2021-08-14
【エリート=詐欺師】CIAは実は無能なダメ機関⇒支配の中核を成す騙し「エリートは超優秀」の崩壊1
ブログ『杉並からの情報発信です』が、『雁屋哲の美味しんぼ日記』2010年7月11日「鳩山由紀夫氏から菅直人氏へ(2)」を紹介している。
それによると、CIAというのは実は無能極まりないダメ機関らしい。そのダメ機関CIAが唯一成功したのが日本支配らしい。一部引用する。
2007年にニューヨーク・タイムズの記者ティム・ワイナーが「Legacy of Ashes. The History of the CIA」という本を出版した。「Legacy」とは遺産のこと。「Legacy of Ashes」で「灰の遺産」と言うことになる。
「The History of the CIA」という副題から推察すると、CIAから次世代のアメリカが(現代のアメリカのことである)受け継ぐのは戦後のヨーロッパのように「灰だけだ」と言 うことになる。
ずいぶん、厳しい言葉だが、この本を読んでみると、この題名に納得がいく。
私たちは、CIAというと、大変に優れた諜報機関で、全世界にスパイ網を持ち、世界中の情報を収集し、と同時にアメリカにとって邪魔な国を倒すための陰謀を巧みに企んできた恐ろしくもあり強力な存在だと思ってきた。
ところが、この 「Legacy of Ashes」では、如何にCIAが無能で、情報機関としても陰謀機関としても、大きな失敗ばかり重ねてきたか暴いているのだ。
例えば、
1. 自発的にCIAのスパイになってくれたソ連での人々を、CIAがわのソ連のスパイが密告して全員殺された。
2. レーガン大統領の時に、イランに武器を売り付け其の代金を中東で使うというイラン・コントラ事件が起こって、CIAも、中東での関係もめちゃくちゃにして しまった。
3. 恐ろしく情報能力が低下して、ソ連の軍事能力を過信し、アフガニスタンに武器を大量に提供してソ連のアフガン侵攻を阻止しソ連を崩壊させる一助となったの はいいが、其の大量の武器が今アメリカを困らせている。
4. 大統領がCIAを信じないし、CIAも大統領を喜ばせることしか伝えない。CIAは大統領に嘘をつくのである。
5. イラク戦争の時も、CIAは大量破壊兵器があると強調して戦争を始めたが、結局、全て偽の情報でイラクに大量破壊兵器はなかった。
6. CIAの組織力はくずれ、世界中にいるCIAの人間は、ニューヨークのFBIの職員の数より少ない。
7. 2004年にブッシュ大統領は、CIAのしていることは「just guessing」だといった。
「guess」とは推量とか、あて推量で言い当てる、と言う意味だ。
要するに、CIAは「事実に基づいた判断ではなく、勝手に思いこみで言っているんだろう」、とブッシュは言ったのだ。
これは、「Political death sentence(政治的死刑宣告)」だとワイナーは書いている。
こんなことを今までに言った大統領はいない。
1. 2005年に中央情報長官の職が廃止されたことでCIAがアメリカの政治の中心で果たしてきて役割は終わった。
2. アメリカは、情報機関を立て直さなければならないが、遺産として目の前にあるは「Ashes」である。
というのが、ワイナーのこの本に書いてあることだ。
実に恐ろしいくらい、愚かな失敗をCIAは繰返している。
CIAと言えば泣く子も黙る恐ろしい存在だと思い込んでいた私など、それじゃ、幽霊と思ってススキにおびえていたのか、と愕然となった。
今まで、CIAとソ連の諜報機関との戦いを描いていたハリウッド製のスパイ映画は何だったのと言うことにもなる。
なお、ワイナーによれば、ここに書いたものは、CIA、ホワイト・ハウス、連邦政府の55000以上の文書、 2000以上の、アメリカ情報機 関担当員、兵士たち、外交官たち、のオーラル・ヒストリー(自分の歴史的体験を口述したもの)、そして、1987年以来行われた、300以上の、 CIAの職員、退役職員、(その中には10人の元長官も含まれている)に対して行われたインタビューを元にしている。
この文書は、全て実名の情報に基いている。出所を明らかにしない引用、匿名の情報、噂話の類は一切用いていない。
この本はCIAの真実の全てを書いたものとは言えないかも知れないが、ここに書かれたことは全て真実である、とワイナーは述べている。
さて、改めて言うが、この本を読んで、私はCIAがこれ程までに無能な機関であり、ここまで数々失敗を重ねてきたひどい政府機関であることを 知って驚いた。
そして、一番驚いたのは、この駄目機関であるCIAがただ一つ成功した例があることである。
それは、ああ、なんと、この日本という国の支配なのである。
確かに、我々はこれまでCIAと言えば、冷徹無比な恐るべき切れ者たちの集団だと思わされてきた。そして、日本の特権階級たちも恐れおののいている。ところが、何のことはない。日本の旧軍部や官僚と同じ、事実を直視できない、自分たちに都合のよい思い込みで動いている無能集団であるということだ。
米国は中東から撤退。米国が衰退し世界はどこに向かうのか。
米国がアフガニスタンから撤退。
米軍は7月2日、アフガニスタン首都カブールの北40㎞にある最大拠点バグラム空軍基地から撤退を完了した。
米軍が本格攻撃を始めて、19年8カ月≒20年となる。
★時代の大きな転換点だ。
米国の参戦の経緯を振り返ってみよう。
「米同時多発テロ(9.11テロ事件)」でその黒幕とみられた、アルカイダの主導者オサマ・ビンラディンの引き渡しを米国がアフガニスタンに求めたのに対し、当時のタリバン政権は主謀者だった証拠がないことを理由に拒否(これは国際法的にも正当)したことを名目に、米国はアフガニスタン攻撃を開始した。(テロに対する戦いを宣言)
2か月でタリバン政権は崩壊し、新たな政権(米国の傀儡政権)にはハミド・カルザイ大統領が就任。
しかしその後もタリバン側の攻撃は続き支配地域を再び拡大し米国は兵力増派を余儀なくされて泥沼状況に陥る。約20年間が経ちついに戦果なしで米軍撤退。
アフガニスタンから帰国する米軍
米軍は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争、そして今回のアフガンでのテロとの戦い、と負け続けている。そして、今回は中東から撤退して「世界の警察官」という称号から退くことになる。
米国は世界の「民主主義」を守る事を大義名分として「世界の警察官」と名乗り、利権(中東では石油)のある国の争いに介入して、傀儡政権を作る事で、利権獲得と軍需産業の利益確保の実現を得意としてきた。
しかし、米国として利権が得られない争いが多くなってきた。
軍需産業が暴走して、何でもいいから戦争をして兵器を売る事だけでのようにも見える。
「テロに対する戦い」の宣言でタリバン政権を叩くのも相当の無理な理屈だ。
結果、世界中、特に米国民の戦争への賛同が得られなくなってしまった。
今後、米国があらたな戦争を始めることは難しいだろう。
米国はこれまで世界の覇権を、武力支配(軍需産業)と石油支配それとドルによる世界貨幣で実現させてきた。
今回の米軍の中東からの撤退は、これらの米国の世界覇権システムが崩壊して新たな仕組みに組み替えられようとしている現象だ。
米国は、中東の制覇権を中国やロシアに渡して、アジア太平洋地域に限定していくという段階的な軍需産業の縮小を図っている。
すでに武力での制覇力は大衆の賛同を得られなくなったのだ。
さらに借金が増大している中で膨大な軍事費を維持していくのも困難になった。
一方で、コロナによるロックダウンで世界経済が破局して、世界経済の縮小過程に入るかと思ったら、
米国はじめ多くの国が景気刺激策として膨大な借金によるばらまきにより(米国では)バブル経済による好景気へ。
世界経済をさらに活性化させようとする勢力と、市場縮小(国家の借金が破綻してドル暴落から世界恐慌)に向かわせようとする勢力がもみ合い、綱引きをしている状態だ。
世界の動きはどこ見向かおうとしているのか、それを読む姿勢での注目が必要だ。
by猪飼野