国債下落と金融危機の始まり ~新たな秩序への序章か?~
国債を資産として形成されている現代の金融・経済と銀行システム。それが崩され始めている。
コロナ~ウクライナ戦争の真の狙いは、金貸しが握る金融システムの崩壊。
・コロナ →2021年からの米物価の急上昇(年率2%→8%へ)
・物価上昇 →今年3月からの米金利の引き上げ(ドル防衛:上げないとインフレでドル価値下落)
・2月末にロシア・ウクライナ侵攻(米利上げを見越した上での侵攻)
・中露による新通貨構想とBRICS陣営
・米さらに利上げ(ドル防衛)、欧も追随
しかし、金利引き上げは、
国債価格の下落をもたらし →銀行資産を縮小させる。(中央銀行+銀行が国債のほぼ100%を買い取っているから)
※米金利が約4% →米国債の時価は約17%ダウン。総額30兆ドル(約4300兆円)のうち700兆円の含み損。
●インフレ→金利上昇→すべての債権の価格が下がって金融収縮していく
・国債という経済のベースになっている債券。その価格が下がる=不良債権化していく。インフレにより、国債の将来価格が目減りする予想から、市場での取引価格が下落するということ。
・しかし、国債は全ての銀行・金融機関の資産となっており(安全資産という位置づけ)、それが目減りしていく。すでに▼17%、今後さらに利上げ→▼20%を超えていく。銀行資産が不良債権化→債務超過の危機へ。
※本格的な金融危機は数か月後
・米国債の価格ダウン→銀行資産の縮小だが、国債は時価会計ではない簿価。損失が表面化するのは売却したとき。
●資金繰りの危機からのドル高
しかし、下落を見越した投資家からの解約は既に始まっている。
・投資家からの解約 →ファンドなど機関投資家の支払い →既に資金繰りの危機に陥っている。
※解約に応じるには現金(ドル)が必要 →保有国債の売り→株や保有している円国債(約9兆円)の売却 →ドル高。
∴ドル不足 →ドル高は、金融危機が始まっている証。米金利上昇を止めた時がドル安への転換点?
●日本の対外資産
日本の対外資産1249兆円のうち578兆円(46%)は米国債と株だという(吉田繁晴氏)。米国債・株とも下落している。
既に生保は2兆円米国債を売り、損失が拡大する前に売る動きはさらに広がるか。メガバンクはあまり動いていなさそう。年金機構GPIFも米株下落から損失が拡大している。
☆追求ポイント
・米の出口?
・本格的な金融恐慌は、覇権交代とセットなのが常。中露の市場戦略とパラレルで進むだろう。
→中露主導の拡張BRICSによる経済圏構築、新国際決済通貨(バスケット通貨)導入へ
・日本のドル資産下落の金融機関や企業への影響はどうなる?
・今後、新規国債は捌けるのか?
・・・何よりも新たな金融システムと秩序への序章と見える。
by タロウ
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山田 | 2022.11.09 9:39
バイデンがレームダック化したら、中国やロシアと裏取引を始めるしかないでしょ!たぶんヨーロッパもそれを狙ってると思うから、日本だけが真面目にアメリカの顔色をうかがってる必要はないと思うぞ!まあ岸田さんは号令かけらないだろうけど、その場合はみんなで無視すれば良い!