2020-02-28
反グローバリズムの潮流(イタリアでは、成立したばかりの親EU政権が崩壊寸前)
前回、前々回と、イギリス離脱後のEUの状況としてドイツ、フランスの様子をお伝えしました。ドイツではメルケル首相の後継者が党首を辞任、フランスではマクロン大統領の年金改革に反対し全国規模のデモで混乱、マクロン大統領が「欧州は未来に希望のない大陸へと変わりつつある」と発言する等、混乱が続いています。ドイツ、フランスに次ぐEUの中の大国イタリアについて調べてみましたが、イタリアも反EUの流れが現体制を押し流そうとしているようです。 (さらに…)
国際情勢の大変動を見抜く!-53~湾岸戦争は世界のワン・ワールド化の機会とされた~
湾岸戦争は金貸しの世界戦略:世界統一政府樹立が公言された戦争とのこと。
当ブログでは、ドルを基軸通貨から引き摺り下ろそうとするイラク:フセイン(背後にロシア)を打倒する戦争(世界を動かす11の原理-5~ドルを基軸通貨の地位から引き摺り下ろす動きが加速~)との捉え方をしていましたが、実はもっと深い裏があったようです。
内容を見ていくと、パパブッシュが「湾岸戦争は新世界秩序という長く待たれた約束を果たすための機会を提供したと明言した」との事実からも、真の目的がワン・ワールド=世界統一政府の樹立が伺われる。
また、「国際干渉主義外交」と称し、「東欧カラー革命」や「アラブの春」など、その後次々と他国の政治に関与し、「民主主義」と称して傀儡政権を作っていったことからも明らか。
但し、今の状況を見ると、このころからネオコンの焦りが見える。なりふり構わない国際干渉は、それまで秘密裡にすすめられていた策略が、今では多くの人々に見抜かれている。
そういう意味では湾岸戦争の頃から、ネオコンの衰退がはじまった。
『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。
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■1991年 湾岸戦争
◇通説 :イラクのクウェート侵攻に対し多国籍軍が派遣された。
◇歴史の真相:湾岸戦争は世界のワン・ワールド化の機会とされた。
●世界の戦争に関与するネオコンの意図
まず、ネオコンとは何かということを説明しておきましょう。1960年代にアメリカで勢力を伸ばし始めたのが「ネオコン=ネオコンサバティズム」です。日本では「新保守主義」と訳されます。
ネオコンもまた、国際金融資本家の流れをくむ一派です。ネオコンの元祖の一人とされるノーマン・ボドレツという政治学者は「ネオコンは、元々左翼でリベラルな人々が保守に鞍替えしたから”ネオ”なのだ」と言っています。しかし、この説明は正しくありません。保守に鞍替えしたのではなく、新保守を自称しているだけです。新保守を名乗ることによって、正体を隠しているといえます。ネオコンの正体を知る一例として、アメリカの高名なジャーナリストと言われているウォルター・リップマンを取り上げます。彼もネオコンの一人でした。実は、リップマンはウィルソン大統領の側近として活躍したころ(1910年代後半)は社会主義者でしたが、後にリベラリストになり晩年はネオコンになったのです。あたかも、左翼から右翼へ遍歴したように見えますが、そうではなく社会主義者もリベラリストもネオコンも共通項は国際主義なのです。つまり、ネオコンの本質は国際主義であり、社会主義(共産主義)と同じイデオロギーを信奉しているのです。このようなリップマンの思想遍歴は、以下に見るように、ネオコンの歴史と重なります。
国際情勢の大変動を見抜く!-52~金貸しがゴルバチョフ、エリツィンを支援しソ連を解体した~
「金貸しがゴルバチョフ、エリツィンを支援しソ連を解体した」ということは結構有名な話で、その目的は、用済みになったソ連を解体して新自由主義の国に移行させることとのこと。
そして詳細に書かれている「その後のロシアの動き」については結構興味深い内容です。
IMFによる民営化政策誘導お決まり路線として、バウチャー方式導入が天然資源の海外流出につながったということは押さえていなかった。
民営化やバウチャー方式等縁が無かったロシア国民を半ば騙して、安値で大量のバウチャーを買い取った企業が大儲けをした。その一つの企業が銀行。
彼らは国家に金を貸して、その担保だった天然資源の国営企業を(国家が金を返せるはずもなく)手に入れた。当ブログ『金貸しは国家を相手に金を貸す』の通り。
最初から仕組まれていたこと。
もう一つ。金貸しは共産主義体制が崩壊させるなか、中国だけはその体制を維持している。
これは、中国にはロシアのような天然資源はないが、安価な労働力に目を付けたから。
「労働者を効率よく管理すること」
「工場用地を迅速に用意して整備すること」
「工場廃液などによる環境汚染を社会問題化しないこと」
など、スムーズに工場を稼働させるには、民営化経済体制よりも中国共産党の独裁体制が役に立った
とのこと。なるほど。
『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。
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■1990~91年 ソ連崩壊
◇通説 :独立国家共同体の成立によりソ連は存在意義を喪失した。
◇歴史の真相:国際主義者がゴルバチョフ、エリツィンを支援しソ連を解体した。
●敵国ソ連を必要としなくなったアメリカ
1991年8月、連邦維持を主張する保守派のクーデターはあったものの失敗し、ウクライナやアゼルバイジャンなど殆どの共和国が連邦から離脱、ソ連共産党も解散します。同年12月、ボリス・エリツィンを大統領(7月に就任)とするロシア連邦つまり旧ソ連のロシア共和国を中心に、ウクライナやベラルーシなどの11の共和国が独立国家共同体(CIS)を結成したことでソ連は解体、ということになりました。
崩壊の前年、1990年3月にミハエル・ゴルバチョフが、ソ連で最初で最後の大統領に就任しています。最初で最後というのは、その前月に共産党が一党独裁を放棄したからで、「ソ連の大統領」は歴史上ゴルバチョフただ一人です。
ゴルバチョフは偶然出てきたわけではありません。退陣後、ゴルバチョフはソ連崩壊の直後に、ゴルバチョフ財団と呼ばれる国際社会経済・政治研究基金を作りました。「世界統一政府を作ろう」と呼びかけて活動しています。ソ連のような独裁国のトップだった人物が、自らの意志だけでNGO活動することは通常あり得ません。世界統一を目指す国際金融勢力がゴルバチョフを支援していたことは間違いないでしょう。
反グローバリズムの潮流(フランスのマクロン大統領、欧州は未来に希望のない大陸へと変わりつつある)
イギリスのEU離脱を受けて、ヨーロッパの主要国はどうなっているか。ドイツはメルケル首相の後継者として期待されていた、クランプカレンバウアー氏が党首を辞任するなど、混迷を深めていることを前回お伝えしました。今回はフランスがどうなっているかを調べてみましたが、年金改革を断行しようとするマクロン大統領に反対し、過去最大規模のデモが発生し、フランスも大混乱と言う状況です。
電通が初の赤字転落! マスコミを通じて日本支配してきたシステムが終焉を迎えようとしている。
電通はGHQにより日本情報操作の為に育てられた、云わばアメリカによる情報操作スパイの代行会社である事はよく知られている。
広告業で大成して大きく成長してする中で多大な人脈を駆使して新聞、テレビを支配して、政治活動も操作する中で、良い悪いは別として日本社会操作の役割を果たしてきた。
しかし、激しい時代変化、特にIT社会が普及する中で、新聞、テレビさらにそれらを中心としていた広告業が大きな変化が生じた。
そして、電通は絶対たる既存権力にしがみついている内に、その時代潮流から取り残されてしまった。
電通が転げ落ちる象徴と成る初の赤字転落。電通に押さえこまれてきていた人々が、電通批判で一色と成った。
アメリカの日本支配も大骨を失う事に成る。確かに時代は大きく変動しようとしている。
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電通初の赤字転落! 大手各紙は「忖度」なく報道したか? ネット上では「解体すべし」の批判が殺到
J-CAST https://www.j-cast.com/kaisha/2020/02/14379506.html?p=allより
広告最大手の電通グループは2020年2月12日、昨年1年間の業績予想を下方修正し、808億円の赤字になると発表した。電通が赤字に転落するのは2001年に上場して以来、初めてのことだ。
メディア界に巨大な影響力を持つといわれる電通の一大事だ。まさか「忖度」などあり得ないと思うが、主要新聞はどう報じただろうか――。
一方、インターネット上では、
「日本最大のブラック企業は解体すべし」
「マスコミ・広告業界を牛耳ってきたツケがきた」
と批判の声が殺到している。
初めて赤字転落した電通(東京都港区の本社ビル)
■トップの日経、2段の毎日・読売、ベタ記事の朝日・産経
電通の決算発表があった翌日の2月13日付の主要新聞朝刊(東京都内最終版)各紙を見ると、紙面での扱いの大きな差が出た。
「電通、一転最終赤字808億円 前期、のれん減損響く」
という4段ぶち抜きの見出しで、投資情報面のトップに扱ったのは、経済専門紙の日本経済新聞。さすがに2つもグラフを使って赤字転落の背景を、
「豪州で大口顧客を失い、中国では現地の広告会社との競争が激化、苦戦が続いている。また盛んに行ってきた海外企業のM&Aの評価損も計上する」 などと詳細に伝えている。
一方、一般紙はというと、どこも非常に地味な扱いだ。
「電通、初の営業赤字」
という、まったく同じ2段の見出しで、ともに経済面の下のほうに掲載したのは毎日新聞と読売新聞。朝日新聞と産経新聞は、経済面の情報ファイルコーナーの中で目立たないベタ記事。東京新聞に至っては、記事がなかった(ただし、オンライン版では共同通信配信の記事を掲載)。
「電通がなくなると、国民が困ることがあれば教えてください」
というわけで、日本経済新聞を除く主要新聞の報道ぶりには隔靴掻痒(かっかそうよう)の感が残ったが、インターネット上では電通に対する批判の声が高まっている。
多いのは「電通は解体して出直したほうがいい」という意見だ。
「ブラック企業の代表格で、あれだけ不祥事を重ねながら黒字を続けてこられたことに驚くばかりです。マスコミ界を裏で牛耳っているかどうかは知らないけど、独占禁止法で解体されればいいと思う」
「電通は潰れるべきだ。一度は解散させるべき。戦後レジウムからの脱却には、戦後のドサクサで急成長した企業はとにかく解散させ、現在の法制度に適応できる体制にリフォームすべきだ。日産もその一つだ。電通は存在自体が間違った企業に成り果てている」「そもそも広告『代理』店がここまで力を持つことが歪みきった仕組みです。一度解体して広告業界を再編したらいいです」
「近所のスーパーが閉店したら困るが、電通がなくなると僕たち一般国民が困ることがあれば教えてください。どうしても思いつかなくて、夜も眠れません」
「電通自体はスタートからして国策企業だ(編集部注:旧満州国の満洲国通信社)。オリンピックなどの巨大イベントを手掛けたり、国民感情をコントールしたりする機関として政府支援はあるだろうが、YouTubeに代表される縛られない発信力が電通の活動の邪魔になっている。これまではテレビやイベントを通じて面白いように世論を動かせたけど、もうネットの個人発言までは統制しきれない。本当に単なるCM制作やイベント制作会社になるしかないかもね」
「電通の赤字はテレビ業界の終焉の始まりだ」
赤字化の原因についても、さまざまな意見が飛び交った。特に多かったのは、「ブラックな企業体質」と、電通のビジネスモデルが現在のインターネットを中心とした商品・情報流通の流れに合わなくなっているという指摘だ。
「電通の『神の声』のごとき支配力は、既存メディアに対してしか通用しない。インターネットが世に出現して30年。ようやくそれが露呈してきたと言ったところか」
「もう広告は代理する時代じゃなくなっている。そもそも広告を見て新製品買いに行く人っている?」「電通の赤字はTVの終焉の前兆と見ている。今やコンテンツなんて多彩。1日中TV見なくてもネット系で情報はなんでも入る。スポンサーもYouTubeにシフトした方が堅い。要は下らない芸能人が増え過ぎたのと、放送コードの強化で番組が面白くなくなった。天下の電通とて視聴者をいつまでも甘く見ていると潰れるぞ」
「電通が得意としていた分野は新聞、テレビ広告。テレビならゴールデンタイムの時間帯、新聞各社の1面広告を長らく電通は牛耳ってきた。それこそが電通の源泉だった。しかし、インターネット広告に関しては完全に出遅れてしまった。数年前に自殺した新卒女性の所属部署こそが、まさにインターネット広告を担当するデジタル・アカウント部だった。彼女は、電通が一番弱い分野に回され、過酷なダメ出しを繰り返されて疲弊した。電通の赤字は今後も続くだろう」
「電通がテレビCMを抑えている以上、刃向うテレビ局など存在しない。ゴールデンタイムにCM出したい企業は、テレビ放映時間枠確保を電通に口利きさせている。テレビ局側も、美味しいCMをもらうために電通に尻尾を振り、夜昼なく接待している。しかし、広告塔としてのテレビ業界が斜陽業界になりつつある現在、これからの電通はダメだ。YouTube広告だとgoogleの許可さえ通ればいいだけだし、今やCMなんて安い動画ソフトでそんなに知識なくても簡単に作れる。広告代理店がなくても十分世間に広告できる」
「確かにテレビを見ていると、CMの企業がびっくりするほどショボイね。昔、田舎に行ってテレビを見ると、地元の商店なんかがCMやっていたが、今はキー局でもそれに近いものがある」「まあ、テレビ局もサブスクリプションなど、CMに頼らないビジネスモデルを目指しているし、ネット動画広告時代で参入障壁も下がっているから、今までの電通のやり方ではどんどん苦しくなっていくのだろうね」
「地下鉄で電通のID下げたまま乗っている人いますよ」
電通に限らず、既存のオールドメディアの崩壊の兆しだとする意見も多かった。
「新聞購読者も激減、民放視聴率も低迷。時代の変化に乗り遅れた会社の末路です。これからはマスコミの崩壊が加速するでしょう。政治家や有名人の子弟、一流企業経営者の子を人質に、世界有数の広告会社に上り詰めたビジネスモデルはもう限界。今から思えばブラック企業と言われるようになったのが、崩壊の始まりでした。虚業企業の典型の会社です」
「今、テレビの宣伝は多すぎる。番組を見ているのではなく宣伝を見ているようだ。パソコンのYouTubeのほうがオンデマンドで面白い。宣伝もカットできるし無駄な時間がない。もう、テレビを見る気がしなくなった」
電通と付き合いのある人々から、電通社員のタカビーな体質を問題視する意見も多かった。
「電通社員と仕事をしたことがある人間ならわかると思うが、半端ない上から目線は隠しようがない。赤字は今年度だけのものかもしれないが、あまりにも勘違いしている社員がこのまま増加の一途をたどるなら先行き怖いね」
「電通の若い社員を接客しますが、子どもが大人になったような方たちです。もともとの言語が違う感じです。ほかの業界では通用しないのではと、かわいそうになります」 「30年ぐらい前、私が大学生の時は、電通社員はモテモテで花形職業だった。今の時代の激変ぶりを痛感する。銀行も不人気業種になりつつありますね」
「いや、20年前もモテモテでしたよ。何度か合コンをしましたが、遊んでそうで、いけ好かない男性が多かったです」
「最近でも地下鉄で電通のID下げたまま乗っている人いますよ」
「私が学生の頃は、男女ともいいとこの子が多くて、『コネ通』と呼ばれていたね。親から仕事をもらって回すから、普通の子だった友人は自分が場違いだと言っていたな」
「地方では知名度がなくて、私はずっと電力会社かと思っていました」
最後に、そんな電通社員に対して、こんなエールの声を――。
「電通、終わりました。才能のある人は早く逃げて~」
(福田和郎)
(以上、引用)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
BY猪飼野
国際情勢の大変動を見抜く!-51~ベルリンの壁崩壊:ソ連は存在の必要がなくなったために使い捨てられた~
筆者は「ゴルバチョフには共産主義体制を崩壊させてもかまわないとの底意があったと見られます。ゴルバチョフの改革路線を米、西独などの西側諸国は支持しますが、背後に何かあると見るのが自然でしょう。」と推察するように、これも金貸しが仕掛けた策略でした。
当ブログで以前に紹介した記事:『金貸し勢力のスパイの証言(22)~ソ連崩壊の真相~』 で、スパイのベラスコの証言から、
>ソ連崩壊も、金貸しが仕掛けたクーデターだったとのこと。それを指揮していたのがキッシンジャー。それにはKGB⇔CIAが絡んでいた。<
とのことです。
ほとんどすべての“歴史”は金貸しが作ってきたといっても過言ではありません。
『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。
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■1989年 ベルリンの壁崩壊
◇通説 :ソ連は内部矛盾で崩壊、冷戦体制終焉を象徴する出来事だった。
◇歴史の真相:ソ連は存在の必要がなくなったために使い捨てられた。
●解体させられたソ連
アメリカという国家を疲弊させるためのベトナム戦争を経て、アメリカはほぼ、国際主義者たちの思い通りに国家意識が希薄化しました。つまりこれは、ソ連の存在理由がなくなったということを意味します。ここにソ連の解体への道が始まります。
反グローバリズムの潮流(さらに混迷が深まるドイツ)
昨年10月にドイツの状況を、反グローバリズムの潮流(ドイツはついに景気後退に、EU=グローバリズムの限界が露呈)で紹介しました。イギリスがEUを離脱した今、ドイツの状況はどうなっているか調べてみました。 (さらに…)
反グローバリズムの潮流(イギリスのEU離脱、何が変わったか)
1月31日に、ついにイギリスがEUを離脱しました。とは言っても、これからおよそ1年は離脱移行期間で企業活動も市民生活もすぐには何も変わりません。それでも、何か変わったのではないか、調べてみました。 (さらに…)
国際情勢の大変動を見抜く!-50~キッシンジャーが石油価格高騰などのシナリオを書いた~
表題のようにオイルショックは、金貸しの指示でキッシンジャーがシナリオを書いた。その目的は石油価格高騰を狙ったもの。当然アメリカの石油王ロックフェラーが絡んでいる。
しかし、これが真の目的ではないとのこと。
真の目的とは石油価格決定権の獲得にあった。それをまんまとアメリカ(ロックフェラー)が勝ち取った。これがオイルショックの真相。
『知ってはいけない現代史の正体』(馬渕睦夫 著)からの紹介です。
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■1973年 第四次中東戦争と石油危機
◇通説 :イスラエルを支援する諸国に対してアラブ産油国が原油禁輸などの措置をとった。
◇歴史の真相:米大統領補佐官ヘンリー・キッシンジャーが石油価格高騰などのシナリオを書いた。
●キッシンジャーの幼稚な判断ミスの理由
中東戦争とは、パレスチナをめぐるアラブ諸国とイスラエルとの間の衝突を指す総称です。1973年の石油危機(オイルショック)の発端となったのは第四次中東戦争です。同年10月に、エジプト軍がシナイ半島、シリア軍がゴラン高原において一斉にイスラエル軍に攻撃を行ったことで開始されました。
キッシンジャーはニクソン政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官でした。私はキッシンジャーの回想録『Years of Upheaval』(邦訳『キッシンジャー激動の時代』)を読んで彼の策略に気が付きました。キッシンジャーは自画自賛の多い人物ですが唯一とも言える失敗談として、石油危機の口実となった第4次中東戦争を引き起こしたエジプトとシリアのイスラエル攻撃を予測できなかったことをあげています。キッシンジャーのような情報のプロとしては初歩的なミスで、とても奇妙に聞こえます。