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『ユーロ発国家財政危機の行方』10.まとめ〜ユーロ危機から見えてきた欧州支配勢力と金貸しの意図

22日、オバマ政権は「米金融規制改革法」に調印し、金融規制の他、各金融機関の監督と消費者保護をFRBが担う体制がスタートしました。しかしその中身を見てみると、工程表をのんびりと作りデリバティブ等の規制は先延ばしされ、「FRBの権限強化」だけが目につきます。
一方で欧州勢力のお膝元であるドイツ・フランスについては、具体的な国債空売り規制やディバティブ規制等、実質的な金貸し規制がすぐに動き出しました。
アメリカとEU・ユーロ圏、この動きの違いは何故なのか?
今回は、『ユーロ発国家財政危機の行方』シリーズの最終回として、ユーロ危機から見えてきた欧州支配勢力と金貸しの意図について、8月10日に行われた「なんでや劇場:金貸しとその手先(特権階級)の思惑は?」
での分析を加え、追求していきたいと思います。
これまでの『ユーロ発国家財政危機の行方』シリーズ記事。
0.プロローグ [1]
1.ギリシャ問題・PIIGS問題とは? [2]
2.小国ギリシャの危機がなぜユーロ危機につながったか? [3]
3.地域共通通貨「ユーロ」の弱点構造 [4]
4.ギリシャ暴動とその他の国の状況から国家・市場の統合限界が見えてくる [5]
5.世界バブル崩壊が資本主義の総本山、欧州を襲う [6]
6.【英米(金貸し勢)が作ったアメリカに対抗して作られたEU】 [7]
7.世界を牛耳る、支配勢力・闇勢力の暗闘はどうなっているのか? [8]
8.崩壊に向かう金融市場 [9]
9.欧州支配層(影の支配勢力)の動きは? [10]
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8月10日なんでや劇場「金貸しとその手先(特権階級)の思惑は?」では、欧州支配層と金貸しとの関係について以下の分析・整理がなされました。

■なんでや劇場「金貸しとその手先(特権階級)の思惑は?」より。
●欧州支配層(欧州貴族等)は、十字軍〜大航海時代〜産業革命を通じて「金:Gold」を始め、莫大な財産を持っている。その資金量は、桁違いである。
●欧州支配層の思想は、社会民主主義であり福祉・労使協調路線で動く。
彼らは、長い国家支配・市場支配の中で自分達だけが利益を取ってはやっていけないことがよく分かっている。欧州金貸し・銀行屋:ロスチャイルドも200年に渡る市場支配の中で、このことがよく分かっている。よって彼らの支配の構造は、金融主義となる。
●銀行屋:ロスチャイルドは、バクチ体質。これをよく言えば金融資本主義。
金融系については、D.ロックフェラーより遙かに強い。力の差は歴然としている。
バクチは資金量がものをいう。欧州勢+ロスチャの資金量は桁違いに高い。
●戦争屋:D.ロックフェラーの思想は、弱肉強食・自由原理主義。軍による力の原理
自由主義の中で強いものが勝つという力の原理。軍産複合体を構築してきた。
●ドル金兌換スタート時の「金:Gold」は、欧州勢力がアメリカに貸した。
13兆円事件時に発覚した高額紙幣とは、「金兌換時代に集められたGOLDの預り証としての「超高額紙幣」だった。」リンク・昨年のなんでや劇場 [11]
その金を返せと今でも欧州からアメリカ・FRBに圧力がかかっている。
しかし、アメリカに本当に「金」があるのか?疑わしい。
●ニクソンショック「金ドル兌換停止」は、D.ロックフェラーが仕掛けた。
当時、アメリカ経済の衰弱から、ドルは危ない。預かり証「超高額紙幣」では安心できない。「金」を返せと欧州勢力から圧力がかかった。この頃、FRBの金は流出している。
D.ロックフェラーは、FRBの金兌換停止に踏み切った。ドルが勝手に刷れるようになり、ドル覇権を拡大。FRB金庫番であるロスチャイルドは、この動きを容認した。
●戦後の石油ショック、各バブルとその崩壊は、全て欧州勢+ロスチャが仕掛けた。
戦後一貫して、欧州勢力+ロスチャ対D.ロックフェラーの闘いであった。日本のバブルも長銀、郵政民営化問題も、全て銀行屋である欧州勢力+ロスチャが仕掛けている。
95年以降の世界バブルは、欧州勢力+ロスチャがけケリをつけに出た。その結果がリーマンショック→金融危機。
金融危機に至っても、ロスチャ系のゴールドマン・サックス(GS)は、一人勝ちを続け、D.ロックフェラーのリーマンやメリルを潰した。
●FRBの権限強化とは、何を意味するか?
残す銀行、潰す銀行を決める権限をFRBが握った。D.ロックフェラー系の銀行は潰す。
ドルと米国債のコントロールをFRBが握る。
ドルを暴落させ米国債の価格を下げる→安くなった米国債をFRBが買いまくる。
→米国債の持ち主は、FRBとなる。

以上のなんでや劇場の分析・整理と今までのこのシリーズの分析をもとに今回の「ユーロ発国家財政危機」についてまとめます。
●欧州勢力(欧州貴族等)の思案とは?
欧州勢力は、ドル・金兌換停止の頃より、アメリカ・ドル基軸通貨体制に対抗するEU・ユーロ圏の構築を進めてきました。
→参照:6.【英米(金貸し勢)が作ったアメリカに対抗して作られたEU】 [7]
欧州勢力は、彼らが保有する莫大な「金:Gold」を裏付けにした新機軸通貨の構築(ユーロ)を狙っていると考えられます。
●ギリシャ・ユーロ危機の本質とは?
ユーロ圏を拡大するために、欧州勢力系のロスチャ→GSが中心となり財政難の南欧諸国をレポ取引等を使い健全に見せかけ、強引にユーロ圏に組み入れてきました。参照:1.ギリシャ問題・PIIGS問題とは? [2]
PIIGS諸国の国債は、GS及び欧州系の銀行が持っていました。→参照:2.小国ギリシャの危機がなぜユーロ危機につながったか? [3]
D.ロックフェラーがここを突き、ギリシャの政権交代よりPIIGS国の財政難を明るみに出し、ユーロ危機に発展しました。力をつけるユーロへのロックフェラーの攻撃です。
しかしロスチャ系GS等は、空売りにより逃げ切り、損失は少なかったと思われます。
また、危機によりユーロ安が進み、ドイツ・フランス等のユーロ圏のリーダー国は、輸出増で実体経済が上向き、安定基盤を構築しています。
この状況の中、欧州勢力は即座にドイツ・メルケル首相等を通じ国債空売り規制等の金融規制に動きます(ここはオバマの金融規制改革法とはスピード感が違いました)。そして、各国中央銀行を牛耳るロスチャは、ECBによる南欧諸国の国債買い取りに入り、ECBは、各国国債の持ち主へと力を増してきています。
→参照:3.地域共通通貨「ユーロ」の弱点構造 [4]
●今後の行方は?
ユーロ圏は、今回の危機により逆に地固めを進めています。今後、EU圏の通貨は、そのバックに莫大な「金:Gold}量を持つ欧州勢に支えられ信用の高い通貨に発展すると考えられます。後は、暴動をどう鎮圧できる?に掛かっています。
今後のドル暴落→多極化の中で、基軸通貨がバスケット通貨に移行したとしても、裏付けに金を持つ通貨は信頼が高く、バスケットの中でも比率の高い通貨になるのではないでしょうか。
●最終まとめ
現在の世界の支配勢力は、莫大な財産を持つ金主である欧州勢力、この欧州勢力の財産を昔から運用してきたロスチャイルド(銀行屋・バクチ屋)。欧州勢力及びロスチャにより作られたアメリカの中で、のし上がってきたD.ロックフェラー(戦争屋)に分かれます。
金主である欧州勢力は、支配の方法は社会民主主義的色彩が濃く、ユーロ等を中心とした欧州中心の世界支配を目論んでいると思われます。国家及び地域共同体的支配。通貨は、自分達の財力をもとに影響力を強化できる金本位制を推し進めると考えられます。
その中でロスチャイルドを含む金融規制への圧力はだんだん高めていくと考えられます。
一方金貸しであるロスチャイルドは、金主(欧州勢力)に協力しながらも、中央銀行を中心とした間接支配を目論んでいると考えられます。その意味で、米国側の金融規制法は骨抜きにされ、実態の規制が数年後に先送りされ、FRBの権限強化を最優先にしたと考えられます。
今後、ドル暴落の動きと共に、現状は協力関係にある欧州勢力とロスチャ系が、金融規制と新たな基軸通貨体制を巡り、対立構造に入っていくことが予測されます。
なんでや劇場「金貸しとその手先(特権階級)の思惑は?」の内容については、後日、内容全体を本ブログにUPされる予定です。(お楽しみに・・・)

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