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上海協力機構(SCO):対金貸しの軍事同盟から通貨同盟へ。 ~2000年以降、民族本能が資力を上回った。~

前回の記事
BRICS、金本位による反ドル同盟結成か? [1]
ロシアが金本位制へ移行 [2]

その後、3月16日には
サウジアラビアがドル決済から人民元決裁へ・・の報道
と思ったら、スプートニクから
ロシアと中国、単一通貨の導入を検討 [3]

・・・と次々に矢を放ってくる。

★なんで巨大国家、ロシアと中国が手を結ぶのか?
この3000年間、いままで長大な国境を持つ巨大国家が手を結ぶことはありえなかった。
・古くは北方遊牧民が中国を支配し帝国を形成(隋・唐etc)、中世はモンゴル、近代は清が中国を飲み込んだように、
古代も中世も、中国にとって北方は警戒の対象以外の何物でもなかった。
・近代のロシアの中国への進出。
・20世紀は、同じ共産主義同志だが、中ソは国境紛争を繰り返した。

しかし、2000年以降、中露は対金貸し軍事同盟化していく
・2001年上海協力機構(SCO:中国・ロシア・カザフスタンなど6か国で)
・2004年の中露国境協定合意(プーチンと胡錦涛)、国境画定へ。
・2015年上海協力機構にインド・パキスタンの正規加盟

※中国は、清以来欧米に蹂躙されてきた。イギリス(金貸しロスチャ)は不倶戴天の敵。インドもロシアも同様。近代金貸しに翻弄され虐げられてきたロシア [4]
彼らの共通の敵は、欧米の背後にいる金貸しである。プーチンの登場以来、彼らは結集している。上海協力機構(SCO)の中核、中露が単一通貨を構想しているということは、他の国にも広がっていくということだ。

※ウクライナに侵攻したロシアと中国・インドが軍事同盟を結んでいるということをマスコミはほとんど報道しない。NATOを圧倒的に上回るランドパワー上海協力機構の存在、逆包囲されてつつある弱みを知られたくないのか?

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緑が上海協力機構の加盟国、黄緑はオブザーバー国
画像はウィキ [6] よりお借りしました。

★アメリカ(金貸し)の力の源泉は、ドルとマスコミ。
アメリカは軍事力では、ロシアに到底勝てない。だからウクライナに派兵なんかしようともしない。力の源泉は、中央銀行とマネー経済であり、ドルである。そのドルに代わる通貨が準備されていく。

★2000年以降金貸しの力を上回ってきたのは何故か?
金貸しの力の源泉は、国家同士を対立させ、戦争させ双方に金を貸すことで儲けてきた(分断統治の原則)。それが、全く効かなくなったどころか、国家同士が団結しはじめた。これは何を意味するのか?国家の原理は私権確保⇒略奪だった。だから金貸しに隙を付かれて戦争を重ねてきた。それが難しくなったということは、国家の有り様が変わってきていることを示している。金の力(私権)に惑わされなくなったということ、それよりも将来的な民族の繋がりや安定を構想しているように見える。

★中露はドルに代わる基軸通貨を提供する。
借金大国アメリカ、本来なら貧乏国家に転落しているはず。それを支えているのがドル基軸。支えているのは日本や中国などの貿易黒字国。ロシアと中国の共通通貨の意味、明らかに次の基軸通貨であり、ドルに取って代わっていくつもりだろう。まず上海協力機構(SCO)内部で流通し、中国の影響下にある一帯一路を通して中東・アフリカへと広がっていく。ドル崩壊は時間の問題になる。
日本の円安が急進展している。日本はドル追従のまま、弱体化していく可能性が高い。対米独立への強い意志を示せるのか試されている。

by タロウ

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