2008-03-21
日銀正副総裁の選出、中央官僚秩序の綻び
日銀の正副総裁の人事は、国会同意を必要とする。
参議院が、野党多数なので、野党(民主党)が反対すると、正副総裁が決まらない。
結果は、2名の副総裁(白川氏、西村氏)が承認され、総裁候補の武藤(元財務省事務次官)、田波(同じく元財務省事務次官、現国際協力銀行総裁)の両氏は否決された。
武藤総裁候補では、全国紙5紙が揃って、武藤賛成、民主党批判を連日報道した。
ブログ界でも、5年間副総裁を努めた「武藤氏」に賛成する記事がかなりアップされた。
参議院のインターネット審議中継で、正副総裁候補の「所信表明」が直接聴取できる。
11日と18日の議院運営委員会である。
ライブラリー⇒会議検索⇒議院運営委員会で表示されます。
この映像及び肉声の印象を記しておく。
先ずは11日の所信表明。
武藤総裁候補
事務方の作成した所信原稿を読み上げるのは、旧態のまま。5年間の副総裁としての経験の片鱗もなし。(参議院不同意)
白川副総裁候補
日銀出身者、理事経験者として、実務的観点及び副総裁の役割について、そつの無い所信表明。(参議院同意)
伊藤副総裁候補
持論のインフレターゲット論を展開するが、KYそのもの。就任していたら、事務方が苦しんだろう。(参議院不同意)
次は、18日の所信表明。
田波総裁候補
急な指名であり、事務方作成の所信原稿を消化しきれていなかった。否決予想の元で、官邸・財務省の要請による役割だけを果たした。(参議院不同意)
*国の予算執行機関である「国際協力銀行」と中央銀行では性格が全く違う。さすがに、新聞各紙およびブログ上で適任という記事を誰も書けなかった。
西村副総裁候補
日銀審議委員の経験を元に、5名の中で、一番中身を感じさせる所信表明。(参議院同意)
事の本質については、以下の2氏の指摘が、正論だと思います。
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