2006-12-31

自然の摂理から経済を考える〜進化経済学への期待

FJへは久しぶりの投稿になりますが、今日は「代替案」ブログさんより経済学の新機軸を紹介したいと思います。巷には新自由主義経済学が闊歩していますが、その本質は「自由競争によって需要と供給は均衡する」という「思い込みorごまかし」に過ぎません。この「均衡のドグマ」に対抗する経済理論を再構築しようと、自然の摂理に学びつつ考えている学派があります。進化経済学会という学会で、いまのところ「これがこの学会の答えだ」というところには至っていませんが、だからこそ可能性の宝庫という印象もあります。以下、脱新古典派宣言: (書評)進化経済学会編『進化経済学ハンドブック』(共立出版)より引用です。

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  投稿者 yama3 | 2006-12-31 | Posted in 09.反金融支配の潮流2 Comments » 

巨大な米国の経常収支赤字について

国民経済の状態を表すものに、国際収支がある。

この国際収支とは、1国の経済状態を他の国との取引状況として表したものである。

国際収支には、財・サービスの取引状態を表す「経常収支」と資本・資金の動きを表す「資本収支」と「外貨準備増減」がある。

「経常収支」は、財の輸出入である貿易収支と運賃・保険・技術輸出入であるサービス収支、それに所得収支、経常移転収支を加えたもの。簡単に言えば、実取引の収支(黒字/赤字)である。

「資本収支」は、出資等の直接投資、株式等の証券投資などの投資収支と、土地・建物等の固定資産に対する投資などのその他資本収支の合計である。

「外貨準備増減」とは、政府当局の外国債権の取得や為替市場介入による外貨の増減を表す。
詳しくは、ウイキペディアの「国際収支」の項を参照してください。
国際収支統計
米国の国際収支の特徴は、巨額な経常収支のマイナスとそれを補填する資本収支のプラスである。
米国の経常収支の推移を2000年からみてみよう。
(経常収支の大幅黒字国である日本と中国を同時に載せてある。)

米国と日本、中国の経常収支の推移<単位億ドル>

年 次  米 国  日 本 中 国
2000 −4152 1196  201
2001 −3890  878  174
2002 −4724 1126  354
2003 −5275 1362  459
2004 −6653 1721  687
2005 −7915 1657 1608
2006 −8691 1673 1842
2007 −9591 1629 2065

米国の経常収支のマイナスは、2006年で8700億ドル(約100兆円)という巨大なものになっている。
経常収支が、恒常的に巨額な赤字となるのが、開発途上国の場合なら、他の国から(或いは他国の金融機関から)資金を借りることができなくなり、即、IMF(国際通貨基金)の管理下に置かれる。しかし、米国だけは、10年以上に渡って、巨額な経常収支の赤字を出しながら、そのような事態にはならない。不思議な構造である。

経常収支の赤字に見合う「資金還流」は、何処からやって来るのか?

クリックしてから、続きを読むべし!

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  投稿者 leonrosa | 2006-12-30 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨1 Comment » 

技術貿易ではアメリカが世界でダントツの輸出国

技術貿易とは、研究開発により得られた技術(特許権、商標権、意匠権、ノウハウ 技術指導)の提供(技術輸出)と受け入れ(技術輸入)の事である。
世界の統計第7章科学技術・情報通信に技術貿易のデータ—がある。
技術貿易額
アメリカは貿易収支全体では常に大幅赤字だが、技術貿易に限ると2003年のデータ—では輸出が482億2700万ドルで輸入が200億4900万ドルとなっており輸出超過となっている。超過額は約280億ドル(約3兆円)。
輸出額のランクではそのアメリカが世界一となっており、2位がイタリアの310億ドル、イギリスが225億ドルと続いているが、アメリカが圧倒的なトップの座を占めつづけている。
アメリカの技術輸出の中身を見ると、ソフトウェアの強さによるところが大きいようだ。
企業が生産管理や販売管理に使用しているものにデータ—ベース(ソフトウェア)がある。このデータ—ベース市場は世界全体で150〜200億ドルであり、この世界データ—ベース市場は米オラクル(40)、米IBM(31%)、米マイクロソフト(12%)・・・計83%と寡占状態となっている。
おそらく上記3社の海外市場(技術輸出)は70〜80億ドル(1兆円)と思われる。
パソコンは毎日のように使っている人が多いと思うが、ワードやエクセルは日々当たり前のようにツールとして使っている。パソコンメーカーはマイクロソフト社のウィンドウズを搭載する事が必須となっており、パソコン1台売れるごとに自動的にマイクロソフト社にパテント料が入る仕組みになっている。
アメリカ(企業)は、デファクトスタンダード(事実的世界標準)という御旗の元に、実は、世界中から自動的にパテント料というカネが入る仕組みを作り上げている。
アメリカ発の新しい動きの背後に、常に、知的所有権とその対価としてのお金(技術収入)が、画されていることを忘れる訳にはいかないのである。
分かったという人はクリックを!

  投稿者 shigeo | 2006-12-29 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨12 Comments » 

米国は、すごい科学大国

国内総生産(GDP)の順位は、米国、日本、ドイツ。ではGDPに対する学校教育費の割合は、米国7.3%、ドイツ5.3%、日本4.3%。この巨額な教育費の中で、「上級学位」の修士及び博士等の上級研究学位取得プログラムにかける一人当たりの学校教育費は、22,234ドルであり、日本11,164ドル、ドイツ10,504ドルの2倍になっている。

国内総生産に対する学校教育費の割合
在学者一人当たりの学校教育費

教育費の成果を見るのに、自然科学部門のノーベル賞の国別受賞者で比べると、1990〜1999年(10年間)で米国は39名、ドイツ4名、日本0名となっており、その教育投資は成果に結びついていることになる。
国別のノーベル賞

世界の統計でみる米国は経済大国であると同時に、教育文化の領域で見ても、すごい科学大国といえる。この10年の39名のノーベル賞受賞者の中にドイツ、イギリス、中国、ハンガリーが出生国である受賞者がみられる。米国は豊富な教育費をもとに、自然科学の分野においても人的輸入国と言える。
アメリカのノーベル賞受賞者の出生国

たとえば、国別の受賞者を見ていると、中国、台湾、パキスタンなどアジアの科学者は米国で研修し、ノベール賞受賞後は、皆、米国に帰化している。
アジア人のノーベル賞受賞者

少し米国の実相がわかったらクリックを

  投稿者 kaba0326 | 2006-12-28 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨6 Comments » 

国の予算の半分が借金になる日も近い?

一般会計歳入の推移
     租税及び印紙収入  公債金収入   合計
S25     4,564       −       7,168
S30     7,960       −      11,264
S35    16,183       −      19,610
S40    30,496     1,972    37,731
S45    72,958     3,472    84,592
S50   137,527    52,805   214,734 
S55   268,687   141,702   440,407
S60   381,988   123,080   539,925
H02   601,059    73,120   717,035
H07   519,308   125,980   805,572
H12   507,125   330,040   933,610
H17   440,070   343,900   821,829
(単位:億円 ※合計には上記以外の収入を含む)
 出展:財政統計(財務省主計局調査課)
一般会計における、歳入の中心は租税及び収入印紙による。
戦後しばらくは均衡財政が維持され、一般会計ではもっぱら租税等の普通歳入が歳出の財源となっていた。
しかし、S40年度からは公債金収入(借金)が重要な歳入科目として登場する。
続きは、 ポチポチ してから読んでね。

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  投稿者 tamimaru | 2006-12-26 | Posted in 03.国の借金どうなる?7 Comments » 

クリスマスと日本経済

Xmas.jpg今日はX’mas。そこで、クリスマスにちなんだ記事を書いてみた。とはいえ、ここは一応「Fiancial Journal」なので、このイベントと日本の経済との関わり、経済に及ぼす影響という観点で少し調べてみた。
クリスマスはどのように日本の文化に根付き、我々はクリスマス騒ぎによって、日本のGDPにどのぐらい貢献しているのだろう?

ちなみに「X’mas」という綴りは日本独特の誤りで、正しくは「Xmas」か「X−mas」なのだそうだ。
↓「へ〜知らんかった」という人は、ポチっとしてから続きをどうぞ。

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  投稿者 s.tanaka | 2006-12-25 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?4 Comments » 

鉱工業から見た米国の衰弱状況

米国の鉱工業生産指数動向(1995年=100とした2004年指数)
総合129.2 鉱業94.5 製造業133.0 電気・ガス業117.9と鉱業生産力の著しい落ち込みが見て取れます。
世界の統計・鉱工業生産指数

もう少し詳細に生産品別2000〜2002年の3年間の動きを見れば、
銑鉄47,900⇒40,200 粗鋼102,000⇒94,600 鋼管1,886⇒1,392 精製銅1,800⇒1,510
一次アルミニューム3,668⇒2,707 二次アルミニューム3,450⇒2,930 鉛1,470⇒1,380
亜鉛371⇒294 (単位は1,000t)という状況で鉱業の衰弱が見えます。
 
 
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  投稿者 unkei | 2006-12-21 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨4 Comments » 

アメリカ産輸入牛肉再開のその後

今年の8月にアメリカ産牛肉の輸入が再開されたが、その後、4ヶ月間にどのような状況になっているかを調べてみました。次の表を見てもらいたい。
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ポちっと押してね

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  投稿者 orisay | 2006-12-17 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨4 Comments » 

今年、1年を振り返って。。。

今年、1年を振り返って記憶に残ったニュースと言えば、
ホリエモンことライブドアの粉飾決算疑惑」と
村上ファンドのインサイダー取引疑惑」ではないでしょうか?
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ホリエモン、村上ファンド共にネット界での「勝ち組」「六本木ヒルズ族」として世間に持て囃されましたが、これらの現象は、一体何だったでしょう?
その本質部分に迫る意味でも、IT産業やネット界が、今後どうなって行くのだろう?
の問いかけでもあります。
昨今、ネット界での「商取引の自由化」が、加速しています。
このネット界における今後の動きや可能性について、改めて迫って見たいと思います。
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  投稿者 nakamura | 2006-12-16 | Posted in 01.世界恐慌、日本は?No Comments » 

食料品貿易でさえ赤字を出している米国

第2次世界大戦の戦勝国で、唯一国内被害を受けず、圧倒的な生産国力を誇っていた米国。
その米国の60年後の姿は、生産国力をトコトン衰弱させ、今や、あらゆる物的生産物を、海外からの輸入に頼っている。
その事が、品目別貿易統計の輸出入の数字となって現れている。
まずは、中分類の品目別輸出入の統計で見ると、二つの中分類を除き、殆どの中分類で輸入超過となっている。
■2003年の米国の品目別貿易額(単位億ドル)

品 目 輸出額 輸入額
食料品及び動物(食用)   433   461
飲料及びたばこ    48   126
非食品原材料   335   219
鉱物性燃料   146  1634
化学製品   888  1024
工業製品   686  1415
機械類、輸送用機器  3513  5337
雑製品   845  2299
特殊取扱品   323   520
総  額  7236 13051

世界の統計第9章貿易・商品分類別輸出入額

驚いたのは、大穀倉地帯のミシシッピー流域をもっているにもかかわらず、食料品の金額ベースの貿易が輸入超過となっている点である。2003年の食料輸出額が433億ドル、対して、食料輸入額が461億ドル。

ミシシッピー川流域
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Mississippi River

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  投稿者 leonrosa | 2006-12-15 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨1 Comment »