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アメリカ・デフォルトは起きるのか!? -11 〜サヴォイ家・ヴェルフ家の世界戦略〜

No.9,No.10 では、18世紀において、サヴォイ家とヴェルフ=ヘッセン家の両勢力が裏でヨーロッパを支配していく様子について述べました。その後、18世紀以降においても、この2大勢力は勢いを落とすことなく、海を渡って拡大していきます。

-9 ~ヴェネツィア金融勢力の奥の院:イタリア王家~ [1]

-10 ~イギリス王室を乗取ったヴェルフ家~ [2] 

大航海時代から始まった「イエズス会」・「東インド会社」は、それぞれ布教・貿易を目的として、領域拡大を行っていきましたが、実は、この動きがサヴォイ家・ヴェルフ=ヘッセン家の世界戦略だったのです。

では、まずサヴォイ家についてみていきましょう。

■01.サヴォイ家に仕組まれたイエズス会の世界戦略

ロヨラ [3] ザビエル [4]大航海時代世界地図1 [5]

 

No.9では、イエズス会はサヴォイ家によるカトリック教会組織の内部切崩し策であることを述べました。これにより、金融業にとって不都合なキリスト教の教えを、部分的に自分達の都合の良いように作り変えていったのです。

次に彼らは、大航海時代に乗じて、世界進出を目論みます。

表向きは、教科書でもお馴染みの布教活動として、日本を始め、世界各地に教会を設立していきます。

しかし、サヴォイの本当の目的は、奴隷・武器等の売買にあったのです。その際、キリスト教=カトリック以外の人間は奴隷=人身売買の対象として扱って良いという正当化の方便があったようです。

当時、いち早く航海技術を手に入れ、国外進出をしていたポルトガル・スペイン。この両国王の国策に乗じながら活動を行い、雲行きが怪しくなれば「王室布教保護権」という特権を振りかざすことで、アフリカ➡インド➡日本・中国へ,南アメリカへと一時独占的な布教活動を可能としていきました。(上図をクリックすると地図上で位置関係を確認できます)

その後、ポルトガル、スペインの国力が弱まると、今度は、カトリック国家の軍によって支配・開発された地域に入り込み、布教と奴隷・武器の売買を斡旋していくというやり方により、表舞台に出てくる事なく、水面下で、世界各国への進出を続けていきました。

参考:

欧米は植民地化する為に、善人を演出した、騙しのキリシタン牧師を先に送り込む [6]

鎖国には国益を守るための理由があった [7]

 

02.宗教改革による集金システムの構築⇒フリーメイソンによる世界進出

免罪符 [8] プロテスタント教会 [9] フリーメイソンマーク [10]

 

 

 

16世紀で起こった宗教改革は、カトリックに対抗させるプロテスタントを生み出し、お金の流れを教会から銀行へ、或いは、銀本位から金本位への流れを作り出しました。

これによりサヴォイ家は、カトリックで禁止されていた金貸しを正当化するとともに、金融市場をほぼ手中に収めたといえます。

18世紀以降は、テンプル騎士団の流れを汲むスコットランドの金融勢力や貴族達が、フリーメイソンを結成し世界進出を目指しました。実際に、アメリカ独立戦争やフランス革命により、資力支配の国家を立ち上げ、国家を操っていく仕組みを創り上げました。

因みに、当初は、武力支配国家の国王や諸侯を炊きつけ、戦争を画策し、戦費を貸し付けるという戦略でしたが、産業革命以降の産業の発展によって、生産力の主体となった国民を、【自由・平等に利益追求ができる】という近代思想を持って洗脳し、【国富】を生み出させ、その末端まで吸いとるという方向に舵を切ったといえるでしょう。

参考

金貸しによる洗脳教育史⑥~史上初、完全資力支配国家、アメリカの誕生 [11]

続いて、ヴェルフ=ヘッセン家についてみていきましょう。

03.ヴェルフ=ヘッセン→イギリス王室の世界戦略:東インド会社 東インド会社旗 [12] 東インド会社傭兵 [13] 大航海時代世界地図2 [14]

 

 

 

 

 

 1600年、イギリス王室(エリザベス女王)の勅許によって設立された東インド会社は、オランダ東インド会社との植民地経営競争を徐々に過熱していきます。1623年のアンボイナ事件により、オランダに日本から追い出されたため、インドにシフトしていきます。(新領地支配に専念)

インドへシフトして以降(特に王政復古期以降)は、植民地経営と共にみせる残忍な軍事的支配,そして、前回でも述べたクロムウェルの改組による株式会社化を足掛りとして、支配地域に次々と株式会社を設立し、一気に世界進出を進めていきます。

参考:アメリカ・デフォルトは起きるのか [2]!?-10 ~イギリス王室を乗取ったヴェルフ家〜 [2]

その後のイギリスの躍進については、目を見張るものがあり、若干その中身をみていきます。

東インド会社インド支配 [15] 三角貿易 [16]

 

 

イギリスの躍進を物語る、イギリス東インド会社の侵略はなぜ可能であったのか。それは、統治の一部分のみをしっかりとイギリスが担い、あとは裏手に回ることで持続的な支配を続けてきたからです。

イギリス東インド会社の一大拠点となったインドの支配は、18世紀中頃から本格的に始まります。

領土が大きいインドに対し、政府による直接統治(直轄地)のみではなく、主権が認められた藩王を介した間接統治(保護国) も併せて行いました。遠いイギリス本国からの指示ではなく、現地事情に詳しい総督(移住したイギリス人)によって発案し、軍隊や役人に採用された原住民が実働する。というシステムを使用し、これが上手く機能していきます。

その後、統治したインドの土地は、アジア(清)と茶・絹・綿織物・アヘン、そして奴隷を取引する三角貿易の中継点として活用され、資本拡大→他の地域(東南アジア)への支配領土拡大につながります。

このようにして、イギリス東インド会社は、侵略を思惑通りに進めることが出来、プランテーションの他、武器・麻薬・奴隷の売買を利用した流通ネットワークの基盤を確立したといえます。そして、これはグローバル企業の前身へとつながっていきます。

この様相は、セシル・ローズによって設立され、奴隷や囚人を用いて開拓する鉱物産業を行っていた会社(今ではダイヤモンドで有名なデビアスグループ),南北戦争や第一次及び第二次世界大戦時に爆弾・火薬の製造・流通を行っていた会社(今では世界最大規模の化学会社であるデュポン社)を例に挙げることが出来ます。

■     04.フリーメイソンから派生したイルミナティをヴェルフ=ヘッセンが乗っ取り、世界戦略を展開

アメリカ独立戦争に敗れ、アメリカから締め出されたイギリス王家=ヴェルフ=ヘッセン陣営ですが、再度、イルミナティとしてアメリカに入り込んでいきます。

アメリカ建国のメンバーの多くはフリーメイソンであったということは有名な話です。フランス革命も同様で、フランスからアメリカに送られた自由の女神は、フランス:フリーメイソンからアメリカ:フリーメイソンへの贈り物であることが、銘板に刻まれています。

フリーメイソンとイルミナティとは、同じ組織として捉えられることが多いですが、少なくとも設立当初、フリーメイソンは世界進出を目指すために組織された団体でした。日本でいう、経団連等の拡大版といったイメージです。

一方イルミナティは、元々フリーメイソンから派生したグループ組織のようでしたが、ヘッセンが乗っ取った後は、オカルト的な色彩を強くし、所謂秘密結社として攻撃性を強くしていったようです。

参考:「フリーメイソン→イルミナティの成立過程」 [17]http://www.rui.jp/ruinet.html? [17] 

そのアメリカの歴代大統領(フリーメイソン)がイルミナティに対して相当警戒しており、大統領の演説でも言及されていたというのです。

その様子を示す記事を紹介します。

>ちょうどこの時代、ヘッセンがフリーメイソン内にコミュニストを入り込ませ乗っ取っていったわけです。
ですので、これらの政治家の中にも毒されて行く者、決して毒されなかった者とに分かれたはずです。

その証拠に、フリーメーソンであった初代米国大統領ジョージ・ワシントンの最後の演説(1797年)は、イルミナティに対する警告がテーマでした。

「イルミナティのような連合体はやがて、狡猾な野望を持つ、無節操な者たちが独力で政府を強奪し、民衆の力を何もかも覆し、憲法の核心部分を破壊する原動力になるだろう」
「彼らが採用する方法の一つは、イルミナティが民衆から土地と財産を盗むための法律を施行できるよう憲法を改正することにある」
「アメリカが自由であり続けるためには、ヨーロッパを避けることが第一原則である。落とし穴だらけの連合を、何としても避けなければならない」

と、出来る限り欧州と政治的関係を持たぬよう、国民に呼びかけました。

やはりフリーメーソンであった二代目大統領のジョン・アダムズは、ワシントンと共にイルミナティに反旗を翻しました。
三代目のトーマス・ジェファーソンはイルミナティに毒された側です。
しかし、五代目のジェームズ・モンローは、ワシントンの遺志を継ぎ「モンロー主義」と呼ばれる欧州との相互不干渉を宣言しました。
その後、27代大統領まで、モンロー主義が米国外交の主軸となっていました。
28代ウッドロー・ウィルソンがコミュニストに騙され、第一次大戦参戦やFRBの設立にサインしてしまったのです。

彼は死の直前に「私は一番不幸な人間だ・・・知らず知らずに自分の国を破壊してしまった」という言葉を残したのは有名です。

【アメリカ独立時の大統領に対する誤解を解く】 [18]

その後、フリーメイソンやイルミナティがどのような動きをしていったのか?は非常に興味深い追求課題ですが、後の追究に委ねます。

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■まとめ

これまで見てきたように、イエズス会、フリーメーソンを操る ”金融屋” サヴォイ家とイギリス東インド会社、イルミナティを操る”戦争屋”ヴェルフ=ヘッセン家は、それぞれの手法で世界戦略を推し進めてきました。どちらにも共通する手法は、奴隷や武器、麻薬売買により莫大な資金を獲得し、その資力によって国家中枢を支配していくやり方です。

カトリックのイエズス会、カトリックの足枷を外し自由に利益追求できるプロテスタント、カトリックから派生した国主導のキリスト主義のイギリス等、大航海時代からの世界支配は、不思議なことに、全てキリスト教にその思想的な背景を持っているということです。しかも、そのやり方は、その教えとは相反することばかりです。

これは、フリーメイソンやイルミナティの理念において顕著ですが、彼らは「自分達以外の民族は、人に非ず」という排他的意識によって正当化し、他者からの搾取と他者の支配を行ってきました。これが今まで続いています。

しかし、ここ数年、余剰生産の時代となったことで、人々は脱物化へシフトし始めました。それによってこれまでの資力支配が通じなくなった金貸し及び金主連中は焦り始めたのです。

そこで彼らの次の手として、彼らは国家を見限り、彼らの傘下によるグローバル企業による直接的人民支配に乗り出そうとしています。

参考 [19]

「アメリカ・デフォルトは起きるのか!?」というシリーズで、今年の冬に再び起こるデフォルト問題に向けて、追究を重ねてきましたが、処々の事情で今回が最後になります。

今後は、この間金貸しに対抗し活発に動いているロシア(=プーチン)やロシアを取り巻くBRICS他国の動き等の追究を通じ世界情勢の予測を行います。

どうもありがとうございました。

(yohei-kondo)

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