2017-07-28
世界を動かす11の原理-5~ドルを基軸通貨の地位から引き摺り下ろす動きが加速~
イラク戦争は、フセインが石油決済通貨をドルからユーロに変えたことが原因の一つということは周知の事実。それを後押ししたのが、当時のフランス大統領のシラクとのこと。ドイツも後押し。
その後、フランス、ドイツは親米派の大統領となり鳴りを潜めた。それに変わって、強力に脱ドルを推進した(現在まで)のが、プーチンのロシアと中国。
それによって、2006年末には、ついに流通量でドルを超えた。
今後もこの動きが加速する。
以下、「クレムリン・メソッド」~世界を動かす11の原理~(北野幸伯著)
からの紹介です。
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■「ドル基軸通貨体制」を揺るがすための通貨、「ユーロ」の誕生
①全世界に、もはや西欧にとっての脅威は存在しない
②脅威がないのだから、アメリカに支配され続ける理由はない
欧州エリートたちは、「もう一度、アメリカから覇権を取り戻そう!」と大きな野望を抱くようになったのです。
しかし、欧州の、たとえばドイツ、フランス、イタリア、スペインなどが一国で覇権を取るというのは、余りにも現実離れしています。では、どうするか?そう、
欧州を統合し、巨大な一つの国にしてしまえば、アメリカから覇権を奪えるだろう。
(中略)
そして1999年1月1日。欧州通貨統合がスタートしました。
ユーロの誕生です。
当時、参加11カ国の人口は2億9000万人、GDPは6兆3000億ドル。
いっぽう、アメリカの人口は2億7000万人、GDPは7兆8000億ドル。
ついに、ドル体制を崩壊させる可能性のある「通貨」が登場したのです。
■「石油」の決済通貨を、ドルからユーロに変えようと企んだシラクとフセイン
(前略)
2000年、「裏世界史」的大事件が起こります。
それを起こしたのが、イラクの独裁者サダム・フセインでした。
フセインは2000年9月24日、「石油代金として今後一切ドルを受け取らない!」と宣言します。
では、何で受け取るのか?
お分かりですね。
ユーロ。
実は、フセインをそそのかしたのは、ユーロを「基軸通貨」にし、アメリカから欧州に覇権を取り戻したいフランスのシラク大統領(当時)。
イラクは、湾岸戦争後、経済制裁下にあり、石油は国連経由でしか売れませんでした。
評判の悪い独裁者フセインが、一人で国連を動かせるわけがない。
しかし、そこでフランスが国連を動かし、フセインの要求は2000年10月30日に受け入れられることになります。
ドルでしか買えなかった石油が、ユーロでも買えるようになる。
この出来事は、アメリカの支配者達を「卒倒」させました。
もし、ドミノ現象が起き、「石油はユーロで取引」がスタンダードになれば?
ドルは「基軸通貨」ではなくなり、アメリカ没落は不可避になります。
アメリカがイラクを攻撃した理由。
アメリカがイラクを攻めた公式理由、「フセインは大量破壊兵器を保有している」「アルカイダヲ支援している」は大ウソでした。繰り返しになりますが、この二つの理由が「大ウソ」だったことは、アメリカ自身も認めています。
(中略)
フランスのシラクさんとイラクのフセインさんは、「アメリカ幕府打倒の狼煙」をあげたのです。
アメリカは、フセインの暴挙を見逃すことができず、なんやかやと理由をつけて、「イラク攻撃」を開始しようとします。
これに反対したのが、シラクのフランス。そして、フランスと共に「アメリカから覇権を奪い、欧州に再び覇権を」と夢見たシュレイダー首相のドイツ、プーチンのロシア、中国でした。
この4カ国の内、フランス、ロシア、中国は、国連安保理で「拒否権」を持つ常任理事国です。
結果、アメリカは、イラク戦争の「お墨付き」を安保理から得ることができず、第2章でも触れたように「国際法に違反して」攻撃を開始しました。
アメリカの権威は大きく損なわれましたが、他にどうすることができたでしょう?
「ドル体制防衛」は、アメリカにとって「死活問題」なのですから。
さて、アメリカは、イラクを攻撃し、同国の原油決済通貨をユーロからドルに戻しました。これで、「ドル大勢」は再び磐石になったのか?
これが、ならなかった。
「雨後のタケノコ」のように、後から後から「反逆者」が出てきたのです。
■プーチン、ロシア産資源の決済通貨をドルからルーブルに変更
イラク戦争が始まる直前、アメリカ一極支配に反対する勢力であるフランス、ドイツ、ロシア、中国の緩やかな連合が形成されていました。
これを「多極主義陣営」と呼びます。
この運動を始めたのは、ドイツ、フランスを中心とする欧州でした。
しかし、欧州の「多極主義」は、その後衰えます。
主な理由は、シュレイダー首相が2005年、シラク大統領が2007年にそれぞれ辞任したことです。シラクのあとを継いだサルコジ大統領は、「バリバリの親米派」。
「欧州多極主義」が衰退する大きな原因になりました。
さて、多極主義運動の中心は、2005年ごろからロシア、中国に移っていきます。
(中略)
そして、2006年。
プーチンは5月10日の年次教書(一年に一度、大統領が機会で、ロシアの現状と今後の方針を演説すること)の中で、アメリカの支配者達を「気絶」させるような爆弾発言をしました。
「石油など我々の輸出品は、世界市場で取引されており、ルーブルで決済されるべきだ」
「ロシア国内に石油、ガス、その他商品の取引所を組織する必要がある」
取引通貨はもちろんルーブル。
ドルが基軸通貨でなくなれば、アメリカは没落する。
ドルを基軸通貨でなくすには、その使用量を減らせばいい。
当時、原油生産量世界一だったロシアがルーブルで石油を売り始めたら?
ドルの使用量は増えますか?減りますか?
フセインは2000年11月、石油の決済通貨をドルからユーロにし、アメリカから攻撃されました。
プーチンは、フセインと同じ決断をしたのです。
しかも、イラクとロシアでは世界に与えるインパクトが全然違う。
プーチンは、言葉で脅すだけでなく、すぐ行動に移します。
2006年6月8日、ロシア取引システム(RIS。モスクワにある証券取引所)で、初のルーブル建てロシア原油の取引が開始されました。
プーチンの野望はとどまることを知りません。
2007年には、なんとロシアルーブルを、「ドルに代わる世界通貨にする」と宣言します。
(中略)
■ユーロの台頭、イラン、中東のドル離れで、崩壊が加速していくドル体制
アメリカはイラクを攻撃し、決済通貨をユーロからドルに戻した。しかし、ユーロの「基軸通貨化」はその後も進み、2006年12月末には、ついに流通量でドルを超えてしまいます。
(中略)
さらに、イランは2007年、原油のドル決済を中止しました。
(中略)
「イランがアメリカから逃げ切ることができれば、自分達も決済通貨を替えてしまおう」と考えていたのが、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦など中東産油大国がつくる、湾岸協力会議(GCC)。
(中略)
とはいえ、この通貨統合の大胆な挑戦は2010年から2015年に延期され、いまだに行われていません。2015年の実現もおそらく困難だと思われます。
しかし、2007年当時、「ドル離れの大トレンド」があったことは間違いありません。
こうして、ドミノ式にドル離れが起こり、ドル基軸通貨体制は崩壊していったのです。
2008年1月23日、ジョージ・ソロスは、ダボス会議で歴史的発言をしました。
「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終焉を意味する」
実際に世界的経済危機が起こったのは、この発言の約八ヵ月後でした。

米露の協力でシリア・IS問題は収束に向かっているのに、なぜマスコミは米露協力に否定的か?
日米のマスコミでは、トランプ大統領はロシアゲート疑惑で徹底的に批判されており、トランプ大統領がロシアと協力することを否定的に報道していいますが、米国とロシアの協力で、シリア内戦は収束に向かい、IS支配地域も劇的に縮小してきています。 シリア内戦の終結にはフランスのマクロン大統領がトランプ大統領と会談したのちに、シリアのアサド大統領の退陣を求めないと方針転換したことも大きく影響しています。
シリア内戦では既に30万人以上が死亡したと言われており、ISによるテロの被害は世界各国に広がっています。この混乱を収束させることは大きな功績だと思いますが、日米のマスコミはあまり大きく報道しません。何故、こんなことになっているのでしょうか。
トランプ大統領VSマスコミ、マスコミの路線転換が始まった?
前回はトランプ大統領とマスコミの関係を客観的に見ればトランプ大統領が優位に立っているという記事を書きました。逆に言えば、先週まではマスコミの勢いはまだまだ強く、マスコミの報道だけを見れば、トランプ大統領は追い詰められているという論調でした。しかし、この1週間ほどでマスコミの論調がかなりトーンダウンしてきました。
トランプ大統領VSマスコミ、客観的に見ればトランプ大統領優位?
G20サミット、米ロ首脳会談と大きな外交日程を終えたトランプ大統領ですが、大統領の長男が、ロシア政府からの支援の一環としてクリントン候補に不利な情報をもらえることを期待して、ロシア人弁護士にあっていたことが、大きな問題として取り上げられています。マスコミ報道を見ると、トランプ大統領も最早これまで、であるかのような勢いですが、実態はどうなのでしょうか。
都民ファースト大勝利、金貸しの新たな戦略は「看板を掛け変えるだけ」の革新?
7月2日に行われた東京都議会選挙は、小池都知事率いる都民ファーストの圧倒的な勝利に終わりました。予想以上の自民党の大敗北に激震が走りました。都民ファーストの会は今年の1月に作られた地域政党で、設立当時の都議会での議席数は5議席。都議選の公認候補がお披露目されたのが選挙の公示まで1カ月を切った6月1日という、まさに即席政党。
小池知事人気に、自民党の失態がいくつも重なったとは言え、あまりに圧倒的な勝利に思い出したのが、フランスのマクロン大統領の選挙でした。
金融と云う金儲け、詐欺システム+電子マネー化⇒さらに世界支配。
■教科書では、『銀行の3大業務』として下記を説明している。
①「預金(よきん)」
②「貸出(かしだし)」
③「為替(かわせ)」
そして、社会に役立っていると説明されている!!
しかし、本当に役立っているのだろうか?
具体的に彼らの業務を見てみよう。
①「金利」稼ぐ
銀行は金利で利益を得る。何も生産しない。お金を持っているだけで稼げる。
キリストは働かないで儲ける詐欺のような仕事として禁止した。
②人の金「預金」を稼ぐ
預金者が預けた預金を、いつでも返しますよと約束しているにもかかわらず、人に貸してします。
これを「信用創出」と名づけて正当であるかのように説明します。預金の10%は残してあとはすべて貸し付けてしまう。
よく考えると、この時点で、お金を預けた人が預けたお金を引き出しに来ると、10%しか金庫にはお金が無いので倒産だ。お金を引き出しに来ない事を前提にしている。これは詐欺みたいだ。
金貸しは、それを「信用創出」と呼ぶ。
つまり、俺たち銀行の事を信じているから一斉に「金返せ」とは言わないように、大衆を信用させている、とう事。
③「為替」で稼ぐ
離れた債権者と債務者の間で貸借を決済することだ。
以前は、手形や小切手だったが、今や、コンピューターでの金銭決済の代行に成っている。
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【電子マネー化】が銀行の稼ぎシステムと成ってしまっている!!
私たちは、給与は銀行に振り込まれて、必要な分を引き出し残りは自動的銀行に預金だ。
銀行は、その銀行に残っているお金(≒預金)を「運用」するのだ。
10%程度金庫に残しておけば、後は使い放題。
昔は現金で給料を払っていたが、現在の日本人のほとんどの給料は、銀行振り込み!!
【銀行振り込み制度】日本人の給与のほとんどは銀行振り込みなので、銀行は日本人の給与を運用金として利用できる。さらに今や金利はほとんどゼロ!!
さらに、サラリーマンが自分のお金を引き出すのに手数料を取って稼いでいる。
実は、今やこの手数料は銀行利益の柱の一つなのだ!!
「電子マネー」「電子カード」
現金を持たないで、カードで決済。便利で簡単!!
しかし、持たなくなった現金は銀行口座に預金としてストック。これを、またもや銀行は利用できる仕組み。全国に人々が「カード決済」してくれると、莫大な手持ち現金が銀行預金に入る事に成る。
バブル時期に日本の銀行は貸しまくったから、BIS規制で8%の元本は載っておくようにと言われて、元本不足で大騒ぎに成った。
つまり、1割以下の元本が金庫にない銀行経営は、一斉に返却を求められると銀行は倒産する。
これは、冷静に判断すると、「おかしい!」詐欺のような業務形態だ。
■さらに、今や現金は動かずに電算機の上で数字だけが動く。金融は電子化が進んでいる。
株式などの投資に関して、電子化はその取引(売り買い)が一瞬で処理されてしまう。
コンピューター所の処理なので、1秒間に1千回もの株式取引が可能と成っており、規制を加えだしている。つまり、持ち金を高効率で運用が出来るのだ。
<現在の金融の仕組み>
◆人の預けてもらった金で投資する
◆持ち金(自分の金)の10倍以上を、投資に向ける
◆国民のすべてのお金を、銀行に預けさせる社会制度(=電子マネー化)
◆引出、振込などにも、手数料を取る(=コンピューターを動かすだけで儲かる)
◆大きく膨らせた投資額を、電子化で高速処理すると、何千倍も利用頻度で稼ぐ事が出来る。
こうしてみると、金融の世界は、実体経済で物を作ったり、売ったり、サービスしたりという生産業務からすると、全く違った世界だ。
いつも間にか、世界の経済は、「実体経済」の比率が限りなく小さくなり、「投資経済」(≒博打)が大多数を占めている。これが経済学が機能しなくなった最大の原因だ。
金貸し(≒博打屋)達の博打仕掛け合戦で、世界が右往左往しているからだ。
金融は社会に役立つ生産業務は少なく、桁違いの利益を得られるように制度を変更していく事で拡大成長してきた。(≒実質、資本社会を支配してきた)
その結果、彼らはさらに桁違いの資金権力を所有して、社会を支配してきた。
現在の世界金融、世界経済を冷静に見ると、この様に見える。