2013-08-20

【5】『素人にも分かる経済の真相』シリーズ〜株って必要なの〜

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前回は、「金利」について扱っていきました。今回は、『株』について扱っていきます。
さて、皆さん『株』ってなんでしょうか? 簡単に説明しましょう。
■株とは?リンク

資金がない会社が「儲かったら分け前をあげるから、お金を出して下さい!」と、お金を出してくれる人を募集し、お金を出してくれた(出資という)証拠として「株券」を発行する。
この出資に対する見返りの分け前のことを「配当」という。しかし、配当は銀行の利息と違って、金額が保証されてはいない。
会社が儲かった場合だけ、会社の判断で支払われるもの。会社が儲かれば、配当が増え、その会社の株をほしがる人が増え、株の価格(株価)も上がる。もちろん逆の場合も。
そこで、株価の変動をうまく利用して株を売買(株取引)して儲けることもできる。株で利益を得るには「配当」と「売買」の2つの方法がある。ただし、配当も株価も会社の業績次第、将来どうなるか分からない。

このように、金利とは違って、会社の業績が上昇すれば、その会社の株を購入した株主に配当が支払われ、儲ける事ができます。但し、業績が下がれば、配当が支払われません。
そう考えると、株は、将来儲かる会社を予想して、利益を得る事を良しとするいわば博打のように思えるのですが・・・
さて、今回は、株に焦点をあてて、『株って必要なの?』に迫りたいと思います。
このシリーズの過去記事は以下を参照願います。
【1】経済学が役に立たないのは、なんで?
【2】金貸しって、何?
【3】お金を使う意味って何?
【4】金利って何? 
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■日経平均株価とは?
株と言えば良くTVやラジオで今日の日経平均株価は?という言葉を聞いた事があると思います。何か日本の株式の基準若しくは、経済の指標のように毎日報道されていますが、この日経平均株価とは、一体なにものなのでしょうか?

日本の株式市場の代表的な株価指標の一つ。「日経225」とも呼ばれる。東京証券取引所(主に株式や債券の売買取引を行うための施設)第一部に上場する約1700銘柄の株式のうち225銘柄を対象。【リンク
日本経済新聞社がその銘柄を制定。日本の株価指標としては東証株価指数(TOPIX)と並んで普及。
完全に民間が作成している経済指標でありながら、日本政府の経済統計としても使われている。【リンク
銘柄は、1970年以降ほぼ毎年、数銘柄を入れ替えている。基本的には、流動性の低い銘柄を流動性の高い銘柄に入れ替え。【リンク

では視点を変えて、現在日本には、上場していない株式会社は、何社ぐらいあるのでしょうか?
平成16年の資料ですが、株式会社の数は約115万社といわれています。そのうち資本金3億円未満の会社が約113万社(株式会社の98.3%)。
株式会社の大半は中小企業が占めている。一方、有限会社の数は約189万社といわれています。(平成16年12月末現在)【リンク
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ちなみに、米国の株価指標になっている「NYダウ」は、1896年に農業、鉱工業、輸送などの12銘柄でスタート。その後、情報通信業や医療などのサービス業を取り込みながら、現在は1928年以降、30銘柄が対象になっている。【リンク
なんと、株価の推移が、国内の株式会社のほんの一部の会社を対象として日本全体の株式会社の指標としている事には驚きです。
では、会社の株を保有している人たちは、一体どのような人たちなのでしょうか?最近このようなニュースがありました。
経団連企業の外国人持ち株比率が上昇している。リンク
最近の日本企業の外国人持ち株がどのぐらいか調べみました。
■ 日本企業 外国人持ち株比率リスト!2013年8月現在リンク

  (企業名)     (比率)
  ・中外製薬    75.9% 東証一部 
  ・あおぞら銀行  69.8% 東証一部 225銘柄
  ・日産自動車   68.3% 東証一部 225銘柄
  ・ドンキホーテ  60.7% 東証一部
  ・昭和シェル   60.5% 東証一部 225銘柄
  ・新生銀行    59.8% 東証一部 225銘柄
  ・アデランス   59.2% 非上場
  ・大東建託    56.3% 東証一部
  ・マクドナルド  56.0% 東証JQ
  ・オリックス   51.5% 東証一部
  ・花 王     48.8% 東証一部 225銘柄
  ・三井不動産   46.7% 東証一部 225銘柄
  ・アステラス   46.3% 東証一部 225銘柄
  ・ヤマダ電機   46.2% 東証一部
  ・ヤフー     45.6%      225銘柄
  ・セコム     44.5% 東証一部 225銘柄
  ・ヤマハ発動機  43.8% 東証一部
  ・任天堂     42.6% 東証一部
  ・三菱地所    41.6% 東証一部 225銘柄
  ・ローソン    39.5% 東証一部
  ・ソフトバンク  38.7% 東証一部 225銘柄
  ・楽 天     38.6% 東証JQ
  ・日立製作所   38.1% 東証一部 225銘柄

列記したのは、抜粋ですが、上場企業の中で、外国人持ち株比率が高いことに驚きです。
また、株主は購入した株式の数に応じて、株式会社の経営に関与する事ができ、株式会社の最高決定会議である株主総会で、原則として株の保有数、またはその保有単元数に応じて議決権を持つ(株主平等の原則)と規定されています。
戦後、日本企業の株式所有構造は、日本の企業間での株式の持ち合いによる相互依存体制を長くとっていましたが、最近は、外国人投資家が株式の多くを保有する資本の「多国籍化」に変化してきています。大企業が株価を上げ、短期的にもうけを最大化する企業経営を行う背景には、こうした外国資本の高まりがあります。
要するに現在は、外国人投資家が、日本の企業の経営に口を出すと言う構造になってきている訳ですね。
では、そもそも株とは、会社に資金がないために、お金を出してくれる人を募集し、その証拠として株券を発行するシステムですが、現在、企業には、本当に資金が不足しているのでしょうか?
■現在、企業には資金がある。

●企業の資金調達
部門別にみた資金過不足の推移を見てみましょう。
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●企業の資金調達の変化(財務省、2008年5月)
80年代から90年代半ばまで一貫して資金不足主体であった非金融法人部門が,97年をさかいに資金不足主体から資金余剰主体へと転じている。
>この変化を引き起こした最大の要因は,バブルの崩壊によって始まり,銀行の不良債権問題によって長期化した実体経済の低迷である。企業が,バブル期に積み上げた過剰設備を調整するために資金調達を手控える一方,政府は景気対策のための財政支出を大幅に増加。
>非金融法人部門のうち主要な部分を占める非民間金融法人の動きを詳しく見ると、90年代前半は,総資金調達額が急速に縮小し,95年には一旦回復の兆しをみせたものの,97年に発生したインターバンク市場における証券会社のデフォルトをきっかけに生じた金融不安により再び減少し,総資金調達額がマイナスへと転じている。
企業が資金余剰主体になっている背景は,景気の低迷の中設備投資意欲し,内部留保が増加しているからである。また企業の資金余剰は,設備投資を自己資本でまかなう可能性を高めている。【リンク
●わが国企業による資金調達方法の選択問題(日銀、2005年5月)
2.近年のわが国企業の資金調達動向
資金調達総額は、93年度にピークをつけた後、緩やかに減少をはじめ、99 年度以降2002年度にかけて、減少ペースが加速している。この最も大きな要因は、資金調達総額の約6 割を占める借入が、94 年度以降、趨勢的に減少していることに求められる。この間、株式・出資金や社債は、資金調達総額に占めるシェアが相対的に小さく、資金調達全体の動向に与える影響は小さかった(株式・出資金残高:約3 割、社債残高:約1 割<2003年度>)。【リンク

このように現在、株式会社は、株式・出資金、社債に頼らなくても資金がある実態が見て取れます。
株式会社は、一般的には、企業を永続的事業体として存続させるための重要な手段だといわれています。上場のメリットとしては、
「資本市場から直接に資金調達できる」
「上場によって知名度・信用力を得られる」
「株主からの監視の目により公の器として経営できる」
などがあげられていました。
従って、株式会社は、上場を目標に経営を行う事が、一般的なのですが、反対に大手企業で、東京証券取引所に上場していない株式会社(非上場企業)を紹介しましょう。

■東京証券取引所に上場していない企業。
リンク

★サントリーホールディングス株式会社
売上高1兆円を超える飲料メーカー。
★竹中工務店
清水・大林・鹿島・大成とならぶ大手ゼネコン。東京タワーやミッドタウンなど有名建築物の施工主で、総合的建築企業
★森ビル株式会社
ヒルズブランドの大手不動産デベロッパー。
★佐川急便(SGホールディングス)株式会社
日本通運、ヤマト運輸に次ぐ大手運送会社。
★株式会社JTB
国内最大の旅行会社で、出版、ホテル、不動産などもてがけている。
★株式会社リクルート
リクナビなどの就職・転職情報サイト、タウンワークやR25などの就職・住宅・中古車など各種情報雑誌やフリーペーパーの発行など、幅広く事業展開しています。非上場。
★ヤンマー株式会社
農機・建機・小型船舶メーカー
★YKK株式会社
非鉄金属メーカーで、ファスナー世界シェア45%を誇る。
★株式会社マルハン
パチンコチェーン最大手。

上記会社は、東証一部上場企業と思っていませんでしたか?
このように、実は、外部からの株を調達しなくとも国内外で、業績を上げ、活躍している企業があるのも事実です。
こうして見ると、そもそも会社は、一体誰のものなのでしょうか?ここに上場していない長寿企業が元気な理由を取り上げた記事があるので紹介します。
■上場しない「長寿企業」が元気な理由 そもそも会社は誰のもの?リンク

人を大切にする経営の効用  
日本の長寿企業も働く人々を大切にしている。
人は、2つの意味で大切である。1つは、予期できぬ危機への対応のためには人が必要だからである。長寿企業は、長い歴史の中で、大きな危機に何度も遭遇している。こうした危機には、事前に準備をしておくということが難しい。このような危機に対応するには、強靱な人を残しておくことが必要である。中国には、「来年のことを考えれば金を残せ、10年先のことを考えれば土地を残せ、100年先のためには人を残せ」という諺があると聞いたことがある。何が起こるかわからない将来のためには、資産ではなく人材を残しておくことが不可欠である。
企業の独自の力の源泉となるのは、企業の中に蓄積された技術やノウハウである。それは多くの場合、人によって担われる。独自能力を残すためには人を育てなければならないのである。
日本の長寿企業の多くは非上場企業である。上場して資金を得るという財務政策は採られていない。財務政策に関しては保守的なところが多い。資金の調達よりも、資金の始末が重視されていたのである。金を大切に使うことである。始末は吝嗇(りんしょく)ではない。効果を考えながら、限られた資金を大切に使うことである。そのように自己資金を大切に使っておれば、資金需要が少なくて済むので、融資や投資という形の外部資金に頼らなくて済む。〜後略〜
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■まとめ
・株式会社の株の評価は、ほんの一部の上場企業の株の上がり下がりを対象としている。
・大手の日本企業の外国人投資家の持ち株比率が急上昇している。
・企業には、もはや株に頼らなくても資金はある。
・上場していなくとも国内外で業績を上げ、活躍している大手企業がある。
・日本の長寿企業の多くは非上場企業である。

こうして見ますと、現在の日本の株式会社が、
①外国人投資家の持ち株比率が高い一部上場企業群
②上場はしていなくとも、元気な企業群
に大きくグルーピングされている実態が浮き上がります。上記①の企業群は、外国人投資家が、金を出資し経営に意見する、配当を出すという関係で、会社を投機対象だと見れば、儲かるところに金を出す→株を売って儲けるだけの関係でしかありません。投資家達は、株の上がり下がりで一喜一憂します。

簡単に言えば、株主は「俺のものだから、金を出す(出資する)分だけ、経営に口をだすぞ!ちゃんと儲けろ!働かせろ」と経営者にいい、その関係は、支配者と奴隷のような関係だと思いました。
資本家(株主)と経営者の関係は、金を出資し経営に意見する・配当を出すという関係で、もし会社を投機対象だと見れば、儲かるところに金を出す→株を売って儲けるだけの関係でしかなく、そこには、当事者意識など全くありません。
また、一般的に、私たち庶民が属する労働者は、全く蚊帳の外で、奴隷以外のなにものでもない制度になっているのではないでしょうか?経営者と私たち労働者の関係は、労働を提供する・給料をもらうという関係で、会社をいくらよくしようという当事者意識があっても、変えることが困難な様相を呈しています。
リンク

更に、これだけ当事者意識が上昇し、事実を知りたい、ごまかし、うそを許さない意識が社会風潮として高揚してきた時代において、(例えば、東京電力は、未だに、真実をあやふやにし、今や一企業だけでは存続できない。状態にまでになった。)最も長い時間すごしている生産の場が「株」という媒体を介して企業の活力は本当に上昇していくといえるでしょうか?
一方で、②の企業群の核は「人」ですこれまでの路線を転換して、私権原理から共認原理へのパラダイム転換を察知し、経営者、労働者全員の当事者意識の上昇とそこに可能性や必要性を見出せるなら、本当にこの「株」という制度そのものは、本当に必要なのか?という問が浮かび上がります。
企業は株にたよらくても既に資金はあり、一部の金貸し達の利益だけのために、株の上がり下がりを目標にするといった株式会社という形態も古いし、過去の構造であるといえるのではないでしょうか?
では、次回は、自由経済って何?必要?について考えてみたいと思います。お楽しみに!

List    投稿者 orisay3 | 2013-08-20 | Posted in 04.狙われる国の資産No Comments » 

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