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「活力再生需要を事業化する」19〜次代は共同体の時代!〜

「活力再生需要を事業化する」シリーズの第19回!
前回の記事では、豊かさが実現とともに、人々の期待(欠乏)が“モノ”から別のものに変っている現在の社会においては、企業が社会へ供給する中身もそれに応じて変化していかなければならないことを扱いました。そして今や社会は”モノ”ではなく、これからを導いていく活力の出る”認識”の供給とそのような認識形成の場を待ち望んでいることを明らかにしました。
前回の記事はこちら↓
シリーズ「活力再生需要を事業化する」18〜認識形成の場を供給していくことが、企業に期待されている〜 [1]
企業が社会へ供給する中身が変るということは、企業のあり方そのものも変えていかねばなりません。このような状況の中で、多くの企業が社内SNSなどの導入により社員の活力を引き出そうと体制変革に取り組んではいるものの、なかなかうまくいっていないのが現実のようです。
リンク→社内ネットの活用事例 [2]

最近も、ある企業の社内SNS導入プロジェクトの担当者から相談をもちかけられたのだが、やはり炎上が起きた時の対応方法をやたらと気にしている。よく話を聞いていると、どうやら経営層が気にしているとのこと。SNS自体を使ったこともない経営層にしてみれば、炎上だけ気になるのもしかたがないことなのかもしれない。
ところが、実際に社内SNSを導入した企業の担当者に話を聞いてみると、今度は炎上どころか利用する社員が少なくて困っているという相談を受けることが多い。いくら会社の方で利用するよう働きかけても、一向に利用率が上がらないのだという。
これは、社内SNSを導入している企業の成功事例として紹介されたこともある企業の社員に聞いた話だが、実際は言われているほど利用率は高くないということだった。理由は、今の若い社員は、ミクシィをはじめいくつかのSNSに登録している上、外でブログもすでにはじめているため、監視されていることがわかり切っている社内SNSになんか、今さら興味を示さないのだという。

そこで今回は、企業の体制を変え活力を生み出す基盤は、どこにあるのか考えてみたいと思います。
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まずは、体制改革に失敗する企業が続出する中、成功している企業も一部には登場してきているようなので、そのあたりから見ていきましょう。

>社会にしても企業にしても、人が介在し、人がその現実の形態と未来の変革を直接に担うことに、最近になって、やっと気付き始めてきたようである。 ここが肝心なのだ。 
 私権意識が衰弱した現在において、もはや企業も社会も、力による序列原理では統合不可能な状況になっているのだと思います。
 また一方で中小企業を中心としてですが、従業員自ら、自分達の組織をどうするかという当事者意識を持って、具体的な現業課題に取り組んでいる事例少なからず見受けられます。
リクルートの女性力 会社の「空気」は女で決まる!〜みんながここで働きたいと願い、みんなが成果を出せる「会社の空気」をつくること〜 [3]
子供と一緒に働けるカフェの事例:Mama’s Cafe(ママズカフェ) [4]
未来工業の「反常識経営」—半専任での統業参加へもつながるのでは。 [5]
意識潮流を捉えて人々の活力を再生する企業 −日本クレド株式会社 [6]
【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(1/3) [7]
社員は一緒に闘う仲間 〜㈱ウェザーニュース 事例〜 [8]
 これこそが、共認原理社会における、企業や社会の統合様式である共同体的な組織体制の萌芽ではないかと思います。
 
そしてこれらの事例の大きな特徴は「場」さえ与えられれば、従業員も自らの組織について当事者意識を持って考えるということです。
 つまり従業員自身も収束不全→秩序崩壊から課題探索が始まっているのです。
 そしてその共同体的な組織体制の基盤となるべき力こそが、「女原理」発の充足基調の引力なのだと思います。
 まさに次代は共同体の時代なのではないでしょうか!

これらの事例をまとめると。
・女性の充足発信を活かす「場」づくりが社内の活性化につながっている。
・企業の統合原理が序列体制ではなく、社員の当事者意識を引き出す共同体的体制に転換している。

ということが見えてきます。
一方、現在の社会の意識潮流がどうなっているのかを押さえてみると
貧困の克服 → 市場縮小、経済破綻、環境破壊、精神破壊 → 秩序崩壊の予感(私権で統合されていた社会の終焉) ⇒ 安定・保守の意識潮流 ⇒ 充足基調 ⇒ 男原理から女原理への転換
という流れにあります。
つまり成功している事例は、安定・保守の意識潮流をベースとした充足基調に合致した方針を採っているということなのです。
私権で統合されていた社会において、今まで日本企業が取り入れてきた企業戦略は、どれも男原理一色だったといえます。(競争原理、欧米型能力主義、日本型企業経営etc)その中では、生産(仕事)と生殖(家庭)は分断され女原理発の「充足・安定志向」が企業の体制に活かされることは非常に少なかったように思います。
しかし、豊かさの実現とともに私権が崩壊した現在、旧い男原理一色の体制では、企業内の体制を見直し、自ら活力を生み出すことは非常に困難となっています。(隠蔽、誤魔化し、言い訳が横行し、不祥事を増発している大企業の実態を見ればあきらか)
企業の体制を変え活力を生み出す基盤は、安定・保守の意識潮流をベースとした充足基調にあります。その充足基調をいかに引き出すことができるのか?そこに目を向けていく必要があります。
4/29なんでや劇場レポート「観念力とは何か?」(1) 観念力の前提条件⇒肯定視の充足空間 [9]

○転換するためには何が必要か?
ダメ圧や説教では転換しない。否定ではダメ。「どうする?」思考によって答えを出す、そういうスタンスが求められている。そのためには、私権時代固有の否定の空気(隙あらば相手を倒して利益を得る)から肯定へと空気を転換する必要がある。
そのためには、女の充足性・肯定性が基盤となる。女たちから男たちへの期待発信によって男たちの活力を引き出す。女たちのプラス評価発信によって、女たちの充足が男にとって最大の充足体験・成功体験となっていく。こうして、肯定視に基づく充足空間ができれば、下からの共認圧力形成が可能になり、隠蔽、誤魔化し、言い訳が封鎖できる。
この肯定視に基づく充足空間の形成が土台であるが、ここまでは主に共認機能の次元であり、観念はあまり使わない。しかし、これから10年間の過渡期においては、私権圧力に代わる充足活力を生み出すことができれば、それだけで十分勝っていける。何であれ活力を生み出せたものが勝ちだからである。

次代は、女原理発の「充足・安定志向」の発信を活かし、これに応える「男原理」を企業内に確立させる体制が求められてきます。
私権企業では「自分の目先の利益や評価」のみに意識が向かいがちで、どうしても「みんなの期待に応える」という意識にはなりにくいものです。
しかし共同体では、みんなで「実現するため」に、全て共認原理による「場」である社内ネットや社会空間へ発信し、事実を共認しながら前進していきます。共認原理による「場」があるからこそ、活力の出る”認識”の塗り重ねや供給も可能となります。
企業にとって、この土台をどう固めるかが、今後10年間の最も重要な課題になってくるでしょう!
【過去のエントリー】新シリーズ「活力再生需要を事業化する」〜活力源は、脱集団の『みんな期待』に応えること〜 [10]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」2〜ワクワク活力再生!〜 [11]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」3〜老人ホームと保育園が同居する施設『江東園』〜 [12]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」4〜企業活力再生コンサル〜 [13]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」5〜企業活力再生需要の核心は「次代を読む」〜 [14]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」6〜金融、ITビジネスはもはや古い?!新しいビジネス“社会的企業”〜 [15]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」7〜社会起業家の歴史・各国の状況 [16]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」8 〜社会的企業を支える「アショカ財団」〜 [17]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」9〜『生産の場として、儲かる農業』が、みんな期待に応えるのでは?〜 [18]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」10〜就農定住の成功事例 山形県高畠町〜 [19]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」11〜農業参入が企業の社会的使命となる〜 [20]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」12〜農業は医療や教育と同じく人類(集団)にとって不可欠の事業であり、脱市場原理の最先端可能性といえるのでは?〜 [21]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」13〜コンセプトは、『私、気付いたら就農してたみたいです♪』かな? [22]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」14〜【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(1/3)〜 [23]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」15〜【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(2/3)〜 [24]
シリーズ「活力再生需要を事業化する」16〜【書籍紹介】伊賀の里 新農業ビジネスただいま大奮闘(モクモクファーム)(3/3)〜 [25]

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