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連載!『中国は誰が動かしているのか?』12.まとめ〜金貸しの同士の闘いと中国

この連載では、「中国とはどんな国なのか?金貸しと中国との関係は?」について11回に渡って調査し追求してきました。
今回はその最終回として、「金貸しの中国戦略の意図、中国の本音」について迫ってみたいと思います。
過去記事一覧
連載開始!『中国は誰が動かしているのか?』 1 — プロローグ— [1]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』2.中国ってどんな国1 [2]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』3.中国ってどんな国2 [3]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』4 欧米の闇勢力による対中国シナリオは? [4]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』5 欧米の闇勢力と中国内部派閥の関係は? [5]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』 6 19C中国に進出する英金融資本、中国の闇勢力が結託して倒清へ [6]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』 7 中国に設立された銀行の歴史から英米金融資本家と華僑・客家及び中国政府との関係を見る [7]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』 8 力を付けていった中国共産党の背後には誰がいたのか? [8]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』 9 鄧小平編 [9]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』 10 中国軍(人民開放軍)についての分析 [10]
連載!『中国は誰が動かしているのか?』 11 ロスチャルドの戦略と共産党 [11]
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■まとめ図解

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■中国の特質(金貸しと中国のトラウマ)
・共産党・毛沢東政権樹立(国民党・蒋介石追い落とし)に関して、アメリカ(ロックフェラー)の支援を受
 けてきた。(参照:8.力を付けていった中国共産党の背後には誰がいたのか? [8]
・鄧小平・周恩来は、ロスチャイルド及びゴールドマン・サックス、HSBCとの関係が深い。
 中国の市場化・金融化は、この関係から生まれた。
 (参照:5 欧米の闇勢力と中国内部派閥の関係は? [5]2.中国ってどんな国1 [2]
・中国は、共産党と総書記が一元的に権力を握っており、金貸しの影響力を制御しながら政権運営を
 行っている。
 (参照:3.中国ってどんな国2 [3]
・中国の軍(人民解放軍)は、独自の軍産複合体を形成し国内で絶大な力を持つ。次期総書記の
 習近平になると、軍部の発言はさらに強まると予測される。
(参照:10 中国軍(人民解放軍)についての分析 [10]
・13億人の人民をどう統合するか?
 13億の人民を食べさせていくためにどうするか?国内の食糧問題、資源・エネルギー問題、
 海外からの情報、民主化圧力と国内統合、暴動防止
 →食料、資源・エネルギーの海外進出拡大(ロスチャイルド、華僑の支援)。
・中国のトラウマ
 中国は1842年のアヘン戦争から1949年の中華人民共和国の独立に至る107年間、半植民地
 状態と国内の分裂を経験し、さらに49年から71年の国連復帰までは、アメリカによる封じ込め政
 策を経験し、またソビエトの社会主義圏からも排除され孤立した。このような苦難の歴史の経験を
 持っている。
 中国はとても強いトラウマをもっている。こうしたトラウマが背景となり、現在の中国は被害妄想的と
 もいえるほど防衛的な意識が強く、それが外交政策にも強く出ている。

 その意味では、中国は、覇権の奪取を目的とするような拡張的な意図はないとも見える。その前に
 「国内をどう統合するのか?」が切迫した課題となっている。
■金貸し同士の闘いと中国
●アメリカ・ロックフェラーを追い詰める欧州勢力
1970年代前半アメリカ(ロックフェラー)を追い詰めようとした欧州勢は、石油ショックと環境保護戦略を打出す。
‘70年米貿易赤字国転落(60年代を通じて米輸出力の低下)
‘71年ニクソンショック(ドル・金の兌換停止)
‘74年石油ショック
欧州勢は石油ショックに引き続いて、’90年東西ドイツ統合、’91年ソ連邦崩壊、’93年EU発足と、欧州統合に向けて着々と足場固めに入っている。欧州勢は、80年代初頭には、アメリカの落日を認識し、一方では欧州統合を進めつつ、BRICSの市場化戦略(世界の多極化戦略)を進めて来た。
(参照:8/10なんでや劇場レポート「金貸しとその手先(特権階級)たちの思惑は?」(1) 経済指標指数グラフから欧米金貸しの覇権闘争を読み解く) [13]
●ロックフェラーの苦肉の策がニクソンショックと中国への電撃訪問
1970年代後半、行き詰まりを見せてきたロックフェラーは、中国を開放して多国籍企業の進出を試みる。→米中国交回復
※毛沢東が死に(’76)、鄧小平が権力を握るまでの間は、ロックとロスチャの主導権争いでは?
 鄧小平系+華僑が主導権を握ったことでロックフェラーは日本への傾斜を強める。

‘71年米ニクソン大統領の中国訪問宣言、
‘76年毛沢東死去、4人組逮捕、文化大革命の終結
‘78年鄧小平最高実力者に
‘79年米中国交回復
●中国は欧州勢に取られ日本篭城計画へ、着々と進むアメリカ包囲網
1980年代ロスチャイルド:アメリカ軍産複合体の収益源になっている冷戦構造の崩壊を図る。
同時に東側世界と未開国を市場社会に組み込もうとする。
→ 1990年初頭にソ連崩壊、ロシア・中国の市場化、東欧をEUへ
‘85年米債務国に転落
‘85年日米プラザ合意
‘89年天安門事件
‘91年ソ連邦崩壊
‘92年鄧小平南巡講和
‘93年EU発足
‘01年上海協力機構(中国・ロシア・中央アジア各国による国家連合)
(参照:8/10なんでや劇場レポート「金貸しとその手先(特権階級)たちの思惑は?」(2) EU統合を進める欧州勢と追い詰められたロックフェラー) [14]
欧州勢(ロスチャイルド)は、中国をアメリカに変わる投資先として成長させ、ユーロ圏と共にドルに変わる新たな通貨圏の樹立を目指している。
彼らが中国をコントロールする手法は、弱みを握ること(民主化の圧力とバブルのコントロール)。

■まとめ
中国は国家の主導権を共産党に握られており、そのために欧米の金貸し・金融資本は、共産党の幹部や華僑とタッグを組む形で、中国利権に食い込んでいったと考えられる。いわば、欧米寡頭勢力にとって中国共産党はビジネス仲間に近い。ここは日本と大きく違う。
中国国内は、共産党+軍をトップとする権力構造。それに出身地毎や血族毎の利権集団がぶら下がって派閥を形成している。その外で、金貸し及び華僑は血縁+賄賂+弱みで共産党や軍を操作している。
そして中国は力をつけるに従って、欧米と駆け引きしながら、独自の戦略をとるようになって来た。
2012年、国家主席が軍に近い太子党・習近平に変わる。防衛的戦略から覇権に転換するのか?
継続して中国の動きに注目していきたい。

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