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9月のドイツ総選挙、勝つのは金貸し=市場拡大派か、反金貸し=市場縮小派か?

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ドイツで緑の党が躍進しているのは、反金貸し勢力の巻き返しか? [2]では、市場縮小を目指す緑の党(=反金貸し勢力)が躍進し、9月に行われるドイツ総選挙で勝利する可能性もあるとお伝えしました。総選挙が約1か月後になり、お互いの中傷合戦も含めて、熾烈な戦いが繰り広げられています。

まず、現在の支持率ですが、一時期はトップに立っていた緑の党が2位に後退しました。今トップに立っているには、政権与党のキリスト教民主・社会同盟(CDUCSU)です。

緑の党が2位に後退した原因は二つあります。一つ目が、緑の党の環境政策が厳しすぎることです。産業のあらゆる分野で環境保護を重視し、炭素税も大幅に引き上げる政策となっています。そして、もう一つが首相候補のベーアボック党首のスキャンダルです。税金の申告漏れ、経歴詐称、盗作などの疑惑が報道され、支持率を落としています。

一方のCDUCSUラシェット首相候補は、被災地訪問時に笑っている映像をすっぱ抜かれこちらも支持を落としています。その中で浮かび上がってきたのが、CDUCSUと連立を組んでいるSPDです。現在の支持率はCDU・CSU23%、緑の党は20%、SPD19%と僅差の戦いになっています。

ドイツでも大水害が7月に発生し196人の死者が発生しており、環境問題に対する意識も高まってきています。金貸し=市場拡大派が勝つのか、反金貸し=市場縮小派が勝つのか、9月の総選挙の結果よって、世界の動きが変わるかもしれません。

 

■ドイツ緑の党、党首への信頼感が急落 疑惑などで=世論調査202172 [3]

次の女性首相を目指すベーアボック党首が4月に選出された際には、緑の党の支持率は一時上昇したが、ここ数週間は地方選惨敗に加え、自身のクリスマス賞与申告漏れや経歴詐称疑惑から急落している。さらに、盗作に関する調査を行なっているウェブサイトは今週、ベーアボック氏が最近出版した政策案に関する書籍の中で、出典を注記せずに引用を行なったと主張している。

世論調査会社が実施した調査では、ベーアボック氏は信頼できるとの回答は全体の23.2%、信頼できないとの回答は58.4%だった。

■ドイツ連邦議会選挙の勝敗を決める「気候保護の値札」2021713日 [4]

9月のドイツ連邦議会選挙で主導権を握ると見られていた環境政党・緑の党の勢いにブレーキがかかった。理由は、緑の党のマニフェストに掲げられた「炭素税の大幅な引き上げ」だ。実現すればマイカー通勤者には大きな打撃となる。一方でCDUCSUは政策から数値目標を省く戦略で緑の党に「増税党」というイメージ付けを狙い、足元では支持率を逆転している。

公共放送局ドイツ公共放送連盟(ARD)が610日に公表した政党支持率調査の結果によると、緑の党の支持率は前月の26%から6ポイント減って20%に下落した。逆に保守政党キリスト教民主・社会同盟(CDUCSU)の支持率は、前月の23%から28%に増えた。

同党はマニフェストの中で、ドイツで「エネルギー革命」を起こし、交通、暖房、製造業、農業などあらゆる分野で環境保護を重視することを宣言している。

■ドイツ洪水、気候変動と災害対策が総選挙の争点に2021725日 [5]

ドイツを中心に先週、西欧を襲った洪水は、19日までに196人の死者が確認された。河川の氾濫を招いた集中豪雨は、気候変動が引き起こしたとの指摘が強まっている。9月に予定されるドイツ総選挙では、気候問題や災害対策が大きな争点として浮上しそうだ。

■独総選挙の波乱要因に 投票まで2カ月―欧州洪水2021725 [6]

9月26日投票のドイツ連邦議会(下院)選挙まで約2カ月。7月半ばに、ドイツを中心に欧州を襲った記録的豪雨と洪水が、総選挙の波乱要因となっている。各種世論調査での支持率は、CDU・CSUが約30%と1位で、緑の党が約10ポイント差で追う2位。ここ数週間低調だった緑の党の支持率は洪水後下げ止まり、CDU・CSUなしで左派中心の連立政権を組める水準に踏みとどまった。

ラシェット首相候補は、被災地訪問時に笑っている映像をすっぱ抜かれ「不適切だった」と謝罪に追い込まれた。メルケル氏の後任をめぐる争いは、被災地ですでに始まっている。

■緊急気候保護プログラム発表 緑の党、総選挙向け支持率挽回へ202185 [7]

ドイツ野党の90年連合・緑の党は3日、「緊急気候保護プログラム」を発表した。9月の総選挙に向け、低下傾向にある支持率を挽回する狙いで、「気候保護省」の新設など10項目の提案を打ち出している。

■ドイツ総選挙、社会民主党が追い上げ=世論調査2021812 [8]

調査機関フォルサがRTLテレビの委託で行った世論調査によると、SPDの支持率は、前週比3ポイント上昇し19%と、2018年以降で最高を記録した。CDU・CSUの支持率は3ポイント低下の23%。緑の党は20%で横ばい。企業寄りの自由民主党(FDP)は1ポイント低下の12%。調査機関カンターがフォークス誌の委託で実施した別の世論調査でも、SPDの支持率は1ポイント上昇し19%。CDU・CSUは2ポイント低下の22%、緑の党は1ポイント低下の21%だった。

■EUは中国製品への関税強化を、独首相候補の緑の党党首が提案2021816日 [9]

ドイツの環境政党「緑の党」のアンナレーナ・ベーアボック共同党首は14日、ダンピング(不当廉売)や環境基準の悪化を防ぐため、欧州連合(EU)は中国からの輸入品に対し、より厳しい貿易障壁を設けるべきだとの見解を示した。

9月の選挙では、中道左派政党の社会民主党(SPD)と現在連立を組むメルケル首相所属の保守連合、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党になるとみられているものの、このところの世論調査での支持率低迷を受け、SPD、緑の党、自由民主党(FDP)の3党連立による政権樹立の可能性が浮上している。

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