2017-01-26
反グローバリズムの潮流(オーストリアの自由党)
2016年6月にイギリスの国民投票でEU離脱派が勝利する前の4月に、オーストリアでは、いわゆるポピュリズム政党である自由党の候補が大統領選挙で一位になりました。決選投票で逆転負けはしましたが、得票率は49.7%対50.3%と本当の僅差。それも、票の集計が不適切だったとの憲法裁判所の判断で投票がやり直しになり、結果的に自由党は票を減らしましたが、僅差での敗北でした。
オーストリアは主要な言語がドイツ語で民族的にもゲルマン人が主流で、第二次大戦中はドイツの占領下でナチズムが広がった歴史もあり、民族主義を主張するとナチズムのイメージと重なり、極右勢力とみなされやすいこともあり、反対勢力が結集して自由党政権は実現しませんでしたが、そのような状況の中で、ここまで極右勢力と言われる自由党が勢力を伸ばしているのは注目に値します。なぜ、オーストリアでは極右勢力がここまで支持を増やしているのでしょうか。