)して、アメリカの金融支配の基礎を築きました。とはいえ、アメリカ国家全体を牛耳るには至っていませんでした。アメリカのエスタブリッシュメントであったWASP(アングロサクソン系プロテスタントの白人)の影響力は依然として根強く、またキリスト教に基づくアメリカ国民の倫理観は健全だったのです。そこで、国際金融勢力はソ連の脅威を利用してアメリカを牽制するとともに、朝鮮戦争やベトナム戦争などにアメリカを巻き込んでアメリカ国民の士気を低下させようと工作したのです。これが東西冷戦の真相です。

 

次章で詳述しますが、アメリカの新自由主義が台頭してくる時期と、ソ連崩壊が始まる時期とは一致しています。その意味は、アメリカで新自由主義政策が採用されてアメリカ製造業が海外立地で空洞化すると共に、彼ら金融資本家たちのアメリカ支配力が固まったのです。アメリカ経済の疲弊は貧困層を拡大し、アメリカは格差社会になっていきました。こうしてアメリカを動かす力を付けた国際金融勢力にとって、もはやソ連の利用価値派はなくなったのです。こう考えると、なぜソ連が崩壊し、そのあと急激な民営化が強行されたのかが理解されます。

 

そして現在、これまで見てきたように、ロシアを狙っているのはアメリカという国家ではありません。アメリカやイギリスに本拠を置く国際金融資本家たちなのです。彼らはロシアをグローバル経済に組み込みたいのです。では、次章ではなぜ彼らがロシアのグローバル経済化を狙っているのか、その理由を考えたいと思います。

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