2014-04-22
アメリカ・デフォルトは起きるのか!?-9 ~ヴェネツィア金融勢力の奥の院:イタリア王家~
前回、デル・バンコが、12世紀から現在まで実に900年近くに亘って現在の金融システムを創りあげてきたこと、そして、それ故に、世界経済、政治の世界にまでその力が及んでいるということを扱ってきました。
しかし、彼ら金融勢力も所謂「金貸し」、元は商人の出で、当時、貴族や王族にお金を貸すための原資があったのか?甚だ疑問が沸き起こります。
◆◆ヴェネツィア勢力の奥の院:イタリア王家
そこで、改めて、銀行設立当初の背景を探ってみると、彼らの背後にイタリア王家の存在が見えてきます。
元々、銀行設立の許可権を持っていたのが、イタリア元老院で、今もイタリア議会(上院)にその名称が受け継がれています。
イタリア元老院とは、イタリア国王の諮問機関で、銀行設立の許可もイタリア国王の意向が大きく反映されます。
デル・バンコに銀行設立の特許を与えた頃のイタリア国王は、サヴォイ家から排出されています。
サヴォイ家は11世紀から、カルタゴ、ヴェネチアに展開する、とても裕福な一族です。
1003年イタリア国王即位から現在まで、1000年以上続き、現在でも王位継承権を巡って裁判中であるとのことです。(リンク)
このサヴォイ家が、デル・バンコ等を使い、現在に至るまで、ヨーロッパ全土はおろか全世界に跨るような勢力を拡大してきたその経緯を辿っていきます。
アメリカ・デフォルトは起きるのか!?-8 ~金本位による中央銀行制度を構築したヴェネツィア金融勢力~
これまで、この「アメリカ・デフォルトは起きるのか!?」シリーズでは、中央銀行の限界、次の一手となるであろう世界統一通貨の発行と中央銀行のリンク、その裏付となる金の集積等について、仮説を立てて扱ってきました。
それらを検証すべく、今回は、(中央)銀行制度、そして金本位制度を創ってきた勢力の【奥の院】について扱っていきます。
◆◆銀行システム、金本位制度を構築したヴェネツィア金融勢力
実に面白いことに、銀行設立と金本位設立した勢力は同じなのです。
これは、ネットや書籍でも一定有名な、デル・バンコ一族が直接関与しています。
◆まずは銀行です。
世界最初の銀行は、1147年第2回十字軍遠征の際に、ロンバルディアに出来た銀行で、デル・バンコが設立します。これが後のバンクの語源になっています。
この銀行が十字軍のテンプル騎士団に資金を提供しています。
そこから、後にヴェネツィアに拠点が移され、さらに、スイスやイギリスに進出していく流れです。最終的には、スイスが金融の本拠地となっていきます。
因みに、ロンドンに進出した地域は、ロンバート街と呼ばれ、語源はロンバルディアです。
1300年後半に利子が解禁されるまでは、外国為替差益により莫大な利ザヤを得ていました。これを可能としたのが、オフショアと言われる外国為替取引拠点の創出です。
ヴェネツィアやスイス、スコットランドのマン島等が有名です。マン島は、テンプル騎士団が、彼らの資金剥奪を目的に迫害され、フランスを追われた際に、キリスト騎士団と名前を変えて、スコットランドに流れ着き、バイキングと海賊活動を行う過程で創られたとのことです。
テンプル騎士団を支援しているのが、(十字軍遠征からの繋がりである)デル・バンコ一族であったと言われています。
さらに、金貸しを悟られないために、タックスヘイブンという無記名、非課税or低課税の制度をこれらの地に確立し、外為で獲得した膨大な利益の目減りを防ぐシステムを構築していきます。これは、現在でも受け継がれています。
資力が武力を上回ったのはなんで?(5) 〜大航海時代から始まる商取引と分業化のシステム〜
このシリーズでは、「資力が武力を上回ったのはなんで?」を扱っています。
これまでの記事はこちらです。
(0)プロローグ
(1)“公共事業”としての十字軍と周辺ビジネスで肥大化した「騎士団」
(2)負け組が築き上げた国:スイス
(3)武力が制覇力になりえなくなった時
今回は大航海時代のお金の流れを見ながら、現在の金貸したちの力の源泉について考えながら、制覇力としての武力と資力の力の逆転劇を考察したいと思います。
「BRICSは金貸しに操られているのか?」 ~2:ロシア 金貸しによる人工国家からの脱却・プーチンの闘い

「BRICsシリーズ」の第2回。今回は、ロシア革命~ソ連建国の頃から金貸しの勢力下に置かれていたロシアを扱います。
ロシアと言えば、ソチ五輪直後のウクライナへの武力介入があり、そのままクリミア併合を強行しました。
アメリカ・デフォルトは起きるのか!?-7 ~金主の存在を炙り出し、その思考性を探るための課題整理~
アメリカ・デフォルトは起きるのか!? シリーズはこれまで、以下の記事をアップしてきました。
-1〜プロローグ・・ロックフェラーはロスチャイルドの支配下に?〜
そして、前回記事『アメリカ・デフォルトは起きるのか!?-6 〜欧州貴族は金貸しの暴走に危機感を抱き、直接戦略指示を出し始めた!?〜』で提起した、
>表向きの金貸し(ロスチャイルドやロックフェラー)ではなく、彼らに直接戦略指示を出し始めた金主(欧州貴族)に定める方が本質に迫ることができる道筋であると考えられる。
そして、金主が取る現代の戦略が見え始めたいま、今後の予測を立てるためには、金主の出自や思想性にまで遡って同化を試みていく必要がある。<
について、今回は、金主の存在やその思想性を数回に亘って探っていきます。
とは言っても、ロスチャイルドやロックフェラーが【裏】社会を200年余りに亘って操ってきたということは、ここ10年位の間にようやくその概要が分ってきたことです。
これは、戦争屋ロックフェラーが、「戦争反対」の世界共認により、その暗躍の場が狭められ、ロスチャイルドの牙城である金融世界に殴り込みをかけてきたことに端を発します。
そのことにより、両陣営がお互いの足を引っ張り合い、【裏】情報のリーク合戦に発展したことで、明るみにでました。
今回の追究対象は、ロスチャイルドやロックフェラーに資産の運用を任せてきた金主、言ってみれば【裏】社会のさらに【ウラ】つまりは【奥の院】の勢力で、中々情報が出てこないことは必至です。
故に、様々な周辺情報から仮説を立てて論理構成していく必要があります。
また、【裏】の【ウラ】社会を読み解く上での留意点として、ロスチャイルドやロックフェラーのようにネットや書籍等に名前が(頻繁に)出てくるということは、金主の使用人であり、金主の存在の【目くらまし】という側面もあり、これから展開する内容で登場する人物や団体等も【金主】そのものであることの特定は、今の段階ではできません。
一通り扱った後で、判断していかざるを得ません。
【幕末維新の代理人15】倒幕への道~倒幕テログループの興り~高杉晋作も過激公家も『なりすまし』
関が原以来の徳川政権への長州藩の怨恨、朝廷との繋がりある長州藩、貿易の開放etc(→参照) 長州藩の倒幕への因果は、先日の記事で明らかにしました。
一方で、倒幕テロのきっかけとなった人物が登場し、国際金融資本勢力の思惑も当然働いています。
今回は、この国際金融勢力の影響を最も受けた、高杉晋作と長州藩を整理してみます。
<明治からの日本は日本では無い(2)>
1862年の夏、上海から国家転覆を企む男がひとり、日本に帰って来たことから歴史の歯車が狂い出す。
即ち長州藩を過激な倒幕運動に導き、国際金融資本の手先として動いた男、 高杉晋作である。
ここからが倒幕テロリズム開始の年となる。
それに先立つ22年前、清国では英国との貿易の結果アヘン輸入量が増大、大量の銀が国外に流出したため、英国との貿易を禁止。これを不服とした英国は貿易保護を理由に軍隊を派遣した。アヘン戦争である。
敗れた清国は南京条約を締結し、英国に香港を割譲、上海・広東・アモイ・福州・寧波を開港した。
つまり香港を始め上海等は英国に本拠地を置く国際金融資本家たちの集合地帯となっていた。
この連中は世界のほとんどを植民地にし、アジアもインド・ビルマ・シンガポール等を支配下におき、アヘンを撒き散らし、略奪・虐殺の限りを尽くして荒稼ぎしていた者たちである。
そして当時清は「太平天国の乱」真っ最中で、「滅満興漢!」(満族から漢族へ)のスローガンを掲げ、そこかしこに打倒・清を目論んでいる連中がいた。
おそらく高杉率いるグループはここで国際金融資本家や打倒・清を目論む連中から革命思想でも吹き込まれたのであろう。
そもそも高杉の師匠、吉田松陰は易姓革命の理論的根拠となっている「孟子」を信奉していた。
つまりその松陰から薫陶を受けた高杉が革命思想に取り付かれるのも故無きことではない。
フランス革命も後のロシア革命もこの国際金融資本家たちが資金の提供元とされていることを考えると、さもありなんである。