2014-01-13

【特集:デフォルト研究】(6)バランスシートって何?

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前回は、これまでの中間整理を兼ねて、「’13年総括、デフォルトスキムの整理」としてまとめました。
その中でも、「帳簿操作による借金帳消し」。これが新しいスキムとして注目です。
では、帳簿操作で借金帳消しとは?どのようの行われるのでしょうか?
そのもととなる「バランスシート」について、今回は調べてみました。
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●帳簿の起源
まず、帳簿やバランスシートはどのように生まれたのでしょうか?
以下、るいネット「簿記、バランスシートの起源」より。

十字軍遠征の時代、中継基地として貨幣経済・自由経済の移行が促進され発展を遂げたヴェニス、ジェノバ、フィレンツェ、ピサから商人らが台頭・社会的地位を獲得し、東方貿易が盛んになった。
簿記は、こうした貨幣経済の拡大とともに発明されてきた。現在の賃借対照表(バランスシート)もイタリアが発祥と言われており、これらは、かつて利子を禁じていたキリスト教義と教会が、次第に貨幣価値の修正を強いられ、彼らもそれに手を染めて行く過程とパラレルである。
(中略)
以下、リンクより引用します。
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簿記は、備忘記録をつけるところから出発している。この備忘記録は受委託関係におけるアカウンタビリティの手段としての記録である。この受委託関係を中世ヨーロッパにおける社会経済状況から眺めてみよう。
中世ヨーロッパでは、教会の神父は物質をさげすみ、貨殖活動を「詐欺行為を含み、霊魂の浄化に危険である」と非難していた。
宗教万能時代にあって貨殖活動は戒められてはいたものの、それでも儲けたいと考えた富裕貴族や僧侶たちは、奴隷に商売を行わせたり、また、匿名で資本を提供し、組合契約にもとづいて冒険商人達に委託した。
そこに、受託者である奴隷や冒険商人には、商売の結果を主人や資本主に報告する必要性が生じてくる。
このような、奴隷と主人の関係、あるいは冒険商人と資本主との関係など、委託された資本の運用についての結果報告の資料として作成されたものが、徐々に簿記の体裁を整えていったものと考えられるのである。
また、簿記が考案された13〜14世紀のイタリアの歴史は、それこそ「嘘で築かれた聖戦」といわれ、「子供を串刺しにしてむさぼり食った」ほどの大虐殺を行った十字軍がヨーロッパからイタリア経由で東方アラブへなだれ込んだ時期でもある。
約2世紀にわたって天地を震動させた十字軍は、主目的に対して何らまとまった成果を残さずに終わったわけであるが、その政治、社会、文化面に実に重大な影響を与えた。

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イタリアのヴェニス、ジェノバ、フローレンス、ピサ等の諸都市は、十字軍の中継基地として大いに発展し、物々交換を主とする自然経済から貨幣経済・自由経済への移行、商人の台頭・社会的地位の向上、そして東方交易が盛んになる。
この時期がちょうど簿記が考案・体系化された時期であるから、簿記は商業の芽生えと同時に、商業と双生児の関係のごとく必然的運命を持って生まれたものである(まさに、ウルフのいう、簿記は商業の子である)。
従って、商業と簿記は一体のものであり、商業への役立ち、簿記なくしては商業の発展はないという関係にある。
商業の発展にともない、富の尺度が土地や金櫃に入っている金銀などの現物を離れ、富を象徴する貨幣に移るようになると、教会の貨殖禁止の考え方も変化する。
新しい富の出現によって、貴族達と並んで土地所有者であった教会の考え方も、自分の土地を守るためにも、また教会の維持のためには金が必要だという現実的な問題に対処するためにも、教義を変更せざるを得なくなったのである。
つまり、貨殖も節度の範囲内でなら構わないという教義の変更である。
貨殖は、教義の束縛からも開放され、商業の発達や大航海時代による商業革命が起こってくると、簿記はますます重要なものとなってくる。

商人→金貸し。彼らが作り出した商業都市。それと一体となって作られ広まった帳簿とバランスシート。
十字軍は始めからヴェネチア商人等が裏で動いていましたが、200年以上に亘る遠征により、富の大半を領有する貴族や騎士の大半が、交易に関わり、商人(投機)貴族化していきます。これが現在の金貸しの上位に位置する欧州の金主へと繋がっていきます。
冨は、土地・金・銀から、貨幣へと移行していきます。最終的にキリスト教教会もこの流れには逆らえず、教義を変更し、市場化に組み込まれていきます。
キリスト教会にいたっては、ごく最近までバチカンのバランスシートを隠蔽し、莫大な儲けを隠していました。
以下、「
バチカン銀行、初のバランスシート公表」(2013年10月2日)より。

ローマ法王庁(バチカン)の財政管理組織「宗教事業協会」(通称バチカン銀行、IOR)は1日、126年の歴史の中で初めて、バランスシートを含む年次報告書を公表した。秘密主義で、スキャンダルに悩まされる同行の透明性向上を求めるローマ法王フランシスコの取り組みを反映している。

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ローマ法王は他にもバチカン銀行の改革方法を模索しており、慈善基金への転換や閉鎖も選択肢として示唆している。
(中略)
 バチカン銀行は2012年度の純利益が8660万ユーロ(約114億円)となったことを明らかにした。国債をはじめとする債券取引が大きく貢献し、前年度の2020万ユーロから4倍以上に増加した。

金貸し(商人)が仕掛けた市場化の流れ。その中で、バランスシートを使って誰もが「貨幣の世界」へ引きずり込まれて行ったと見ることができます。バランスシートとは、市場拡大の道具だったのでは。
●現在の各中央銀行のバランスシート
では次に、現状の各中央銀行のバランスシートがどうなっているのか?見てみましょう。
金貸しは、中央銀行のバランスシートを都合良く使い、金融世界を操作しています。
(下記図は、こちらからお借りしました。)

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上記は、2008年リーマンショック移行の中央銀行の資産の動きです。
米国・FRB、ユーロ圏・ECB、英国BOE共、資産が急拡大しているのが分かります。
日本・日銀は、12年までは上記の状況ですが、13年から異次元金融緩和により、この後、資産が急拡大していきます。
特に注目なのが米国・FRBのQE1〜QE3と膨らんだ資産です。中央銀行が国債を買い取り、ファニーメイやフレディマック(政府がスポンサーになっている企業)が発行した債券やMBSを大量に買い取りました。
中央銀行が国債や債券を買い取り、大量の紙幣を発行する。これがバランスシートと呼ばれるカラクリで、世界的に行われています。一体どこまで膨らむのでしょうか?
●バランスシートって何?
では、バランスシートとは?何でしょうか?そのカラクリについて見てみます。
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バランスシートは、上図(リンク)のように資産の部と負債の部に大きく区分され、それらがつりあっています。
では、銀行のバランスシートをもとに、最近話題の金融緩和の仕組みを押さえていきましょう。
以下、「バランスシートで理解する金融緩和入門」より。

リフレ派は、日銀に金融緩和をせよ、国債を買え、と主張し続けているが、具体的にどんな取引が行われているかを理解している人は見当たりません。というか、理解していないからこそ、金融緩和を連呼しているのでしょう。
金融緩和は、おおまかに説明すると、金融機関が財務省から入札で購入した国債を、入札価格以上で日銀が買い取ること、を指します。つまり、金融緩和は、金融機関への利益供与といえます。
以下、バランスシートを使ってその取引を説明します。
■田中さんがA銀行に5億円を預けた

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■銀行は資金運用のために、財務省から国債を3億円分購入
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■金融緩和:銀行は国債を日銀に売却
現在は、超低金利=国債価格高騰なので、財務省から入札で購入した国債は、確実に高値で売れる、という状況。しかも、日銀は○○兆円を買い入れる、と公表しているので、金融機関から見ると、ただのカモです。
上記のバランスシート上にある国債3億円分を、日銀に売却したら4億円で売れた、とします。この時のバランスシートは以下の通り。
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3億円で購入した国債が、4億円で売れたので、銀行のバランスシートは1億円分、大きくなります。
左側の資産の部の「現預金」の合計が6億円になるので、それに合わせて右側の純資産の部に利益1億円が増えます。
これが、日銀による金融機関への利益供与だ、と述べた理由です。これがリフレ派が望む金融緩和です。

金融機関が日銀に国債を売った代金は、金融機関が日銀に開設している日銀当座預金口座に振り込まれます。日銀当座預金はマネタリーベースの一部ですので、この取引でマネタリーベースは増えます。
当然ですが、一番最初に5億円を預金した田中さんの口座残高は5億円のままです。
本来の金融緩和の意図は、金融機関に利益を供与したら、金融機関は民間への貸出を増やす、ということを期待してのことです。
しかし、現在は超低金利であるため、貸出をして得られる金利収入は減る状況になっています。つまり、貸出を増やしても銀行は儲けが増えるわけではない、という状況です。
金利収入も低く、貸し倒れのリスクもある民間企業に貸し出すよりは、後日に日銀が確実に高値で買ってくれる国債を、財務省から入札して購入したほうが、確実に利益が確保出来るため、金融機関の資金(=預金者の預金)はどんどん国債に向かっています。
政府は、徴税権を持っているため増税さえすれば、国債の返済をすることが確実なため、金融機関は民間に貸し出すよりも、政府に貸し出すことを選択します。
政府が国債を発行しなければ、銀行は現在のような国債の売却益を得られなくなるので、銀行は利益をあげる為に、なんとかして民間の貸出先を作る必要が出てくるはずです。
しかし、現在の政府は毎年大量の国債を発行しているため、銀行はリスクが低く、楽して儲けられる国債の購入を選択している、という状況です。
上記のバランスシートでいうと、国債を売って得た利益1億円分の現預金を使って、再度また国債を買う、ということを行っているのが、現在の金融機関の状況です。
以上が、金融緩和で実際に行われている取引です。
金融機関が金融緩和を求めるのは、上記のようにリスクなく利益が得られるからにほかなりません。
(中略)
上述の金融緩和による取引が理解出来たならば、金融緩和が雇用を生み出すようなメカニズムは皆無であることが理解できるはずです。繰り返しになりますが、金融緩和は中央銀行と金融機関の間だけの話だからです。

超低金利により、銀行は貸出を増やすより国債を買う。金融緩和が雇用を生み出すことは無い。
その前に、’70年以降の貧困の消滅、私権の衰弱により、実体経済の中で生きている私達庶民は、「欲しい物などない」という感覚が主で有り、企業がいくらものを作っても売れない。

●金融市場は実体経済(一般市場)とは無縁である
以下、るいネット「米国債デフォルト後の世界経済はどうなる?2〜金融市場は実体経済(一般市場)とは無縁である」より。

ここで金融市場に固有のカラクリがある。
国が借金する際には、国家から中銀or銀行に国債証券が発行されるが、中銀から銀行への貸付金はコンピューター上で数字が移動するだけである。この銀行への資本金(中銀の資産)とバランスする中銀の負債に計上されるのが紙幣であるが、実際に紙幣が印刷されるわけではなく、これも帳簿上の操作にすぎない。
つまり、これまで大量に印刷されてきたのは、中銀の紙幣ではなく国家の国債証書である。
こうして’70年以降、国債発行によって人工的に水膨れさせたマネーは、専ら中銀と銀行のバランスシートを水膨れさせてゆくだけだということであり、その人工的なマネーの流れは(国債発行前の)実体経済とは無縁だったということである。つまり大きく見れば、金融市場は実体経済(一般市場)とは無縁なのである。

次回は、日銀のバランスシートについて詳細を見ていきます。お楽しみに・・・
画像はこちらからお借りしました。
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List    投稿者 yooten | 2014-01-13 | Posted in 未分類 | No Comments » 

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