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『素人にも分かる経済の真相』シリーズ〜リーマンショックで、なぜ世界経済は大打撃を受けたのか3〜

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さて、今回のシリーズのフェーズもこれで最後になります。
前々回は、2008年のリーマンショックの仕組みとそれによって何故世界経済が大打撃を受けたのか?
前回は、リーマンショック以降のアメリカ経済は、果たしてどうなっているのか?
世界的な金融危機が去った現在を観てきました。
そこで今回は、金貸しの金儲けのためにつくられたシステムによらず、これにかわる新しいシステムを模索した結果、銀行を破綻させ、納税者を保護することで、かえって今は健全性を持つ経済成長を果たしつつあるというハンガリーの動きを紹介したいと思います。

【素人にも分かる経済の真相シリーズ】過去記事は以下を参照願います。
【1】経済学が役に立たないのは、なんで?
【2】金貸しって、何? [1]
【3】お金を使う意味って何? [2]
【4】金利って何? [3]
【5】株って必要なの? [4]
【6】貿易の自由化って必要? [5]
【7】リーマンショックで、なぜ世界経済は大打撃だったのか?〜 [6]
【8】リーマンショックで、なぜ世界経済は大打撃を受けたのか2〜 [7]
その前に応援宜しくお願いします。
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2013/08/23のROCKWAY EXPRESSよりある記事が飛び込んできました。
◆ハンガリーは銀行の足かせを捨て去る。リンク [8]

既に2011年、ハンガリーのヴィクトール・オルバン首相は、国際通貨基金(IMF)とテロ国家のイスラエルの鞭の下に、無限に続く債務にあえぐ奴隷状態に国民を売り飛ばした彼の社会主義者の前任者に対して、正義で応えると約束していた。以前の行政は責任ある立場にあるイスラエル人によって穴だらけにされていたため、大衆の怒りを買い、それで大衆はオルバンのフィデス党を選択した。
ドイツ語サイトの「National Journal」によれば、オルバンはこの高利貸し達を彼らの王座から追い出す動きを始めた。この人気があり民族主義者である首相はIMFに対して、ハン ガリーはロスチャイルドの所有する連邦準備銀行の代理者から、更なる「支援」を受けたいとも思わないし必要ともしていないと告げたのだ。これでハンガリー人は民営で訳の分からない中央銀行に高利を搾り取られることがなくなることだろう。
その代わりに、
ハンガリー政府は通貨に対する主権を発揮し、必要に応じて負債なしの通貨を発行する。
その結果は顕著なものである。国家の経済は、以前は債務のために停滞していたものだったが、急速に回復しつつあり、国家社会主義のドイツ以来見られなかったものになっている。
経済大臣は、厳格な予算政策のお陰で、IMFから借りていた22億ユーロは約束の2014年3月よりかなり前倒しして2013年8月12日に支払いを済ませたと宣言した。オルバンは「ハンガリーは投資家から信頼を得ている」と語り、それはIMFでも連邦準備銀行でも、その他のロスチャイルドの金融帝国の手先のことではないと語った。むしろ彼は、それはハンガリー人のためにハンガリーで何かを製造している者たちで、真実の経済成長を生み出している者たちのことを言っているのだ。これは、金権政治の海賊どもの「紙上の繁栄」ではなく、実際に人々を雇用し彼らの生活を向上させる何らかの生産的なものである。

ハンガリー政府は通貨に対する主権を発揮し、必要に応じて負債なしの通貨を発行する。
これは、政府が紙幣・通貨を直接発行するという事なのですが・・・
では、政府紙幣とは何?ちょっとお復習いしてみましょう。
◆政府紙幣とは?

リンク [9]
日本銀行(中央銀行)が発行する紙幣とは別に、政府(国)が独自で発行する紙幣のこと。
では、基本的な内容を整理してみます。
●現日本では、誰が紙幣・硬貨を発行しているのか?
現在、日本国内で流通している一万円券、五千円券、二千円券、千円券の紙幣(正式名称は「日本銀行券」)は、日本銀行法に基づき日本銀行が発行する法定通貨である。
また、硬貨(500円、100円、50円、10円、5円、1円)は補助貨幣と呼ばれ、政府が製造・発行する。記念硬貨も、政府が製造・発行する補助貨幣となる。一方、政府紙幣は、日本銀行ではなく政府が発行するが、日本銀行券と同じ価値を持つ新しい紙幣になる。
●過去、政府が紙幣を発行していた事例は?
日本では、明治維新後に明治政府が政府紙幣を発行していたが、1882(明治15)年の日銀の設立後は発行されていない。
海外では、南北戦争下のアメリカ合衆国で第16代大統領リンカーンが発行したほか、第35代大統領ケネディが発行したが、両者とも暗殺され、その時点で発行は中止・回収されている。香港では中華人民共和国香港特別行政区が法定通貨を発行しているが、10香港ドル紙幣だけは香港特別行政区政府が発行する政府紙幣である。それ以外の国でも、戦時下に軍票という形の政府紙幣が発行されたが、現在はほとんどの国で発行されていない。
●政府紙幣が、国債を解消できる。
だが、長引く不況や深刻化の危惧されるデフレ経済、増え続ける国債を解消することがねらいで、政府紙幣を発行する声が上がってきている。デフレで物価が下がり、物価が安いために物が売れても収益が出ず、企業は従業員の給料を減らす。その結果、ますます物を買わなくなるというデフレスパイラルを、市場に流通する通貨の量を増やすことで解消しようというわけだ。
●政府紙幣が発行されると何が起きるのか?
ただし、通貨の量が増えることはインフレを引き起こす危険性もはらんでおり、政府紙幣の発行には慎重な対応が求められる。ジンバブエは1年間で物価が22000倍になるというハイパーインフレを、ロシアは、1年間で物価が70倍になるというインフレを経験している。

◆結局、ハンガリーは何をしようとしているのか?
要するに、ハンガリー(国)が政府発行紙幣・通貨で経済を立て直しているのです。銀行から借金をすれば利息を支払わねばならない。そこで、ハンガリー首相は国家主権を発動して通貨発行を実行しようとしているのです。
この事例は、これからの世界経済に多大な影響を与えていく可能性をはらんでいます。
何故なら、この立て直しが成功すれば、これまでの通貨発行を民間が支配し、影響力を及ぼす「中央銀行」に任せ、国債を買ってもらう事で利息を支払うというシステムから、無利息の政府発行紙幣・通貨で、経済を立て直すということが可能になるからです。
加えて、1930年代のドイツ以降、ヨーロッパの主要な国は、ロスチャイルドが支配する国際的銀行カルテルの支配から逃れようとすることはありませんでした。
今回のハンガリーの決断が、その支配構造から反旗を翻した闘いを世界的に拡大させる事に他ならないのです。
今後のハンガリーの動向に注目する必要がありそうです。

さて、次回は、緊急企画という事で、米国債デフォルト後の世界経済はどうなる?という事件を捉え、国債の歴史、各国のデフォルト状況、日銀の帳簿のからくり、バランスシートって何?といったところに切り込み、日本国債が仮にデフォルトした場合に、新紙幣発行も含めた経済状況はどうなっていくのかについて追求していきたいと思います。

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