2014-12-31

ロシア経済危機から何を読むか?

本年最後のエントリーとなりました。
今年の世界経済(情勢)を振り返ってみると、ロシアへの経済制裁が始まったことが大きな出来事の一つと言えるでしょう。
ウクライナ問題から始まった西側諸国によるロシア経済制裁ですが、これは如実にロシア経済を直撃しています。
今年の3月に米国によるロシアへの経済制裁の表明がありました。2014年の初期には、対ドル相場(USD/RUB)で、1ドル=33ルーブル程度だったのに対し、12月には一時、1ドル=66ルーブルの高値にまでなったのです。
つまり、この1年でルーブルの対ドル(対外)価値が半減したことになります。大雑把に言えば、輸入品の価格が2倍になるほどルーブルの価値が下落したということです。
また、経済制裁は為替のみに留まりません。産油国であるロシア経済の基盤は、原油価格の変動に大きく左右されます。
原油相場(北海ブレント)は、2014年7月の1バレル=115ドルに対し、10月時点では80ドル台へと、こちらもまた3カ月間で40%も下がっています。ロシアは、原油と天然ガスの輸出で全輸出額の70%に及ぶため、原油価格の下落は国家財政及びロシア経済に直接的な影響を与えるのです。
下のグラフは、リュウマの独り言さんからお借りしたものですが、先のルーブルと原油価格の下落が2014年の7~8月以降おもしろいほど一致しています。
USD/RUB為替相場の推移 と 原油価格推移 (リュウマの独り言 より)
          ルーブルと 原油価格の暴落は 余りにも一致している。
田中宇 氏によれば、原油相場の変動は、イランやロシアを困らせる目的で(経済制裁の一環として)、米国とサウジアラビアが結託して、原油価格の引下げを行ったとのことです。
サウジは買い手の諸国に対し「必要以上に大量に原油を買ってくれた場合だけ破格の安値で取引する」と条件をつけ、アジア方面には、1バレル50~60ドルという破格の価格で輸出し、世界が過剰に原油在庫を抱えるように、原油安を煽っているようです。
米国と欧州は執拗なまでにロシア、そしてプーチンを追い込むつもりなのでしょう。

(さらに…)

  投稿者 dairinin | 2014-12-31 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨, 08.金融資本家の戦略, 10.経済NEWS・その他No Comments »