2010-11-04

連載!『中国は誰が動かしているのか?』2.中国ってどんな国1

少し前にこちらのブログの会員になり、今回初めて記事を書かせていただくことになりました :blush:
どうぞよろしくお願いします
さて、今シリーズは『中国は誰が動かしているのか?』
これまでの記事はこちら…
1 — プロローグ—
中国と言えば最近は尖閣諸島問題や人民元切り上げなど色々と話題が尽きませんが、この海の向こうのお隣さん、中国ってそもそもどんな国なの???
これから追求していく上で押さえておきたい基礎情報をまとめてみました。今回はその前編です!
1.人口、民族分布
2.産業
3.所得階層分布
どうぞご覧下さい(*゜∀゜)っ
と、その前にいつものお願いします


ありがとうございます

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1.人口、民族分布
中国の人口は13億3474万人。(2009年末現在。世界人口が約60億人なので5人に1人が中国人!)その多くは沿岸部やその周辺の内陸平野部に集中しています。
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(出展「独立行政法人 情報処理推進機構」
また、下の図の左側のグラフにもあるように、(1998年現在)総人口のうち92%を漢民族が占め、残りの8%が55の少数民族になります。(ほとんどが漢民族なんですね!!)
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(出展「独立行政法人 情報処理推進機構」
9,597,000平方キロメートルという広大な国土(ロシア、カナダに続き世界第3位!)を持ちつつも、その人口や民族のほとんどが沿岸部に集中しており、広大な内陸西部の土地には少数民族が点在している状態です。
このような偏った分布になってしまったのはなぜなのでしょう?
内陸西部が山間部や砂漠であるという自然外圧によるところもあるのでしょうが、実際にはこれまでの産業・経済政策による影響も大きいようです。
2.産業
中国では尖閣諸島問題以降、反日デモが各地で多発しています。しかし、不思議なことに今のところ、北京や上海などの大都市では大きな動きはなく、内陸部で多数のデモが行われています。さらに反日デモの最中に一部の参加者が政府批判のスローガンを掲げた場面もあったとか…
これは東部沿海地域・中部地域・西部内陸地域での経済状況にも大きな格差があるからのようです。
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(出展「KEY NUMBER 54 中国経済デジタルマップ」
※地名を確認したい方はこちらの地名入り地図をご参照ください※
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(出展「中国まるごと百科事典」
高GDPを表す大きな赤丸のほとんどは東部沿海部に集中しているのが分かります。
省ごとのGDPを大きい順にまとめたグラフが左、東部・中部・西部でまとめたのが右のグラフになります。
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→拡大はこちらから              →拡大はこちらから
「財団法人日中経済協会」のデータをもとに作成しました)
この2つのグラフからも分かるように、省ごとにも地域ごとにも経済的地域格差はかなり大きく存在しています。なぜこんなにも格差が生じてしまったのでしょう?
『外資により成長した中国経済』

「中国を知る」遊川和郎(日本経済新聞出版社)より抜粋引用
●局地開放から全国展開へ
1980年から香港に隣接する深圳など南部沿海地域に四つの「経済特区」を設け、その範囲で外国からの投資を受け入れました。
政府は特区で一定の経験を積んだ後、1984年に北から南までの東部沿海地域に14の沿海開放都市を指定し、そこに経済技術開発区という一種の外資向け工業団地を設けました。特区や経済技術開発区では、進出する外資に対し、「二免三減(利益計上後二年間法人税免除、その後三年間同半減)」や輸入関税免税などの優遇措置を講じました。こうした外資誘致策は資本主義の流入で既存の経済体制に混乱が生じないよう段階的に、地域を徐々に拡大する形で進められました。
その後海南島が全島を対象として特区となり、1990年には中国最大の経済都市・上海で未開発だった浦東地区に「特区並み」の優遇政策を与えて金融などの第三次産業も含めて外資の誘致を行いました。
近年では全国で毎年600億ドル以上の投資を受け入れ、中国の総輸出の50%以上(2005年58.2%)を進出した外資系企業が占めるに至っています。
現在は内陸部を含めて基本的に中国国内どこでも外資は進出でき、地域ごとの優遇策も大差ないため、経済特区や経済技術開発区などの区分は意味を持たなくなっています。
●内陸部の振興
初期の開放政策の結果、取り残された内陸部の振興が大きな政治課題となっています。
東部沿海地域は1990年代までに大量の外貨を導入し輸出主導で急成長を遂げ中国経済を牽引する一方、内陸地域は外貨の進出も少なく発展から取り残されました。東部、中部、西部の一人当たりGDPの比(西部を1とする)は、1990年の1.93:1.16:1から95年には2.38:1.22:1へと拡大しました。
政府はこうした地域格差是正のため、第九次五ヵ年計画から開発の重点を内陸部に移すことを決定、重慶市を4番目の直轄市に格上。
その効果が表れるまでに膨大な資金と時間を要し、沿海部の発展を止めない限り格差の縮小は難しいのが現実です。しかし内陸部には「これまで政策的な優先順位が低かったため開発が遅れている」という不満があり、最近では沿海と西部に挟まれた中部六省も政策優遇を求めるほか、沿海は沿海で資金の吸い上げを警戒するなど、立場が異なる各地方の言い分の調整に中央政府も苦慮しています。
●外資不要論
開放政策によって中国の対外経済関係は飛躍的に拡大。貿易額は2004年に1兆ドルの大台を突破。日本を抜いて世界第3位。貿易依存度は80年の12.5%から05年には63.6%へ急上昇しました。
海外からの投資額(実行ベース)は累計6837億ドル(2006年末現在)に上り、1991年から15年連続で途上国中最大の投資受け入れ国になっています。2005年末時点で28万の外資系企業が、都市部就業者数の1割を超える2500万人以上を雇用し、納税額は全税収の20.5%に相当します。工業生産(付加価値ベース)では全体の28.5%(ハイテクでは87.8%)、輸出入の58.5%を占め、中国経済になくてはならない存在になっています。
結果、中国の主要28産業のうち21産業で外資が支配的な地位を有していると言われます。
長年にわたって国内企業(30%)よりも低く設定されていた外国企業の所得税(法人税に相当)率(15%)も、2008年には国内企業と一本化し25%となる見通しで、既進出企業への優遇も徐々に廃止される方向です。

まとめると、
①まず深圳など南部沿海地域に四つの「経済特区」を設け、その範囲で外国からの投資を受け入れ開始。その後、東部沿海地域へ外資向け工業団地を拡大。近年では中国の総輸出の50%以上(2005年58.2%)を進出した外資系企業が占めるに至る。(現在は特区に限らずどこの地域でも外資の進出が可能)
②発展から取り残された内陸地域との格差を是正するために、国は開発の重点を内陸部に移したが、成果が出るまでにはかなりの時間がかかるなど、あまりうまくいっていない。
③外資に国内企業よりも有利な条件を提供してきた結果、中国の主要28産業のうち21産業を外資に支配されるなどの弊害が起こり始めた。現在、外資への優遇は徐々に廃止されている。
(ちなみに、2004年に日本を抜いて第3位になった中国の貿易額も、2009年にはドイツを抜いて第2位に!現在、輸入額がダントツに多い第1位のアメリカを抜く日もそう遠い未来ではなさそうです。)
省ごとにも地域ごとにも格差の大きい中国ですが、さらに所得階層にも大きな格差がありました。
3.所得階層格差

『中国1%の家庭に41%の富 国有企業幹部の所得は平均の128倍=世界銀行』(出展「Epoch Times.jp」
中国国営新華社傘下の経済誌「財経国家週刊」が8日に掲載した北京大学・夏業良教授の記事によると、中国の都市住民1人あたりの所得は農村住民の3.3倍、業界間の賃金格差は15倍、上場国営企業の高層管理者の収入は一般従業員の18倍、社会平均収入の128倍にも達するという。 特に電力、電信、石油、金融、保険、エネルギー、たばこなどの国有企業従業員は全国労働者数の8%に過ぎないのに、収入は全国総額の55%を占めている。
「中国の金持ちは市場競争で成功を収めたのではなく、権力、略奪、独占によって富を築き上げたのだ」と同教授は指摘。中国の富は共産党や政府、国有企業などで働く特権階層へ集中しており、多くの社会問題はこの富の配分の不平等に由来するとしている。

まとめると、
①中国の富は共産党や政府、国有企業などで働く特権階層へ集中している。
②多くの社会問題はこの富の配分の不平等に由来する。
でも、そもそも何でこんなに格差が生まれるような仕組みになっているのでしょうか?
今後、このシリーズでそのあたりについて追求していきたいと思いますのでお楽しみに
【今後の追求課題】
★経済特区を作ったのは何で?外資はどうやって中国に進出してきたのか?
★富が中国の特権階層に集中しているのは何で?中国の国内体制はどうなっているのか?

List    投稿者 kanon | 2010-11-04 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 

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 wholesale bags | 2014.02.09 18:08

金貸しは、国家を相手に金を貸す | 人工地震の可能性!?〜番外編:MUレーダー見学レポート

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