2012-09-11

支配のカラクリ〜財団って何?〜2.財団の始まりって?

【支配のカラクリ〜財団って何?〜】シリーズの第二弾です♪
 
前回は、アメリカの財団の規模はとっても大きくて、ロックフェラーが財団で何を行ってきたのかを見ていきました♪
支配のカラクリ〜財団って何?〜1.アメリカの財団はとっても大きい!!\(@o@)/!!
 

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今回は、「なんでロックフェラーは財団を作ったのか?」を見ていこうと思ったのですが、その前に初歩的な疑問が出てきたんですf(^^;
 
よって、本格的な追求に入る前に、
 
そもそも、財団ってどんなものなの?
財団の始まりって?

 
これらを紐解いていきたいと思います^^
 

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●財団って何?〜企業と財団の違い★
 
企業の場合は、会社の株主の利益のためにお金を儲けて、その利益を株主達で分配します。
 
財団は、個人や法人から集めた寄付金を運用し、それを公的な目的のために使う団体のことを言います。
財団も利益は求めますが、その利益を公的な目的に使うという点で、企業と異なります。
また、企業の利益には税金がかかるのに対して、財団の利益は公的な目的に使われるので非課税になります。そこも大きな違いとなります。
 
それでは、財団はどのように始まったのでしょうか?
 
 
●世界の財団の始まり
 
今日に繋がるヨーロッパの財団の背景には、「キリスト教」が大きく関わっています。
 

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キリスト教では、人は元来罪深き者なので、信者はその贖罪として慈善活動をさかんに行なうのが一般的です。
特にお金持ちの人は、罪の償いを軽減するために、寄付することで、神から恩寵を与えられ、一般人よりも上の地位であることを認められてきました。
 
最初は、それぞれが貧しい者達に食べものを分け与えるなど、直接慈善活動をしていましたが、徐々に教会へ寄付する形式に変わっていきました。
 

11世紀における富者は、モノを配る代わりに大聖堂を建立し、その行為によって社会的尊敬を集めたのです。このような筋書きは、教会を通しての彼岸における救いの保証というキリスト教的彼岸信仰によって、はじめて有効になるわけですから、贈与慣行の転換に当って、教会は絶大な役割を果たしたことになり、以降15、6世紀にいたるまで、ヨーロッパ中世社会はキリスト教世界としての実態を整えてゆくことになります。
中公新書「日本の財団 その系譜と展望」(P159〜)より引用☆

しかし、教会を通すと、その寄付金を何に使うかは、教会次第になります。
たとえば、上記の大聖堂を建てることがその時に本当に必要だったのでしょうか?本当の慈善活動が大聖堂の建立だったのか?これらの教会の活動に疑問を持った者達が、11世紀頃にヨーロッパで「財団」を設立し、自ら慈善活動を始めました。
 

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そうして、教会の“慈善活動”が、“公益活動”として財団に吸い上げられ、財団によってその中身を塗り替えられることになったのです。
 
これらの動きは腐敗した教会に対する反発として大きな動きとなり、16世紀には宗教革命にまで発展しました。そして、プロテスタントが生まれたのです。その一派が新たな可能性を求めてアメリカに移っていったのです。
 
そんな流れの中、アメリカの財団の歴史は、ベンジャミン・フランクリン(1706-1790,アメリカの著述家・科学者・政治家)から始まります。当時のアメリカは、独立したばかりで政府の機能も不充分でした。また、元々プロテスタントで、教会体制に対する不信感が強かったため、自ら多くの社会的な活動を率先してやろうと財団を立ち上げたのです。
  

フランクリンの著作のキー・ワードは、『役に立つ』ということばである。(中略)フランクリンは、簡易ストーブを発明した。病院を創設した。道路を舗装した。市民警察の制度も確立した。これらがすべて『役に立つ』計画だったからである。彼は神を信じることも、有益なことだと信じていた。神は徳に報い、悪を罰せられるからだった。
中公新書「日本の財団 その系譜と展望」(P161〜)より引用☆

つまり、財団はアメリカに渡って、教会としての機能に加えて、政府機能の一部を政府になりかわって行うようになったのです。
 
実は、そのことは今のアメリカのNPO関連法に色濃く反映されています。
 
 
●アメリカの公益法人の考え方
 
日本の財団は、主務官庁が許可を与えて管理する体制で、管理するポイントが「事業とその目的」になっています。
 

日本では財団の設立に当たって、主務官庁の許可主義をとっていることである。平たくいえば、お役所がある財団の設立に際して、その目的とするところを「公益」的と認めない限りだめだ、ということだから、あなたがいかに世のため、人のためだと思っても、お役所がどう考えるかによって財団として認められないこともあり得る。
「社会現象としての財団」 一、「財団」とは何か 公益とは何か

 
つまり、日本の財団は、お上が許可して成立するもので、資金の使途を規制しています。
 
一方、アメリカの法律では、財団の資金を「どれだけ沢山の人から集めたか?」が管理のポイントとなっています。
 

 NPO法による監督の規定がないため、税務当局により監督されることとなります。つまり、アメリカにおいては税務面からの監督しか存在しません。
 パブリックサポートテストからもわかるように、アメリカにおけるNPOは、(税制優遇を与えられるような)公益性の高いNPOであるからには、市民等から一定水準以上の支援を得ていることが望まれる、という考え方です。よって、アメリカの非営利団体は、市民から寄付先として選ばれるように努めることが必要となります。
 この点より、アメリカにおけるNPO関連法は寄付を集めるための法律と言えるのです。
「今なぜ民間非営利団体なのか?:笹川平和財団十年の軌跡」 第1章 新制度における公益法人の方向性

よって、アメリカでは、“沢山の人から寄付を集めることができたか?”が「公益性」を保証するものということになります。
アメリカでは、公益団体とは、「みんなから支持される団体」ということになり、財団の目的に共感する人が多ければ、財団が成立できることになります!これはまるで政策を支持する有権者が多いと政党を作ることができ、与党となり政府として国を動かす(政策を実現する)ことと同じ構造です。政党の票の代わりに、財団は寄付金をもらうのです。
 
そういう意味で日本の財団とアメリカの財団では、成立構造が全然違うのです!
 
このシリーズの第一弾の記事で、アメリカの財団は日本に比べて規模が大きいという話がありましたが、この「どれだけ沢山の人から集めたか?」が重視されているので、必然的に大きくなる構造にあるということですね☆
 
さて、次回はいよいよ「なんでロックフェラーは財団を作ったのか?」の追求に入っていきたいと思います☆お楽しみに

List    投稿者 mihori | 2012-09-11 | Posted in 未分類 | No Comments » 

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